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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 知る見るインフラストラクチャー ミャンマー連邦共和国マンダレー国際空港ターミナルビルの屋根に採用されている遮熱塗料ってどんなもの?

 



 
技術・製品・工法の内容を,サクッと掘り下げてみる「知る・見る インフラストラクチャー」。
 
今回は,CO2排出削減推進「カーボン・オフセット」対象であり,ミャンマー連邦共和国 マンダレー国際空港ターミナルビルの屋根にも採用された遮熱塗料(高日射反射率塗料)「エコクール」に焦点を当て,大日本塗料? 塗料事業部門建築塗料事業部の櫻田将至チームリーダーにお話を伺ってきました。
 
 

CO2排出削減推進「カーボン・オフセット」

人間の経済活動や生活などを通して発生してしまった二酸化炭素などの温室効果ガスの量を,森林保護や植林,再生可能エネルギーなどによる削減活動によって相殺(埋め合わせ)し,二酸化炭素排出を実質ゼロに近づけようという考え方や活動の総称が「カーボン・オフセット[1]」。
 



 
日本では2008年に環境省が「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」を公表して以来,普及するための各種ガイドラインの策定・支援などの取り組みを行っています。
 
大日本塗料?では,遮熱塗料(高日射反射率塗料)「エコクール」の製造過程で使う電力や燃料から排出されるCO2量を,J-クレジット[2]制度の排出権を購入して相殺しています。排出権購入により、日本の温室効果ガス削減目標である2005年度比-3.8%に貢献しています。
 



 
 

なぜマンダレー国際空港ターミナルなのか?

2014年11月16日,双日(株)や日本航空(株)などが出資する(株)JALUX(ジャルックス)と三菱商事(株),およびミャンマー企業で設立した空港運営事業会社は,ミャンマー航空局との間でマンダレー国際空港の事業権譲渡契約を締結したと発表しました。
 
ミャンマーのほぼ中央に位置するマンダレー国際空港において,老朽化している旅客ターミナルビル等の改修を実施するとともに,同空港における30年間の運営・維持管理を行うものです。
 
大日本塗料(株)では,施工実績を得ることと,ミャンマーでPR・拡販を行うため,施工会社である(株)カシワバラ・コーポレーションに遮熱塗料「エコクールマイルドSi」を供給し(一部金色の装飾部は現地塗料メーカーUPG社製),同空港旅客ターミナルビル屋根の塗装工事に携わりました。
 

マンダレー国際空港の概要

マンダレー国際空港はミャンマーのほぼ中央に位置する国内11都市と国外4都市を結ぶハブ空港。国際線・国内線の旅客ターミナルと4,000m 級の滑走路1本を擁す。
 
● 旅客ターミナルビル(国内線・国際線共用)
● 滑走路 1本(L4,267m×W61m)
● 旅客数 約75万人(2013年)
 
[参照] 国土交通省
「ミャンマー・マンダレー国際空港運営事業への我が国企業の参画について」
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku06_hh_000015.html
 



 



 

遮熱とは?

ミャンマーが熱帯地域であることから,屋根からのターミナルビル内部への日射による熱影響の軽減を目的として遮熱塗料「エコクールマイルドSi」が選定されました。
 
しかし,もともと海外では断熱という考え方が主流で,あまり反射率に特化する(以下,遮熱と略記)という考え方はありません。色彩を大切にする日本とは異なり,太陽光を反射するには白い塗料を塗ればいいという考えがあるため,遮熱という考えには至らないそうです。
 
断熱と遮熱の違いを端的にいえば,熱放射を防いで建物内部の熱を魔法瓶のように閉じ込めるのが断熱,太陽光の赤外線を反射して建物内部に熱を侵入させにくくするのが遮熱です。
 

温度上昇抑制の機構




 
日本の塗料業界では主流の遮熱という考えを海外に輸出するため,現在,(一社)日本塗料工業会ではJIS規格のISO化を進めています。
 
 

マンダレー国際空港における遮熱効果の検証結果

マンダレー国際空港での施工完了後,塗膜調査および温度測定を実施し,エコクールを塗装した屋根と無塗装の屋根で遮熱効果の検証を行った結果,遮熱効果が得られにくい雨季においても雰囲気温度で3℃,乾季においては6℃の遮熱効果が確認されました。
 
 

おわりに

櫻田将至チームリーダーは,(一社)日本塗料工業会の高日射反射率塗料普及ワーキンググループにおいて,タイでの温度低減効果検証実験などに参画されています。また,(一社)日本建材・住宅設備産業協会(建産協)のグリーン建材普及促進委員会では,東南アジアの規格(仕組み)の輸出についても取り組んでおられます。
 
建産協による「良いものを海外に進めていく」という方針に従い,塗料の規格をベトナムなどにも売り込み,採用されています。
 
「カーボン・オフセット」のための事業を実施する前に,“遮熱” という日本独自の考え方を海外に売り込む必要があったということは驚きです。
 
日本国内で工場の屋根などに遮熱塗料を塗布し,その効果はデータ化されていますが,海外の熱帯・亜熱帯の気候下でも同様の効果が実証されれば,“遮熱” という考え方が世界に広く認知され,塗料の拡販にもつながるのかもしれません。
 
 

取材=(株) フィールドリサーチセンター

 
 
 
【出典】


積算資料公表価格版2017年10月号



 

 

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