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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 東北地方整備局におけCIMの取り組みについて

 

はじめに

国土交通省では、平成24年度より建設生産システムの効率化・高度化を図るため、CIMの導入について検討を実施してきているところである。東北地方整備局においても、CIMの試行成果については年々蓄積されているところであり、設計、工事、管理の段階ごとに、代表的な事例を紹介する。
 
 

設計段階のCIM事例について

1)業務概要
 
業務名;掛田橋詳細設計業務
期 間;平成27年8月11日〜平成28年3月15日
受注者;中央復建コンサルタンツ(株)
概 要;一般国道115号相馬福島道路の伊達市霊山町地内に計画している掛田橋、
    橋長175mのPC4 径間連結コンポ桁橋の詳細設計業務である。
 
 
2)CIMの取組み内容
 
この設計業務では、橋梁設計において主に次の4項目についてCIMを活用し、導入の効果を検証している。
 
①基礎の支持層根入れ照査(図-1)
複雑に起伏している支持層に対し、橋台基礎の根入れが十分に確保できているかを、CIMモデルで確認することで、適切な橋台位置を決定した。
 

図-1 基礎の支持層根入れ照査




 
 
②配筋の施工性評価(図-2)
配筋図のCIMモデルにより、配筋密度や付属物との取り合いを確認の上、施工性を評価することで、橋脚形状を決定した。
 

図-2 配筋の施工性評価




 
 
③配筋・PC鋼材の干渉照査(図-3)
部材の干渉状況を、CIMモデルで確認・照査することで、配筋計画を決定した。
 

図-3 配筋・PC鋼材の干渉照査




 
 
④排水ます・排水管の配置検討(図-4)
主桁セグメント位置を避けた排水ますの配置、主桁と排水管の離隔を、CIMモデルで確認することで、適切な排水計画を実施した。
 

図-4 排水ます・排水管の配置検討




 
 
3)得られた課題等
 
CIMを活用することで設計品質等の向上効果が得られた反面、ソフトウェア機能や技術者スキルの問題などの周辺環境整備が、今後の解決すべき課題である。
 
 

工事段階のCIM事例について

1)工事概要
 
工事名;国道45号 田老地区道路工事
工 期;平成26年10月3日〜平成29年3月31日(予定)
受注者;(株)フジタ
概 要;復興道路として整備中の三陸沿岸道路の宮古田老工区内において、2本のトンネル工事と、橋梁下部工工事を行うものである。
 
 
2)CIMの取組み内容
 
この工事では、トンネル工事において主に次の3項目についてCIMを活用し、導入の効果を検証している。
 
① 施工の可視化(図-5)
2次元の設計図からCIMモデルを作成し、実際の施工進捗状況に応じたCIMモデルに更新していくことで、進捗状況を可視化している。これにより、現在の切羽位置や、次の掘削工程の地山地質などを作業所全員で共有できる体制を構築して工事を進めている。
 

図-5 施工の可視化




 
 
②施工情報の一元化(図-6)
これまで、個別に管理していた設計図や各種施工情報などの工事情報を、CIMモデルに属性情報として付与することで一元管理することを可能とした結果、工事情報の共有・活用がしやすくなったほか、必要な施工情報の取り出しも容易にしている。
 

図-6 情報の一元化




 
 
③施工管理の高度化・効率化(図-7)
事前にFEM解析を実施し、解析モデルおよび結果をCIMモデルに付与することで、FEM解析結果と内空変位等の実測値を比較し、施工の安全を確認しながら掘削作業を行う体制を構築し、より高度化・効率化した精度の高い施工管理を実施している。
 

図-7 施工管理の高度化・効率化




 
 
3)得られた課題等
CIMを活用することで施工効率化の向上効果が得られた反面、前述の設計事例と同様に、CIM普及に向けての周辺環境整備が解決すべき課題である。
 
 

管理段階のCIM事例について

1)胆沢ダムの概要
 
胆沢ダムは、北上川ダム統合管理事務所の胆沢ダム管理支所で、平成26年度から管理を行っている、国内第2位の堤体積1,350 万m3を誇る、中央コア型ロックフィルダムである(図-8)。
 

図-8 胆沢ダム位置図および全景




 
 
2)胆沢ダムCI Mの構築
 
これまでのダム建設事業においては、多くの調査資料や図面等の膨大な情報が蓄積されていながら、そのほとんどが紙媒体であるという課題を抱えていた。そこで、維持管理の高度化・効率化に向けて、各種情報を電子化・3 次元活用する「胆沢ダムCI M」を、先導的に平成25年度までに構築している(図- 9)。
 

図-9 胆沢ダムCIM構築イメージ




 
 
3)胆沢ダムCI Mによる管理
平成26 年度より、ダム管理へのCIM活用を具体に開始している。
 
①点検結果の可視化(図-10)
3次元の立体画像でダムを可視化し、点検時にはタブレット端末を用いることで、現地において管理項目の値に短期的に極端な変化がないかを速やかにチェックしている。
 

図-10 点検結果の可視化




 
 
②点検作業の効率化・迅速化(図-11)
タブレット端末に直接、現場点検記録や写真を入力することで、所定の様式やグラフ類の自動作成を可能としているほか、基準値を超すデータが入力されれば、アラーム音等の自動応答で確認できるものとしている。
 

図-11 点検作業の効率化・迅速化




 
 
4)CIM活用の継続と向上
 
現場の意見等も取り入れながら、年々、ステップアップさせて継続中のところである。一例を挙げれば、GPS観測による堤体変位状況について、これまでの2次元管理のものから、CIMを活用した3次元による可視化を実施している(図- 12)。
 

図-12 堤体変位状況の可視化




 
 
今後は、これまでの管理実績を踏まえつつ、ダム維持管理のさらなる高度化・効率化に向けて、「主要な電気通信ケーブル敷設情報」、「貯水池内の堆砂状況」、「水質データ」等の情報について、CIMへの追加付与を検討する予定である。
 
 

おわりに

国土交通省の取り組みとして、平成28 年度にCIM導入ガイドラインを策定、平成29年度以降はガイドラインに基づく運用検証、その後適宜拡充という予定になっている。東北地方整備局としても、これまでのCIM試行で得られた知見・課題等も踏まえ、引き続き、CIMの展開・推進に取り組んでいきたい。
 
 
 

国土交通省 東北地方整備局 企画部 技術管理課 係長 三文字 美彦

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i-Construction時代の到来とCIM」



 
 

 

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