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ホーム > 建設情報クリップ > 建設ITガイド > 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その1》

 

山政睦実×現場主義
http://const.livedoor.biz/

 

はじめに

2008年に日本でもApple社の「iPhone」が発売され、2010年5月にはタブレット端末である「iPad」が発売されたことをきっかけに、スマートフォンやタブレット端末を持つ人が非常に増えています。
 
さらに、最近大手建設会社を中心に、タブレット端末を一括導入する会社のニュースを良く聞くようになり、いよいよ建設現場でも浸透し始めてきました。
 
端末市場においても、昨年には Android本家のGoogle社から7インチタブレットNexus7や10インチタブレットのNexus10が発売され、11月にはApple社から7.9インチのiPad miniが、また年末には満を持した形でAmazon社から
Kindle Fireなどが続々と発売されています。
 
さらに、過酷な条件下にさらされる建設現場向けのタブレット端末として、Android OS搭載したパナソニック社の「TOUGH PAD(タフパッド)」や都築電気社の「CAMELUS(キャメラス)」などが発売され、各種展示会などで展示されている試作機も含めて、さまざまな端末が今後も登場してくることでしょう。
 
今回は昨年登場した2台の建設現場向けタブレット端末について、iPad RetinaディスプレイモデルやNexus7、Windows8のタブレット端末と比較しながら、使い勝手を比較してみました。
 
比較する5機種の基本的性能一覧(2012年11月現在)
 

頑丈な端末、TOUGH PAD(タフパッド)

TOUGH PAD
パナソニック社から登場した「TOUGH PAD(タフパッド)」、建設現場内でよく使われているタフネス性能を重視した「TOUGH BOOK(タフブック)」と同じシリーズで、その名の通り頑丈(タフ)構造になっているタブレット端末です。
120cmからの落下試験にも合格し、防塵・防水性能もIP65(防塵性規格:粉塵が中に入らない、防水性規格:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない)という高い性能を持っています。
 
OSにはGoogle社のAndroid4.0を採用していますので、GooglePlayで配布されている多くのアプリを利用することができます。
また、microSDカードスロットを備えていますので、本体に差し込むことにより、簡単にカード内のデータを端末で開くことができます。
もちろん、現場のネットワークに接続すれば事務所のサーバー内にあるデータを現場で見ることもできます。
さらにいつでもネットに接続可能な3G通信モジュール内蔵モデルも用意されています。
タフパッドを雨の日に実際に屋外で使用

 
タフパッドを雨の日に実際に屋外で使用してみました。
 
雨の量は10mm/h程度だったので、ちょうど現場作業を中止にするかどうか程度でしたが、タフパッドは全く問題なく使うことができました。
液晶画面に雨が直接当たっていましたが、指での操作も問題なくできます。
 
 
 

端子カバー

端子カバー


本体には、電源接続部やmicroSD挿入口、USB端子、HDMI出力端子などを備えていますが、それぞれの端子部には、防水用のゴムパッキンを備えたカバーがついていて、これによって高性能な防塵・防水性を確保しています。
 
本体の重さは約1kgあるため、長時間持って使用するには、少し重たい感じがします。
欲を言えばネックストラップなどが付いていると操作するにも楽ですし、持ち運びにも便利になるでしょう。
 
カメラもフロントとリアの両方に装備し、フロントは200万画素、リアは500万画素の画素数を持ち合わせていますので、テレビ会議に利用したり、現場の状況写真を撮影するには十分な性能を持っています。
 
デジタイザーと背面ホルダー

デジタイザーと背面ホルダー


ディスプレイは通常のタブレット端末と同じように、マルチタッチに対応したタッチパネルになっているので、指での操作のほか、デジタイザーにも対応しています。
これなら現場で軍手を着けている時でも、デジタイザーペンを利用して細かい操作を行うことができます。
デジタイザーペンは背面にあるホルダーに格納することができるので、必要なとき取り出して便利に使うことができます。
 
 
 
直射日光下での視認性 (左:Nexus7、右:タフパッド)

直射日光下での視認性
(左:Nexus7、右:タフパッド)


屋外で利用したときに画面が見やすいように、約500cd/㎡の高輝度液晶を搭載し、さらに反射対策としてAR(Anti-Reflection)反射防止処理が施されていますので、直射日光下でも画面が視認できないということはありませんでした。
 
タフブックなどでパナソニックが長年培ってきたタフネス構造を搭載したタフパッド、今後この手の端末が多く登場してくる中で、本命といえるタブレット端末になることでしょう。
 
 
 
 
 
 
 

iPadに防水ケース

そのままでは全く防水性のないApple社のタブレット端末「iPad(アイパッド)」シリーズですが、本体を建設現場など過酷な条件でも利用できるようなさまざまなケースが登場しています。
今回は、防水ケースをiPadに装着して、先ほどのタフパッドと一緒に屋外で使用してみました。
 

iPad防水ケース

iPad防水ケース


今回、実験に使用したiPad用の防水ケースはこちら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
三重のジッパー

三重のジッパー


この防水ケースは、防水性能IPX8(防水性規格:継続的に水没しても内部に浸水することがない)の性能を持っています。
iPadを挿入する部分は、三重のジッパーになっており、水の浸入を防ぐ強固な構造となっています。
 
 
 
 
 
 
 
リアカメラ部とイヤホン端子

リアカメラ部とイヤホン端子


フロントカメラの使用はもちろん、リアのカメラ部も防水ケース内に入れている状態でも撮影ができるように透明になっています。
さらに、イヤホン端子は、ケースの外側まで防水性を保ったまま延長されているため、イヤホンやスピーカーを接続することも可能です。
 
この防水ケースには、ネックストラップが付属されているため、使用時は首に掛けたり、持ち運び時は肩から掛けることで、本体を落下させるリスクを減らすことができます。
 
 
 
雨天での使用

雨天での使用


タフパッド同様に、雨の中へ防水ケースに入れたiPadを持って行ってみました。
 
防水ケースに入れたiPadは、今回比較している端末としては、IPX8という最上級の防水性能を持っているため、雨天の屋外でも全く問題なく使用することができます。
操作性も問題なく、指に画面がついてくる感覚のままでした。
 
 
 
 
シャワーにて防水性検証

シャワーにて防水性検証


さらに、バスルームにて、シャワーでの直撃実験を行ってみました。
防水ケースに入っていることにより、シャワー直撃の影響は全くなく、さらに指での操作も問題なく行うことができました。
 
防塵・防水性のないiPadですが、防水ケースに入れることにより、高い防水性を持った端末にすることができましたが、耐衝撃性を備えたわけではないので、落下や接触などには注意しなければなりません。
また、充電は毎回本体をケースから出さないとできないため、ケースへの入れ替え作業が発生し、不便さが残ります。
 
 
 
 
 
現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その1》
現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その2》
現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その3》

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2013
特集「建設ITの最新動向」
建設ITガイド2013
 
 

最終更新日:2023-08-02

 

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