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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 建築材料FOCUS −天井の落下防止対策−

 

総 論

東日本大震災においては,体育館やホール等の公共建築物で天井が落下し,一部で甚大な被害が生じたのは記憶に新しい。特に,①大勢の人が集まる,②高所,③大面積の3要素が重なると危険度が一段と増す。法律やガイドラインの整備が進むとともに,天井落下防止対策工法の開発・実用化が各方面で進められている。
 

国土交通省告示771号

これらの被害を受けて,国土交通省において天井の落下対策に係る基準が新たに定められ,平成25年7月に改正建築基準法施行令および関連省令が公布され,平成26年4 月には国土交通省告示771 号が施行されている。
 
この告示では,落下により甚大な被害が生じる危険がある天井(告示で「特定天井」と規定)として,下記が適用対象となる。
 
①居室,廊下その他の人が日常立入る場所に設けられるもの
 
②高さが6mを超える天井の部分で,その水平投影面積が200m2を超えるものを含むもの
 
③天井面構成部材等の単位面積質量(天井面の面積の1m2当たりの質量)が2kgを超えるもの
 
これらに該当する場合は,中地震で天井が損傷しないことを,規定されたルート(仕様ルート・計算ルート・大臣認定ルート)により検証する必要がある(図− 1)。
 

図−1 天井脱落対策の対象となる天井と検証ルート(平成25年国土交通省告示771号)




 

日本建築学会ガイドライン

日本建築学会では2013年4月,非構造材の安全性評価及び落下事故防止に関する特別調査委員会の報告書の一環として,「天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライン」を公表している。本来レベルが異なる人命保護と機能保持を分けて整理し,従来の「硬く,強く,重い」天井を「軽く,柔らかく」へと発想の転換を図ることで,天井の抱える多くの問題点を解決できることを示している(図− 2)。
 

図−2 ガイドラインによる設計検討フロー(出典:天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライン,日本建築学会)




 
 

注目製品

特定天井に対応した吊天井

東日本大震災で天井材の落下リスクが表面化して以来,国土交通省告示771号の策定をはじめ,天井の耐震化が進められている。
 
(株)桐井製作所では,平成18年,業界に先駆けて耐震天井工法の開発に着手し,以後,建物の用途や形状などに応じて工法のバリエーションを充実させてきた。
 
同社は,告示771号で規定されている特定天井に対応する工法として「新耐震Full Power天井」,「新耐震DELTAPower天井」を用意している。ともに告示771号に規定された方法でユニット試験を実施して性能を検証しており,計算ルート簡易スペクトル法等を用いた設計にも適用できる。
 

【詳細は,「積算資料公表価格版2017年11月号」特集25 ページ参照】




 
大建工業(株)の「ダイケンハイブリッド天井」は,在来天井とシステム天井のメリットを組み合わせた工法で,①高い耐震性能,②施工の省力化,③安定した施工品質,④経済設計が可能,などのメリットがある。
 
「DH18シリーズ」のうち「耐震DH18」,「耐震対策DH18B」は,1.0G相当の水平荷重に耐えられることを,告示に規定されたユニット試験方法で確認し,天井許容耐力4,000Nの高い耐震性を有する。メインバーは特殊ホゾ加工によりワンタッチで施工でき,ビス留めが不要で,在来天井を耐震化する場合に比べ,施工手間を低減できる。
 

【詳細は,「積算資料公表価格版2017年11月号」特集22〜24ページ参照】




 
(株)佐藤型鋼製作所の告示適合工法「耐震スマート天井」は,鉄骨ぶどう棚の代わりに天井ふところ6mまで可能。①圧縮材のブレース材を閉断面の部材として強度を高め,ブレース材を減らす,②ブレース材が設備配管と干渉して逆八の字になる場合に鉛直補強部材を設置して耐力を高める,などが構造的な特長。
 

【詳細は,「積算資料公表価格版2017年11月号」特集26 ページ参照】




 
トーケン工業(株)の「トーケン式耐震天井」は,吊ボルト上部にブレースを堅牢に緊結する「e ブレース」,野縁受けに野縁を堅牢に緊結する「e耐震クリップ」,ブレース下部を吊りボルト下部に堅牢に緊結する「eプレート」等の部材の組合せにより,告示771号の定める耐震天井を実現する。仕様により最大2.2G に対応できる。
 

【詳細は,「積算資料公表価格版2017年11月号」特集27 ページ参照】




 

特定天井に該当しない吊天井

耐震化の検討を要する天井は,特定天井だけに限らない。文部科学省では,特定天井以外の天井も特定天井に準じた検討を行うよう自治体に通知している。
 
大建工業(株)では,そうした背景から,「ダイケンハイブリッド天井」シリーズにおいて,耐震性能の異なる3グレードを追加し,意匠性,コストなども踏まえて選択できる。(株)桐井製作所は「耐震Full Power 天井」をはじめ,特定天井以外の仕様の天井耐震工法を多数揃えている。
 

