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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 平成28年度 土木工事積算基準等の改定について

 

1. はじめに

国土交通省では,生産年齢人口の減少により,現場を支える技能労働者の高齢化や若年入職者の減少という構造的な課題を踏まえ,調査・測量,設計,施工,検査及び維持管理・更新のあらゆるプロセスにICT を取り入れること等で生産性を向上する「i-Construction」を推進しています。このたびICT 建機の普及に向け,建設機械のリース料に関する新たな基準を設けるなど,ICT 施工の新たな積算基準を制定することとしました。
 
また,社会インフラのメンテナンスの重要性を踏まえ,メンテナンス産業を育成するための基準を改定します。さらに,改正品確法の理念を踏まえ,実態調査の結果に基づき土木工事及び業務の積算基準を改定します。
 
 

2.  i-Construction の本格実施に向けた基準の新設

i-Construction の本格実施に向けてICT 建機の普及を進めるため,ICT 建機による施工歩掛やICT 建機の機械経費(リース料)などに関する新たな基準を設けたICT 施工の積算基準を新設します。
 
対象となる工種は土工(掘削,路体(築堤)盛土,路床盛土),法面整形工で,ICT 建機のリース料(従来建機からの増分),ICT 建機の初期導入経費(導入指導等経費を当面追加)を新たに追加することとします。また,補助労務の省力化やICT 建機を活用することによる効率化に伴う日当り施工量の増加についても反映します。
 
 

3. メンテナンス産業の育成

(1)「橋梁保全工事」の新設
これまで橋梁の保全(修繕)に関する工事は,「道路維持工事」または「鋼橋架設工事」「河川・道路構造物工事」のいずれかの工種に分類され発注されていました。しかしながら,現行の工種区分では間接費の率に乖離があることや,橋梁保全工事が今後増加することが見込まれることを踏まえ,「橋梁保全工事」を新設しました。間接費の率は図ー1のとおりです。
 

図−1 橋梁保全工事の間接費




 
 
(2)「維持工事」の積算方法の見直し
維持工事は,実施内容や場所が固定化されてないため,他の工事に比べ長期間のスケールメリットが小さいという特徴があります。また,維持工事は,国債工事であっても単年度の出面精算を行っていることから,年度をまたぐ国債を設定した維持工事については,全体額で間接費を積算する方式から,単年度毎に間接費を積算する方式に変更します。
 
 

4. 改正品確法を踏まえた基準等の充実

 
(1)大都市補正の増設
東京特別区や横浜市,大阪市は交通量が多く,住宅密集地であるため安全管理に係る費用や,建設機械等の仮置きヤード等の確保が困難であり,また,現場から離れた箇所への日々回送,現場事務所や労働者宿舎等に係る土地・建物の借り上げなど,他の地区に比べ費用が嵩む実態があることから,間接費率を補正します(図ー2)。
 

図−2 大都市補正の増設




 
 
(2)交通誘導警備員の計上方法の見直し
交通誘導警備員は,共通仮設費の積み上げ分として計上していましたが,安全費等に実態と乖離があるため,実態に合わせて直接工事費に計上する方法に変更します(図ー3)。
 

図−3 交通誘導警備員の計上方法見直し




 
 
(3)「道路維持工事」「河川・道路構造物工事」
「鋼橋架設工事」の間接費を施工実態に合わせて見直し
橋梁保全工事のデータを外すとともに,最新データを用いて間接費率の見直しを行いました(図ー4)。

図−4 間接費率の更新




 
 
(4)土木工事標準歩掛等の改定
土木工事標準歩掛は,標準的な施工条件における単位施工量当り若しくは日当りの労務工数,材料数量,機械運転時間等の所要量について工種毎にとりまとめたものです。
 
今回,以下の通り6工種の歩掛を新たに制定するほか,10 工種の歩掛について実態調査を踏まえて改定しました。また,建設機械等損料算定表についても改定しました。
 
①新規制定【6工種】
土砂運搬工(不整地運搬車による運搬),安定処理工(自走式土質改良工),かごマット工(多段積型),ブロックマット工,床版補強工(炭素繊維接着工法),油圧圧入引抜工(180 < Nmax ≦600)
 
②維持修繕に関する歩掛の改定【2工種】
舗装版クラック補修工,排水構造物清掃工
 
③ 日当り施工量,労務,資機材等の改定を行った工種【8工種】
原動機燃料消費量,重建設機械分解・組立,中
掘工,切土及び発破防護柵工,汚濁防止フェンス
工,防護柵設置工(ガードケーブル設置工),PC橋架設工,伸縮装置工(鋼製)
 
④燃料消費量の改定を行った工種【53 工種】
原動機燃料消費量の改定に伴い,使用機械の燃料消費量の改定を実施。
 
⑤建設機械等損料の改定
基礎価格や年間管理費率等の見直しを行い改定を実施。
 
 

5. その他の改定

(1)東日本大震災被災3県における補正の継続
東日本大震災の被災3県(岩手県,宮城県,福島県)では,工事量の増大による資材やダンプトラック等の不足により,作業効率の低下等が生じていることから,直接工事費や間接工事費について設定した補正を継続します。
 
(2)低入札価格調査基準の見直し
品質確保の観点から,低入札価格調査基準の算定率を以下の通り見直します。
(工事)現場管理費の算定率 80% → 90%
 
(3)施工パッケージ型積算方式の拡充
既に導入済みの施工パッケージについて,施工実態に基づき,16 施工パッケージを改定するとともに,資材,労務,機械経費の物価変動に伴う標準単価及び機労材構成比の改定を行います。改定後の単価は,「平成28 年度 施工パッケージ型積算方式標準単価表」「平成28 年度 東日本大震災の被災地で適用する施工パッケージ型積算方式標準単価表」として,国土技術政策総合研究所HP に掲載しています。 
http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/theme/theme2/theme_sekop.htm
 
また,平成28 年10 月1日以降に入札書提出期限日となる工事から,84 施工パッケージを追加導入します。これに伴い,施工パッケージ型積算基準についても拡充し,国土交通省HP に掲載しています。
http://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekkei.html
 
(4)総価契約単価合意方式の見直し
平成22 年度より導入している総価契約単価合意方式について,これまでの運用状況から明らかになった課題について,よりよい仕組みとするために以下の改定を実施します。 
 
① 間接工事費は,共通仮設費,現場管理費,一般管理費それぞれ一式で価格を合意していたため,新規項目の追加があっても当初合意率がかかって計上されていました。間接工事費内の新規項目の追加については,直接工事費の新規工種の追加同様,当初合意率のかからない積算方法に変更します(図-5)。 
 

図−5 総価契約単価合意方式の見直し




 
 
② 単価包括合意方式を選択した場合,変更の都度,全ての単価の合意率が変わっていました。一度合意した単価について,変更の都度変わらないように見直します。
 
 

6. おわりに

今回,i-Construction の推進や改正品確法の理念に基づき適切な予定価格を設定するという観点から,土木工事積算基準の改定を行ったところです。現在,建設産業においては担い手の確保が大きな課題となっており,人材育成・確保の観点から,休暇の取得や賃金水準の向上といった処遇の改善を進めるとともに,やりがいがあり,希望のもてる業界へと変革していく必要があります。今後も,引き続き建設現場の実態をより適切に反映した積算基準となるよう,適宜見直しを行いたいと考えています。
 
 

国土交通省 大臣官房 技術調査課

 
 
 
【出典】


積算資料2017年05月号



 

 

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