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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 『女性技術者・技能者を応援!』女性の活躍を推進〈けんせつ小町〉

 

1. 建設業の長期ビジョン

建設業界として重要な事象のひとつが高齢化の進行です。
 
図1は建設業と全産業で就業者の年齢構成を比較したものですが,建設業は55歳以上の高齢者が多く,29歳以下の若者が少ないのが見て取れます。 
 

図1 建設業と全産業の年齢構成の比較




 
(一社)日本建設業連合会(日建連)では団塊世代の大量離職を見据え,平成27年3月に「再生と進化に向けて 建設業の長期ビジョン」を公表しました。
 
この長期ビジョンで日建連は,2025年までに128万人の技能者が離職すると推計し,供給能力を維持するため,34歳以下の若者を中心に90万人の新規入職者の確保と,生産性の向上による35万人の省力化を目標として掲げました(図2)。
 

図2 「再生と進化に向けて 建設業の長期ビジョン」に基づき作成




 
このうち,新規入職者の確保において重要となるのが,処遇の改善と女性の活躍推進であり,処遇の改善については,他産業に負けない賃金水準の確保,社会保険の加入促進,休日の拡大,建退共制度の適用促進,重層下請構造の改善等に取り組んでいます。
 
 

2. けんせつ小町

女性の活躍推進にも積極的に取り組んでいます。まず,平成26年10月に建設業で活躍する女性の愛称を公募により「けんせつ小町」と決定しました(写真1)。
 

写真1 太田国土交通大臣(当時)に愛称を報告




 
また,平成27年1月にはロゴマークも作成しました(図3)。ヘルメットをオレンジ系の花びらに見立て,建設業で明るく活き活きと活躍する女性を表現しています。
 

図3 けんせつ小町のロゴマーク




 
建設業で活躍する女性を表す共通の愛称として,会員各社,マスコミ等にも広く活用するよう呼びかけています。
 
 

3. けんせつ小町工事チーム

けんせつ小町工事チームとは,工事現場において,女性技術者および女性技能者が多数,施工に従事している,または中心となって施工を担っているチームのことをいいます。
 
登録チームの一覧を日建連のHP上で公表することにより,建設業には女性が活躍できる職種が多数あり,実際に数多くの女性が活躍していることをPRしています。
 
けんせつ小町工事チームのメンバーは,定期的に意見交換会を開催したり,女性目線で現場パトロールを実施したりすることによって,女性に配慮したトイレ・更衣室等の設置や,出産・育児に配慮した勤務形態の採用等を提案しています。また,現場見学会の案内役を務めたり(図4),マスコミの取材対応を務めたり(写真2)することによって,建設業のイメージアップに貢献しています。
 

図4 けんせつ小町活躍現場見学会のポスター

写真2 太田国土交通大臣(当時)とけんせつ小町工事チーム




 
 

4. 現場環境整備マニュアル

女性技術者・技能者に入職・定着してもらうためには建設現場の受入体制を整備することが不可欠であり,平成27年4月に「けんせつ小町」が働きやすい現場環境整備マニュアルを公表しました(図5)。
 

図5 「けんせつ小町」が働きやすい現場環境整備マニュアルの一部




 
このマニュアルでは,元請企業としてまず取り組むべき事項を「MUST」,建設業の魅力化を図るために取り組むべき事項を「BEST」と整理しています。例えばトイレであれば,女性専用のトイレを設置し,男性が無断で使用できないように管理することは「MUST」,女性用と男性用を明確にエリア分けし,さらに入口を分けることを「BEST」としています。
 
 

5. マニュアルのチェックリスト

平成27年10月には「けんせつ小町」が働きやすい現場環境整備マニュアルのチェックリストを公表しました(図6)。平成27年4月に公表したマニュアルに対応したもので,「現場用」と「管理部門用」に分けて作成しています。
 

図6 「けんせつ小町」が働きやすい現場環境整備マニュアルのチェッ クリストの一部




 
このチェックリストを活用することにより,現場環境の整備状況が「見える化」され,女性でも働きやすい職場環境の実現に向けた取組みが一層強化されることを期待しています。
 
 

