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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > CIMに必要な人材育成 −CIMSoluthon®(CIMチャレンジ研修)−

 

背 景

国土交通省では、建設産業の生産性向上、全体最適化を目的に、i-Constructionにおけるトップランナー施策であるICTの全面的な活用にCIM(Construction Information Modeling/Management)を本格的に平成29年度から導入しつつある。なお、国土交通省では、平成24年度から直轄事業(業務・工事)においてCIMモデル事業に着手しており、平成28年度までに設計業務で90件、工事で196件が実施されている。これに伴い、CIMに関わる国土交通省職員、また調査・設計・工事の受注者など関係者の増加と、その裾野は徐々に広がりつつある。しかしながら、平成25、26年の土木学会CIM講演会参加者へのアンケートを見ると「CIMの内容までよく知っている」が30〜40%程度に留まっており、また、CIMを導入する上での課題として、「CIMに関する人材育成・教育」、「CIM知識・技術」が上位を占める状況である。
 
 
CIMを導入するに当たって考えられる課題について(複数回答)
 



 
今後CIMを導入するに当たって、どのような情報を希望しますか?(複数回答)
 

図-1 CIM導入に関する課題(アンケート結果)(※1)




 
このような状況から、CIM導入を円滑に進めていく上で、「3次元モデリングの手法」を中心とした「CIM知識・技術」を効果的に学習できるプログラム・教材の開発が、CIMを活用できる人材の育成のための喫緊のテーマであることが言える。
 
 
 

CIM教育全体像

CIMの人材育成・教育については、土木学会CIM講演会、また民間団体等による3 次元CAD講習・研修などの機会とともに、CIMの活用事例、特に一つの事業にCIMを活用した体験事例を通じて、CIMを身近なものとして学んでいくアプローチが必要と考えている。
 
一般財団法人日本建設情報総合センター(以下、JACIC)が考えているCIM教育の全体像は図-2に示すとおりであり、基礎から応用と幅広い教育を視野に入れている。
 

図-2 JACICが考えるCIM教育の全体像




 
 

CIM人材育成に関する取り組み

JACICでは、CIM人材育成に関して次の3つの取り組みを実施している。
 
(1)CIM活用事例の紹介
熊本大学大学院自然科学研究科(小林一郎教授)とJACICは、人材育成に関する共同研究を3年間実施し、CIM活用事例を下記のとおり「CIMを学ぶ」シリーズとして取りまとめている。なお、各内容はJACICのホームページで公開をしている
http://www.cals.jacic.or.jp/CIM/jinzai/index.html)。
 
●「CIMを学ぶ 〜河川激特事業におけるCIMの活用記録より〜」 平成27年6月1日公表
 
●「CIMを学ぶⅡ 〜見える化の技法と実務での応用〜」 平成28年7月14日公表
 
●「CIMを学ぶⅢ 〜モデル空間の活用に向けて〜」 平成29年7月14日公表
 

写真-1 「CIMを学ぶ」シリーズ




 
(2)セミナー等への講師派遣
JACICではCIMの人材教育活動の一環として、受発注者をはじめ今後わが国を背負う若い担い手となる学生の方々が、CIMへの理解を深めCIM推進のために活躍できるよう、全国各地で開催されるCIMに関する講演会や大学・工業高等専門学校等でのCIMについての講義等に職員を派遣している。平成28年度、平成29年度(10月末現在)での派遣実績は、表-1に示すとおりである。
 

表-1 セミナー・大学等へ講師派遣実績




 
(3)CIM教育プログラムおよび素材の開発
CIM教育プログラムおよび素材の開発として、CIMSoluthon® (※2)(CIMチャレンジ研修)と命名した研修を平成27 年度から実施している。研修の目的、位置付けは以下のとおりである。
 
なお、本取り組みについては、次章で詳述する。
 
●土木技術者(施工・設計・調査会社、発注者等)が3次元CADソフトをエンジニアリング活動の一環として高度に使いこなせるようになるために、土木技術者のための教材、講義・演習等の教育プログラムを構築
 
●3次元CADソフトに対するニーズ、課題等の情報収集機会の提供により、最適な3 次元CADソフトを提供できるようベンダー等業界を支援(図-3参照)
 

図-3 CIMSoluthon®(CIMチャレンジ研修)の位置付け




 
 

CIMSoluthon®(CIMチャレンジ研修)

(1)基本構成
本研修の基本的な構成(概要)は表-2に示すとおりであり、初級者向けの入門クラスと実践的な実務クラスを設けている。
 

表-2 研修の構成(概要)




 
(2)入門クラス
入門クラスにおける研修プログラムの基本的な考え方、課題の設定実績は表-3、4、図-4に示すとおりである。
 

表-3 研修プログラムの基本的な考え方(入門クラス)




 

表-4 演習課題の設定実績 (入門クラス)




 

図-4 入門クラス演習課題事例 (平成29年度 Cコース)※赤い範囲がコントールポイント




 
(3)実務クラス
実務クラスにおける研修プログラムの基本的な考え方は下表に示すとおりであり、入門クラスに対し研修に必要な3 次元CADソフトの機能・操作についての講義・演習の時間を少なくし、実務の現場で直面する課題の演習を通して、より実践的な課題演習に取り組むプログラムとした。
 

表-5 研修プログラムの基本的な考え方(実務クラス)




 
実務クラスの研修課題については、発注者や(一社)建設コンサルタンツ協会等のメンバーで構成する「CIMチャレンジ研修課題作成委員会」で検討したものである。平成29年度の演習課題は、表-6、図-5のとおりとしている。
 

表-6 平成29年度実務コース演習課題




 

図-5 実務クラス演習課題事例(平成29年度 Bコース)※上部工の作成




 
 

今後の展開

現在、JACICは演習課題の検討から、設定した演習課題での研修実施まで行っている。今後は、研修については研修機関等へ移管し、JACICは演習課題の充実と蓄積を図ることに注力し、土木技術者が3 次元CADソフトをエンジニア活動の一環として高度に使いこなせるよう、人材育成を支援していくことにしている。
 
関係者の皆さまのさらなるご指導、ご鞭撻をお願いするものである。
 
 
出典・注記
(※1)「CIM技術検討会 平成27 年度報告」平成28年6月CIM技術検討会
 
(※2)“Solution【ソリューション(解決)】”と、“Marathon【マラソン】”を合わせた造語。建設課題に対してCIMを活用して【解決】する場を提供するという趣旨。JACICが商標登録したもの。
 
 

一般財団法人 日本建設情報総合センター 研究開発部 次長 徳重 政志

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2018
特集1「i-Construction×CIM」



 

 

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