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建設資材データベーストップ > コンパネ!〜けんせつPlazaブログ〜 > 建築 > 知られざる建築IT女子の世界

 
建築は男の世界…などという時代でもなくて、建築業界で活躍している女性は決して少なくない。流行り言葉風に言えば「建築女子」である。しかし、それに”IT”が絡むとどうだろう。
仕事柄、ITを活用しているビルダーの方(ほとんど男性)とお会いすることが多いが(筆者は建築系3Dソフト会社に勤務している)、みなさん口をそろえて
 
「同業者はまだまだIT化していないところが多いので競争力があるんですよ」
 
とおっしゃる。
 
男子ですらそんな状況であれば、女子はさらにITとは遠いところにいるのではないだろうかと思っていたが、昨年インテリア系の3Dパースソフトを発売した関係で女性ユーザーにお話を伺う機会が増えてきた。
彼女たちに聞いてみると意外にもIT化に積極的な女性が多いことがわかった。
 
そこで今回は、知られざる(笑)建築”IT”女子の活躍についてご紹介したい。
 
 

構造設計女子の場合

この記事を書くにあたり、三名の女性に取材させていただいた。
 
一人は構造設計建築士、一人はリフォーム設計、そしてもう一人はガテン系建築士と三者三様の仕事である。
みなさん別々にお話を伺ったのだが、驚いたことに三人ともに共通していたことがひとつだけあった。
それは、全員が起業していることである。三名が異口同音に言ったのは
 
「自分の力で食べていける仕事がしたかった」
 
ということだ。
30年近くサラリーマンをやっている筆者としては頭が(地面近くまで)下がる思いである。
 
 
さて、今回はそんな三人の女性たちから、学生時代から起業を目指していたという武設計の武居由紀子さんをご紹介する。
 

武設計 武居由紀子氏

武設計 武居由紀子氏


 
 
高校時代は数学と物理が得意だったという、バリバリの理系の方である。筆者は高校時代に数学で0点をとったことがあるくらいなので、理系女子は崇拝してしまう。
 
建築を目指したのは独立できそうだと思ったから、サラリと言うところが、またまたかっこいい。
そんな武居さんは、女性では珍しい構造設計専門の建築士だ。なぜ、意匠ではなく構造を選んだのかを問うと、
 
「大空間における構造をテーマにした講演を聞いて感動したんです」
 
という非の打ち所のない回答に圧倒されかけていたら、
 
「でも、実は部活に打ち込みすぎていて、気がついたら構造系のゼミしか空きがなかったんですよ」
 
と笑いながら裏話を教えてくれた。ステキな建築女子である。
 
 

構造設計って楽しい!

武居さんが手がける構造設計の図面

武居さんが手がける構造設計の図面。緻密で精緻な世界である。


武居さんの会社「武設計」が扱う物件は4000平米以上の建物が主体で、年間10棟ほどの構造設計を手がけている。
住宅も1〜2棟は扱うが、そちらは”楽しむため”とのこと。
 
大規模建築物が主なのは、構造設計の需要があるということもあるが、大学卒業後に就職した会社で経験を積んだのが大規模建築物だったからだそうだ。
 
戸建て住宅は慣れていないので、構造設計に時間がかかるが、自由度が高いので工夫の余地がたくさんあって楽しいと武居さん。
 
なるほど、大きなビルなどはどれも真四角で同じようなものだから、そんな建物の構造設計は地道で退屈そうだ。
そんな感想を筆者が漏らすと、
 
「大きな建物でも構造設計って楽しいんですよ」
 
というので、詳しく教えてもらった。
 
「大きなビルは遠くからみれば真四角に見えるかもしれませんが、どんな建物にもどこかイビツなクセのある箇所があるんです」
 
と武居さんはいう。
 
そして、そんな形にした理由を意匠設計者にヒアリングすると、斜線制限、地中埋設物との関係、隣地建物からの見え方への配慮であったりといった事情が見えてくる。それを踏まえて構造設計を工夫することで、より合理的で使い勝手の良い方向に意匠を改善できることもあるそうだ。なんとも構造設計とは奥が深いものだ。
 
 

CAD図面での細やかな心配りは女子ならでは

ところで、この記事は建築”IT”女子なのである。肝心の”IT”についてはどうだろうか。
 
「構造設計は構造計算ソフトとCADを使うぐらいですね」
 
と、ちょっと考えながら武居さんは言った。どちらも特別珍しいものではないそうだ。では、”IT女子”ならではということもないのだろうか。
 
「女子だからということかどうかはわかりませんが、図面がきれいだ、とよく言ってもらえます」
 
と武居さん。
 
手書きの時代ならまだしも、CADなら誰が書いても同じではないかと思ったらそうではないらしい。
例えば、柱や梁に振る番号の位置をそれぞれの同じ側にきちんと揃えたり、数値と図面の線がかぶらないようにしたり、といったことはCADといえども手作業で行う必要がある。
 
 
”神は細部に宿る” という。
 
 
武居さんの構造設計図面は細部まで丁寧に心を配ることで、”美しい”という評価を得ているのだ。
 
 

数字を美しく配置した図面

数字を美しく配置した図面(クリックでクローズアップされます)


 
 

建築女子が長く働ける職場に

さて、そんな武居さんの将来の夢を伺った。
 
「女性の働ける場所になりたいですね」
 
武設計のスタッフは社員が4名、外注が3名。全員が女性である。武居さんはいう。
 
武設計 職場風景
 
「結婚や出産で職場を離れてしまった女性をたくさん見てきました。いったん職場を離れた女性は働きたくてもなかなか復帰できないんですよね。そんな女性が働ける場を提供できたらと思います」
 
 
武居さんが独立を目指して実現したように、建築の専門分野は女性でも実力次第でお金を稼げるのは間違いない※。その中でも構造設計建築士は意匠系に比べると現場に出る数が少ないので、より女性向きだそうだ。
 

※武居さん曰く、「儲かりはしませんが(笑)」とのこと

 
 
「構造設計では一つの建物ごとに膨大な仕事が発生しますが、役割をきっちりと分担してスタッフに振り分けることで、チームプレイが可能です。なので、子育て中で仕事時間が限られる女性でも、集中した数時間が大きな戦力になるんです。
構造設計女子がもっと増えて、そんな女性たちの働ける場になれたらうれしいです」

 
と武居さん。
 
 
 
将来の夢も、やっぱりかっこいい人である。
 
 
 
 
 
【この記事のライターは…】
西脇 功
西脇 功
 
住宅デザインソフト「3Dマイホームデザイナー」シリーズを開発販売するメガソフト株式会社の広報室勤務。ソフトウェアの活用事例紹介のため、ユーザー取材に東奔西走している。iPadをこよなく愛し、工務店のiPad活用術も私的に収集中。
 
 
 

 

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