6. けんせつ小町活躍推進表彰

平成27年度から,けんせつ小町活躍推進表彰を実施しています。女性の活躍を推進する活動を顕彰することによって,担い手の確保,ダイバーシティの推進,建設業のイメージアップに資することを目的としており,平成27年度は最優秀賞1件,優勝賞4件,特別賞6件を選定して表彰しました(写真3)。
 

写真3 石井国土交通大臣に表彰結果を報告




 
 

7. 国土交通省に要望書を提出

女性に配慮したトイレ・更衣室等の設置や長時間労働の是正には発注者の理解と協力が必要であることから,平成28年7月に国土交通省に「もっと『けんせつ小町』が働きやすい建設業へ」と題する要望書を提出しました(写真4)。
 

写真4 国土交通省に要望書を提出




 
その成果のひとつとして,国土交通省は,上述した「けんせつ小町」が働きやすい現場県境整備マニュアルを参考に「快適トイレ」の標準仕様を決定し,直轄工事での設置を原則化することとしました。
 
こうした取組みが多くの地方公共団体等にも広がることを期待しています。
 
 

8. ハローワークにポスター

女性に建設業に入職してもらうためには,求職中の女性に,建設業には女性が活躍できる職種が多数あり,建設業は女性の入職を歓迎していることをまず知ってもらう必要があります。
 
そのため,(一社)建設産業専門団体連合会と連名でポスターを制作し(図7),厚生労働省の協力の下,全国のハローワーク556箇所に掲示を依頼したほか,工業高校・高等専門学校510箇所等にも送付しました。
 

図7 ハローワーク等に掲示を依頼したポスター




 
 

9. 女性活躍推進フォーラム等

日建連では平成27年4月に「けんせつ小町委員会」を設置しました。これは常設の委員会であり,女性活躍推進の取組みを一時的なブームで終わらせてはいけないというメッセージでもあります。
 
委員会ではこれまで紹介した取組みの他,出産・子育て期の不安を軽減すること等を目的とした,情報交換の場としてのワールドカフェ(写真5),建設業における女性活躍方策を検討すること等を目的とした女性活躍推進フォーラム(写真6),男性管理職・女性双方の意識改革を促すこと等を目的とした「けんせつ小町セミナー」(写真7)等も開催しています。
 

写真5 情報交換の場としてのワールドカフェの様子




 

写真6 女性活躍推進フォーラムの様子




 

写真7 「けんせつ小町セミナー」の様子




 
また,平成28年8月に国土交通省が公表した「女性活躍支援に取り組む地域ネットワーク事例集」で紹介された地域ネットワークとの意見交換会を計画しており,第一弾として,平成28年10月に県庁,県建設業協会,若者就職支援センター等が構成員となっている「やまぐち建設産業女性の活躍支援ネットワーク」を訪問しました(写真8)。
 

写真8 意見交換を終えて集合写真




 
けんせつ小町委員会では,建設業の中で女性が普通に活躍できる業界になることを目指して,こうした取組みを継続していくとともに,日建連HPの見直し等,新たな取組みにも挑戦したいと考えています。
 
 
 
 
 
 

【働く女性の力を引き出す取り組み】

土木技術者女性の会
活動の概要

「土木技術者女性の会」は、約30名の女性土木技術者による任意団体として1983年に発足しました。現在は,総合建設業,コンサルタント,行政,教育研究機関,フリーランス等,様々な職業の会員約380人を擁する全国組織となり,北海道,東日本,中部,西日本の4つの支部にて活動しています。
 
年1回の総会に加え,支部による現場見学会,勉強会等の活動を通して,会員同士が相互に研鑽し,交流を深めています。
 
当初は会員同士の励ましあいの場であった組織は,いまや多彩で多様なロールモデルの宝庫となりました。この蓄積を生かし,学生向けの「キャリアセミナー」の開催や,ロールモデルを紹介する冊子「Civil Engineerへの扉」の発行等,女性技術者の社会的評価の向上や土木技術者をめざす方々を支援する活動も行っています。
 
また,女性を対象とした「会員」「学生会員」に加え,性別や,個人・団体に関係なく支援の輪に加わっていただける「サポーター」制度を設けました。いずれも随時募集中です。 
 
