本工法は、あらかじめ工場にて製作したPCF版(PrecastConcreteForm)を埋設型枠として壁高欄の外側に設置し、場所打ちコンクリートを打設して壁高欄を形成する壁高欄工法である。
PCF版は、ビニロン繊維補強セメント複合材料(VFRC)を使用した厚さ30mmの埋設型枠であり、設置後の内型枠組立・鉄筋配筋・コンクリート打設は鋼製型枠壁高欄と同様にできる。
無筋構造であるため、塩害・凍結融解・中性化作用などに対して高い耐久性を有する。
さらに、工場製品によるプレキャスト化で品質確保と現場での工期短縮が可能である。
また鋼製型枠で行っていた補修塗装が不要となり、ライフサイクルコストの低減につながる。
耐久性
ビニロン繊維補強セメント複合材料の高い靭性を生かし、低水結合材比で緻密な組織を有する無筋構造とすることで、塩害、凍結融解、中性化に対して高い耐久性を有する。
さらに、微細なひび割れに追随して劣化因子を遮断する伸びるセメント「RTコート」によりさまざまな劣化因子に対する耐久性を有する。
効率性
コンクリート製プレキャスト製品であるため、足場や防護工の設置解体作業の縮減による効率向上に寄与する。
安全性
橋面(床版)上での作業のため、施工の安全性が向上する。
また、高い靭性によりひび割れの進展が抑制されるため、車両衝突時に飛散・剥落するコンクリート量が少なく、高架橋下の車両や通行者に対する二次災害を軽減できる。
環境保全性
足場材や木製型枠の使用量を低減するとともに工程短縮が可能であり、環境に配慮した工法である。
施工性
外側型枠の脱型が不要なため、隣接構造との近接作業に有効である。
例えば、1期線とのクリアランスが狭隘な2期線施工において、数cmのクリアランスで壁高欄の施工が可能となる。
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