既存天井の落下防止工法

既存天井の場合,天井材を撤去して下地から補強することは施工の負担が大きく,支持材が抜けても天井材が落ちないようフェイルセーフの考え方が必要となる。
 
一例として,大成建設(株)と日栄インテック(株)が共同開発した「N-Safe」は,短期間かつ低価格で施工可能な既存天井の落下防止措置工法。既存天井の下に設置したアルミレールが直接天井を支える構造で,既設アンカーが抜けても天井落下を防止する。特定天井
にも対応する。
 

天井の軽量化

天井の落下防止対策においては,天井をできる限り軽量化することが望ましく,2kg/m2以下の設計にも対応可能な工法が各社から発売されている。
 
一例として,鹿島建設(株)が開発した「セーフティ・ダイア‐K」は,超軽量天井材として帝人(株)の「かるてん」を使用し,下地材や専用金物は(株)桐井製作所の協力を得て開発された工法である。
 
その他,軽量天井の一環として膜天井があり,太陽工業(株)などに実績がある。
 
 
 

耐震性と省施工性を両立する天井システム「ダイケンハイブリッド天井」

 



「ダイケンハイブリッド天井」による既存校舎の天井耐震化の事例(上:東京都国立市の小学校,下:東京都国立市の中学校)
 

在来天井とシステム天井の「いいとこどり」

大建工業の「ダイケンハイブリッド天井」は,一言で言うと,在来天井とシステム天井のよさをハイブリッドした,まさに「いいとこどり」した天井耐震工法と言えます。
 
吊り天井には,在来天井とシステム天井があります。在来天井は,野縁,野縁受け,クリップ,ハンガー,吊りボルトなどの部材で構成され,仕上材を自由に選ぶことができるので,さまざまな用途の建築物に使えるメリットがあります。しかしながら,耐震化するには,クリップと野縁受けを補強金具で緊結する,天井単位重量に応じてブレースを増設する,などが必要になります。その結果,部材数が増えて施工の手間が増え,天井裏は窮屈になり,天井が重くなってしまいます。
 
一方, システム天井は一定のモジュールで構成され,格子組みによる高い剛性,ワンタッチ接合で省施工・短工期,などのメリットがあり,面積の広いオフィスなどで一般的に普及しています。
 
在来天井とシステム天井は適材適所で使い分けられていますが,「ダイケンハイブリッド天井」は,両者のいいとこ取りをした結果,①高い耐震性能,②施工の省力化,③安定した施工品質,④経済設計が可能,などを実現しました。
 


耐震性能の異なる3 グレードを追加

文部科学省は,建築基準法上は特定天井にならない天井も特定天井に準じた落下防止対策を行うよう自治体に通知しました。こうした国の動向を受け, 特定天井以外でも,設計者の判断により安全を確保する事例が増えてきています。
 
このような市場背景も踏まえ,耐震性能の異なる3グレードとして,設計用水平震度に対応した「耐震DH18」,意匠優先の「耐震対策DH18B」,低コスト対応の「DH18N」を新たにラインナップし,吊り天井の総合的な安全性向上に対応できる態勢を整えています。
 

優れた耐震性能

「DH18シリーズ」のうち,「耐震DH18」,「耐震対策DH18B」は,1.0G相当の水平荷重に耐えることが実証されています。国土交通省の定める試験方法「ユニット試験」(静的加力実験)で,天井許容耐力4,000Nの高い耐震性を確認しました(社内試験にて)。
 

省施工で短工期を実現

メインバーは特殊ホゾ加工によりワンタッチで接合でき,ビス留めは不要なので,在来天井を耐震化する場合と比較すると,施工の手間を軽減できます。
 



 
新たにラインナップされた「DH18シリーズ」は, 野縁受けピッチが1800mmで,通常の約50%のボルト数で済み,ダクトの納まりが容易になります。加えて,耐震ブレースの設置数を減らせるため,短期間で均一,簡単に施工でき,品質管理も容易です。
 
そのため,短期間での施工が求められる学校や文教施設などの天井耐震化,長寿命化改修にも最適です(写真:東京都国立市の小・中学校の天井耐震改修事例)。
 

経済設計が可能

「ダイケンハイブリッド天井」は,材工共参考価格は7,000円/m2(天井吊り長さ:1500mm以内,水平震度Kh1.0,天井面積:新築の200m(2 1部屋)の平天井,その他条件による)で,品質とバランスを兼ね備えた経済設計を実現します。
 
また,建築基準法で規定される「特定天井」にも対応した「特定DH9・DH12」もラインナップ。あらゆる施設の耐震化に対応できます。
 
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 大建工業株式会社 エンジニアリング事業企画部
 TEL:03-6271-7767
 https://www.daiken.jp/product/contents/building/
 
 
 
【出典】


積算資料公表価格版2017年11月号


 
 

 

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