あなたも,当会のロゴマークが象徴する「土木にやりがいと誇りを感じる元気な女性たち」の仲間になりませんか。
 
 
※会のロゴマークは、女性(Women)を意味する「W」をモチーフに、女性と社会の連携やコミュニケーションを象徴しています。
 



 
※土木技術者を目指す女子学生のための就職支援パンフレット「Civil Engineerへの扉」
 

「Civil Engineerへの扉」




 

現場見学会を積極的に実施しています



事務局

一般社団法人土木技術者女性の会
住所 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-1-9 矢沢ビル4階
TEL 050-3738-4975
URL http://www.womencivilengineers.com
メールアドレス publicity@womencivilengineers.com
 
 
 
 

下水道分野で働く女性の会『GJリンク』
活動の概要

「下水道分野で働く女性の会 GJリンク」は,女性同士の繋がりを支援する場として下水道広報プラットホーム(以下,GKP)内に誕生しました。GKPは,国民の皆様に下水道の大切さや真の価値を知っていただくため,産官学で下水道に関する情報発信やイベントの企画を行っている団体です。こうした活動の中で,「女性が集まり意見交換をする場が欲しい」という声を受けて発足したのがGJリンク。立ち上げから4年目を迎えた現在では,地域毎のワークショップやスキルアップ講座等を開催しながら,場の創出のみならず,仕事のスキルアップや外部への情報発信を目的とした活動も行っています。
 
「GJ Journal」は,外部への情報発信を目的に2016年1月に誕生した広報誌です。いわゆる公式の広報誌とは異なり,GJリンクのメンバーひとりひとりが女性の視点から下水道の魅力を語っています。地域別に発刊されている「GJ Journal」は,地域毎の編集委員が企画する特集記事が大きな魅力。その他にも,下水道女子が下水道の魅力を語る「私の下水道」や,GKPの最新情報やコラム等の連載企画もあります。「GJ Journal」の制作に関わったメンバーからは,「制作の過程で自分の仕事が社会を支えていることを改めて実感し,モチベーションが上がった」との声が多数寄せられています。
 
GJリンクでは,今後もワークショップや「GJJournal」を基軸とした様々な活動を通じて下水道の仕事に関わる女性同士の繋がりの場であり続けるとともに,下水道の魅力を多くの方々に伝えていきます。
 

「GJ Journal」最新号は東北特集です



事務局

日本下水道協会GKP事務局広報課内GJリンク事務局
住所 〒101-0047 東京都千代田区内神田2-10-12
          内神田すいすいビル7F
TEL 03-6206-0260
URL http://www.gk-p.jp/gjlink/GJ-Link.html
メールアドレス gjlink@gk-p.jp
 
 
 
 

北海道建設産業女性活躍推進協議会
活動の概要

建設業における女性の入職定着促進に向け,当協会では,平成27年1月に会員企業女性技術者対象の講演会・意見交換会を初開催したほか,平成28年2月には国土交通省事業として330名の聴衆参加のもと「建設業女性活躍推進フオーラム」を開催しました。女性従事者の繋がり(ネットワーク)の輪の拡大の必要性も論じられたことを受け,同年,秋には女性有志による「建設どさん娘(こ)の会」も結成されました。行政責任者や経営者,他県女性との勉強会・交流会を通じて問題提起などをする予定です。事業管理主体として当協会も建設業における女性の活用促進を事業計画に位置付けて事務局として下支えするほか,女性活躍推進に向け出来るところから地道に取り組みます。
 

建設業PRパネル展での展示写真



事務局

一般社団法人北海道建設業協会
住所 〒060-0004 北海道札幌市中央区北4条西3-1-21
TEL 011-261-6184/FAX 011-251-2305
URL http://www.doukenkyo.jp/
 
 
 
 

建設業の女性活用に向けた新潟地域ネットワーク
活動の概要

■もっと女性が活躍できる建設業へ向けた取組み
◆新潟日報「週刊こども新聞ふむふむ」
 建設現場で活躍する女性技術者を紹介するため,協会員が施工中の工事を児童4名が取材し,新潟日報「週刊こども新聞ふむふむ」に掲載しました。
 
