循環式ブラスト工法_®／エコクリーンハイブリッド工法｜橋梁補修補強工｜一般社団法人日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会／ヤマダインフラテクノス株式会社

循環式ブラストシステム

エコクリーンハイブリッド工法概要図

産業廃棄物の発生を最小限に抑制する環境配慮型ブラスト工法建設技術審査証明取得技術（建審証第2201号）
 
鋼構造物塗装において素地調整（１種ケレン）を行う際に用いるブラスト処理工法。
研削材には耐摩耗性に優れた金属系研削材を採用し、さらにブラスト装置を循環再利用システム（研削材と塗膜くずを回収・選別して、研削材を何度も循環再利用する）としたことにより、産業廃棄物の発生量を従来の約1/40にまで抑制することができる。
鋼橋の腐食対策としてブラストの需要が高まる中、産業廃棄物の発生を最小限に抑制できる本工法は実績を確実に伸ばし、2021年度末時点で累計施工実績は約160万m²に達している。
 
また、その抑制効果が大きく評価され「令和３年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 内閣総理大臣賞」をはじめ、「令和元年度土木学会環境賞」、「平成30年度環境賞環境大臣賞」など多くの賞を受賞している。

１．研削材を循環再利用するため、産業廃棄物発生量を大幅に抑制できる（産業廃棄物となるのは剥がした塗膜くずのみ）。
２．同時に産業廃棄物の処分費も大きく抑制できる。
３．また、産業廃棄物の運搬と処理に伴うCO²排出量も抑えられるため、脱炭素社会実現に大きく貢献できる。
４．従来工法と比べ粉じんの発生が極めて少なく、作業環境が大幅に改善される。
 

粉塵の発生が極めて少ない施工状況

ブラスト＋ショットピーニングで既設橋梁の長寿命化を実現
 
「循環式ブラスト工法」で用いる金属系研削材を、ピーニング用特殊鋼球（ショット）に入れ替えて既設鋼橋でのショットピーニングを可能とした工法。
ショットピーニングは、鋼材の疲労強度向上対策として航空機や自動車製造業界で古くから活用されてきた実績のある技術であるが、エコクリーンハイブリッド工法は、塗り替え塗装工程にこのショットピーニング工程を組み込むことで、効果的かつ経済的に鋼橋の長寿命化（腐食予防＋疲労き裂予防）を実現した。
岐阜大学との共同研究により、本工法では未処理と比べて疲労強度が2等級向上することが確認されている。
この予防保全技術の開発と効果の実証が評価され、「令和4年度文部科学大臣表彰 科学技術賞（技術部門）」を受賞している。

無数の特殊鋼球（ショット）を高速度で鋼材表面に叩き付け、表面近傍だけを塑性変形させることで、表面層に圧縮残留応力を与え、疲労き裂や応力腐食割れなどに対する抵抗力の向上を図る技術。
また、表面の結晶が微細化されてき裂の進展を抑制し、さらに表面硬化することでキズも入りにくくなる。

１．塗装塗り替え工事と同時に施工することで、ブラスト用の飛散防護設備をショットの飛散防止対策にも活用。
２．「循環式ブラスト工法_®」の循環再利用システムを併用することにより、ショットの回収再利用が可能。
３．現場での施工管理手法、出来形管理手法を確立しており、安定した品質確保が可能。
４．JIS G 0951「鋼構造物への循環式ショットピーニング用ショット」にてショットの規格が明確に規定されている。