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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 北海道開発局におけるCIMの取り組みについて

 

はじめに

CIMは社会資本の計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入し、その後の施工、維持管理の各段階においても活用し一連の建設生産システムにおける業務の効率化、高度化を図るものです。
 
国土交通省では平成24 年度からCIMの試行を進めており、平成28 年8月にCI M導入ガイドライン(素案)が策定され本格導入に向けての検証が行われています。
 
北海道開発局においても平成24年度から河川・道路事業においてCIMの試行を行っています。平成27 年度までの実績は道路、橋梁および電線共同溝の詳細設計などの業務7件、舗装工事、河道再生工事などの工事4件で試行されています。
 
そのうち昨年度試行を行った電線共同溝の詳細設計2件の業務について紹介させていただきます。
 
 

CIM試行の事例紹介

(1)一般国道36号苫小牧市における電る電線共同溝詳細設計
 
本詳細設計では国道36号苫小牧市栄町市街部の延長500mを対象に地中埋設物の干渉および可視化による関係機関との合意形成、属性情報の付与による将来的な管理台帳の3次元化を目的にCIMモデルの作成を行いました。
 
①景観の確認
 
地上部分にて景観の検討を目的に3 次元モデル化を行いました。沿道建物については詳細度(以下「LOD」)100、電柱、照明柱、標識、植樹はLOD200と定め、3次元モデルによって無電柱化による景観の効果を関係機関や地域住民に説明し理解していただきました(図- 1)。
 

図-1 構造物モデル 地上部分




 
 
②地下埋設物の干渉確認
 
電線共同溝と上水道、下水道、ガス、NTTの既設埋設物の交差状況を3次元で表現し、参画事業者、埋設物管理者が一堂に会して干渉の有無について確認しました。2次元図面では表現できない位置関係が一目で見ることができ「分かりやすい」と評価されています(図-2、写真-1)。
 

図-2 構造物モデル 地下部分




 
 

写真-1 関係機関との協議




 
 
地中部分についてはLODを200と設定し、維持管理を見据えて属性を付与しました。管路部では管種、管径、管路長、管理者毎のケーブル規格の情報を格納しました。
 
③施工計画
本業務では施工計画と仮設工について検討を行いました。仮設工の検討では作業の効率化を図るため新技術である大型覆工板による施工が可能か検証し有用性を確認しました(図-3)。
 

図-3 仮設モデルの検証




 
 
施工計画では施工ステップを3次元で示すとともに車線規制および施工機械の配置を再現し、工事期間中の通行への影響について住民説明を行い、視覚的に理解していただきました(図-4、写真-2)。
 

図-4 施工モデルの検討




 
 

写真-2 住民説明会の様子




 
 
④効果検証
設計検討や設計照査におけるCIM導入効果としては、2次元に比べ3 次元で実施することで既設埋設物の干渉、離隔の確認を効率的に行うことができました(図- 5)。
 

図-5 CIM導入効果の検証




 
 
受注者へのヒアリングでは、3 次元モデルで可視化することによって工事段階において不慣れな施工者には施工のイメージがしやすくなり大いに役立つ、また電線共同溝と既設埋設物の交差が輻輳するところにおいては、全体ではなく局所的にモデル化するだけでも非常に効果があるとの意見が挙げられました。
 
 
 
(2)一般国道5 号小樽市における電線共同溝詳細設計
 
本詳細設計では国道5号小樽市花園の市街部で延長640mを対象に地中埋設物の干渉および可視化による関係機関との合意形成、設計の最適化、属性情報の付与による維持管理の効率化を目的としてCIMモデルの作成を行いました。
 
①地下埋設物干渉確認
 
設計の最適化として地下埋設物との取り合いを可視化し干渉チェックを行い、特殊部で一部、干渉しているところを確認し設計に反映しました(図- 6)。
 

図-6 既設埋設物との干渉チェック




 
 
②景観の確認
 
合意形成の迅速化、効率化を目的とし3次元モデルを作成し、地域住民の方に説明しました。現実に近いイメージで分かりやすいとの感想があり合意形成も円滑に行うことができました(図-7、8)。
 

図-7 景観の検証




 
 

図-8 景観の検証




 
 
③施工の効率化(フロントローディング)
 
既設構造物と電線共同溝の干渉について、2次元では分かりづらい箇所の確認を行いました(図-9)。
 

図-9 既設埋設物との干渉チェック




 
 
この3次元モデルでは河川の既設管渠との交差部において土かぶりがとれない箇所での埋設方法の検討、高架橋横断箇所や道路中央部での交通規制の方法について検討を行いました。
 
このように施工時に想定される問題点を事前に検討し、工事に活用可能なモデルとなりました。また、既設埋設物および電線共同溝を3次元化し、維持管理の効率化、高度化を図るために施設情報や位置情報の属性情報の付与を行いました(図- 10、11)。
 

図-10 属性情報(位置情報)の付与




 

図-11 属性情報(施設情報)の付与




 
 
④効果検証
 
受注者からは、従来は平面図や縦断図など複数の図面で形状を把握していたのが、3次元のデータ一つで全体の設備の位置関係の把握が可能、CIMモデルの制作に時間はかかったが、チェックに要する日数の削減により11日間が9日間と2日間の作業日数を削減できた。また、工事へのCIMモデルの円滑な引き継ぎが重要、既設埋設物の設計と実際の位置がどの程度整合がとれているかなどの意見が挙げられていました。
 
 

おわりに

 
これまでのCIMの試行を通じて次のような効果が挙げられています。
 
①3次元モデルによるイメージの明確化は受発注者間や住民説明、事業者、管理者によるイメージギャップの減少、
 合意形成には非常に有効である。
 
②配筋や地下埋設物など、2次元図面による情報では確認しづらかった部分などを確認でき、設計が的確に行える。
 
③3Dレーザースキャナーを使うことで、急斜面や交通量の多い交差点など安全に測量することが可能である。
 
④事前に3次元で検討できるため、現場での手戻りが減った。
 また、今後、CIMの円滑な導入に向けては次のことが挙げられています。
 
⑤ソフトウエアやパソコン、通信環境を整備する必要がある。
 
⑥2次元図面から3次元モデル作成は時間と労力がかかるため測量段階から3次元モデルを導入することにより、
 CIMを効率よく活用できる。
 
⑦CIMモデル作成のコストを考慮すると、配筋モデルを過密部など部分的に作成するなどの検討が必要である。
 
⑧CIMの普及には3次元モデルを制作できる技術者の養成が必要である。
 
CIMモデルの活用はフロントローディングによる、工事着手前の段階でさまざまなミスや危険を回避できます。
 
CI M導入ガイドライン(素案)では、土工、河川、ダム、橋梁、トンネル分野への導入について検証が行われており、今後、i-Constructionの取り組みの一つとしてCIMの効果的な活用による生産性の向上が期待されているところです。
 
 
 

国土交通省 北海道開発局 事業振興部 技術管理課

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i -Construction時代の到来とCIM」



 
 

 

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