◆新聞広告
 新潟県内の建設業で活躍する女性3名について,現場で働く様子を取材・撮影するとともに座談会を開催し,やりがいや抱負を新潟日報朝刊全県版1頁カラーにて掲載しました。
 
◆女性のための建設作業服デザイン・コンテスト
 女性が働きやすい環境整備の取組みの一環として,土木・建築の建設現場で働く女性のための作業服について,国際トータルファッション専門学校生よりデザイン画制作の協力を得て,デザイン・コンテストを実施しました。
 提供のあった58点のデザイン画の中から3点を選考し,新潟日報社主催「働く女性応援キャンペーン」イベントの来場者にデザイン・コンテストへの投票を呼びかけ,また,建設業で働く女性や女子学生の投票により,グランプリ
作品を決定し表彰式を開催しました。
 
◆小・中学生向けパンフレット制作
 女性部会・青年部会等の意見を聴き,小・中学生向けの現場見学会や出前講座等の際に活用できるパンフレットを制作。平成28年度の小学生の現場見学会等で活用しています。
 

パンフレット



事務局

一般社団法人新潟県建設業協会
住所 〒950-0965 新潟県新潟市中央区新光町7-5
TEL 025-285-7111/FAX 025-285-7119
URL http:/www.shinkenkyo.or.jp/
 
 
 
 

岐阜建設人材育成対策会議
活動の概要

◆岐阜県建設業協会の担い手確保事業
一般社団法人岐阜県建設業協会では,将来の担い手確保のために,工業系高校教員との意見交換会やタウン情報誌での業界のイメージアップ広告,若者向けのパンフレットやフリーペーパーの作成などをこれまで実施し,建設業の魅力向上に取り組んできました。
 
平成28年度からは,新たに建設業への女性の入職促進に焦点を当てた取組みとして,女性技術者等の意見交換会「ぎふけんせつ小町の座談会」や,女性だけを対象にした建設現場見学会を開催いたしました。
 
意見交換会や現場見学会では,女性向けPRの強化やネットワークづくりが課題といった意見が出されたため,平成29年度以降は、こうした意見を担い手の確保,育成事業に取り込み,女性の入職促進に繋げていきます。
 

「ぎふけんせつ小町」座談会

横山ダム見学会の様子



事務局

一般社団法人岐阜県建設業協会
住所 〒500-8502 岐阜県岐阜市藪田東1-2-2
TEL 058-273-3344/FAX 058-273-3138
URL http://www.gikenkyo.jp/
 
 
 
 

しまね建設産業イメージアップ女子会
活動の概要

「しまね建設産業イメージアップ女子会」(川井香織代表,会員25名)は,女性技術者等をモデルとしたイメージアップカレンダー作成や学校等への出前講座,県内外での就職イベントへの参加など,建設産業の魅力発信や女性の入職促進等のため,幅広く活動を続けています。島根県も産学と連携し,同女子会の取組を支援しています。
 
なお,活動内容は,Facebookページでも紹介中です。
 
「ご縁の国しまねの建設」
https://www.facebook.com/shimane.no.kensetsu/
 

合同企業説明会(東京会場)に参加した女子会の皆さん(H28.12.23)



事務局

一般社団法人島根県建設業協会
住所 〒690-0048 島根県松江市嫁島1-3-17
TEL 0852-21-9004/FAX 0852-31-2166
URL http://www.shimakenkyo.or.jp/
 
 
 
 
 
 

【女性が使いやすい資機材一覧】

 
男性の割合が多い建設現場で働く女性にとって,これまでの資機材は決して使い勝手の良いものばかりではありませんでした。ここでは女性技術者・技能者の体格等に配慮された『軽量』『小サイズ』の製品や,『デザイン』『カラーバリエーション』といった日常の仕事に潤いをもたらす製品を紹介します。
 



 



 



 



 快適トイレは「月刊積算資料公表価格版」2016年10月号にてご紹介しています。
 URL https://www.kensetsu-plaza.com/special/detail/41
 
 

一般社団法人 日本建設業連合会

 
 
 
【出典】


積算資料2017年04月号



 

最終更新日:2017-07-03

 

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