吊り天井脱落のリスクを回避する耐震天井
吊り天井は構造躯体に金属製ボルトを設置し、ブレース材、野縁受け、野縁等の金物にて格子状に組み上げ、ボードで天井を仕上げる工法であるが、ブレース材や接合部の補強が十分でない場合などには、脱落する危険性がある。
東日本大震災では、体育館など地震時に避難場所となる大規模空間において天井材の脱落が多数生じたことから、平成26年に施行された国土交通省告示第771号(耐震天井告示)では、6m超の高さにある面積200㎡超、質量2kg/㎡超の吊り天井を、脱落により重大な被害が生じる恐れのある「特定天井」と規定し、脱落防止に関する技術的基準を定めた。
(株)佐藤型鋼製作所では、この天井耐震告示に適合した製品として「SATOCK耐震天井(19形・19/25形・25形)」および「耐震スマート天井ライト」を展開。どちらの製品も、同社が開発した「スマートギヤロック(次ページ参照)」をブレース取付金具に採用しており、施工時の緩みが生じず信頼性の高い耐震天井を提供している。
【SATOCK耐震天井(19形・19/25形・25形)】
コストパフォーマンスに優れた耐震天井
「スマートギヤロック」を使用することにより、優れた強度を実現した耐震天井。その水平許容耐力は19形で1690N、19/25形で5420N、25形で6070N(いずれも野縁方向の数値)と高く、これによりブレース材負担面積が大きく取れるため、ブレース材の数を削減できるというメリットがある。
強度とコストのバランスが取れていることも特長で、耐震補強工事に最適な製品である。
【耐震スマート天井ライト(PAT・PAT.P)】
歩行してのメンテナンスも可能な高強度の角形天井
在来天井の野縁受け・シングル野縁・ダブル野縁の代わりに、野縁受けに角形鋼SLGB-45(□45×45×1.2)またはSKH-45(□45×45×0.8)、野縁に角形鋼SKH-25(□25×45×0.8)またはH-25(□25×45×0.5)を使用した製品。
今までにない高い剛性が特長で、水平許容耐力は6440N(野縁方向)と歩行することも可能となり、天井ふところに設置された空調・照明等の設備のメンテナンスが容易に行える。
なお本製品はふところ3m以内に対応するが、ふところ最長6mまで対応可能な「耐震スマート天井」もラインアップされている。
構成部材
特定天井における天井ユニットの水平加力試験
(一財)建材試験センターで実施された試験により、優れた引張・圧縮強度が証明された。
[試験内容]
ブレースをV字に配置した在来工法による吊り天井(JIS19/25形天井+C60×30×10×1.6ブレース材+スマートギヤロック)を試験体とし、野縁および野縁受け方向に、それぞれ単調・正負繰り返し加力して試験を行った。
試験状況(ふところ2000)
[試験結果]
最大荷重時、野縁方向で9770N、野縁受け方向で9220Nの荷重が得られた。
●各仕様の水平許容耐力
(一財)建材試験センター西日本試験所で実施)
●天井ふところによる仕様・ブレース材1対の負担面積
仕上材PB9.5mm+岩綿12mm+照明2kg/㎡=12kg/㎡の場合
【ブレース取付金具 スマートギヤロック(PAT.P)】
取付後も緩まず吊り天井の安全性を高める
「SATOCK耐震天井システム」の高い耐震性能を実現するのに欠かせないのが、同社オリジナルのブレース取付金具「スマートギヤロック」である。
従来のブレース取付金具でネックとなっていた、取り付け時の緩みや取り付けにくさを解消した点が大きな特長。ブレース取付角度が可変なほか、ギヤによる上げ下げが容易で、下からブレース材の端を持ってスラブ下まで滑らせ突き上げることができるため足場の組み替えも不要など、従来製品と比べ施工性が格段に向上している。
ブレース材取付用ホルダーは、C40×20用、C60×30×10用、角形鋼用の3種類が用意されている。
特 長
1.締め付けた後でブレース材をさらに同方向へ回転させ、野縁受けの向きに合わせることができるため、緩まない。
2.優れた引張耐力、圧縮耐力を有する。
3.角度は30°、45°、60°と自在に調整できる。
4.脱着が容易で、後付けも可能である。

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株式会社佐藤型鋼製作所
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FAX : 082-237-4703
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