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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > CIM導入ガイドラインへの対応 −建設コンサルタント編−

 

はじめに

国土交通省は、2017年3月31日に、「CIM導入ガイドライン」を公表しました。これは、いままでCIM試行事業で行っていた内容をベースに、今後のCIM/i-Construction推進のための、受発注者双方のためのガイドラインとなっています。
 
ガイドライン発表に合わせて、図-1に示すような、ロードマップ、実施方針、要領・基準類を発表しました。
 

図-1 CIM導入計画(案)「第3回CIM導入推進委員会 資料」をベースに作成




 
重要な点は、CIM導入ガイドラインと同じように実施方針において、平成37年度までCIM推進方策が提示されたことです。平成24 年度に開始されてから、CIM試行事業、i-Constructionとして、ICT活用が進められてきましたが、この実施方針により、CIM導入は平成37年度には全面的に活用されることとなっています。
 
これに合わせて、要領・基準も改訂され、今後も進展に合わせて、改定が行われていくことになっています。詳細は、2017年3月24日に開催されました第3回CIM導入推進委員会資料2)を参照してください。
 
 

「CIM導入ガイドライン」の概要

「CIM導入ガイドライン」(以下、CIMガイドラインとする)は、平成24年度から開始されたCIM試行で得られた知見やソフトウェアの機能水準等を踏まえ、現時点で活用可能な項目を中心に、CIMモデルの詳細度、受発注者の役割、基本的な作業手順や留意点とともに、CIMモデルの作成指針(目安)、活用方法(事例)が参考としてまとめられています。
 
CIMガイドラインは、表-1に示す6編で構成されています。
 

表-1 「CIM導入ガイドライン」の構成




 
図-2に示すようにCIMを建設生産システムに利用することは、3次元モデルを作成することが目的ではありません。
 

図-2  「CIM導入ガイドライン」が求める姿




 
3次元モデルを利用して、建設生産システム全体をカイゼンし、生産性を向上することが目的です。生産性の向上は、計画・調査⇒設計⇒施工⇒維持管理の流れの一部分だけでは十分な効果が得られません。設計者は施工側でいかに効率的に活用してもらえるかを常に考えていくことが重要です。
 
なお、CIMガイドラインに記載されている作成指針や活用方策は、土木構造物全てに準拠することを求めるものではありません。CIMガイドラインの記述を参考に、事業の特性や状況に応じて発注者・受注者で判断して利用します。
 
今後、CIMを実践し得られた課題への対応とともに、ソフトウェアの機能向上、関連基準類の整備に応じて、継続的に改善、拡充していく予定となっています。
 
CIMガイドラインに記載されていない工種に関しては、基本的には適用する必要はありませんが、コンクリート構造物に関しては、第5 編 橋梁編の下部工の記述を参考にするなど、CIMガイドラインの考え方を活用して、いろいろな場面で活用していく心がけが重要です。
 
 

CIMガイドラインで作成すべきモデル

CIMガイドラインの各編に記述されている作成すべきモデルをまとめると、図-3のようになります。
 

図-3 「CIM導入ガイドライン」において作成するモデルとイメージ例




 
ガイドラインの各編で、トンネル・ダムなどの実際の業務でこれらのモデルをどのように作成していけばよいかの目安が示されており、まとめると図-4のようになります。図-4には、現在市販されているモデル作成に使用する主なソフトウェアと、納品する際のフォーマットも併せて示してあります。
 

図-4  「CIM導入ガイドライン」で作成すべきモデル




 
 

CIMによる設計業務のワークフロー

一般的な設計業務に適用する際のワークフローと利用するソフトウェアを表-2に示します。
 

表-2 CIMによる設計時のワークフロー




 
CIMを活用する際は、図-4のようなモデルを作成する必要があり、これらのモデルの基本となるのは現況地形の作成です。従来は、平面図をベースに設計しているため、実際の地形を把握することが難しく施工時に手戻りが発生する場合も多くありました。
 
初めに、現況地形を作成し、全体を俯瞰し、ここに計画された2次元図面を重ね合わせるだけでも、多くの事が分かります。
 
現況地形の作成のベースとなる標高データは、一般的には、国土地理院の基盤地図情報 数値標高モデル 5mメッシュデータを用います。これ以外に、UAV、MMS(Mobile MappingSystem)や地上レーザ計測で得られる点群データを利用することも可能であり、設計で利用したい精度に合わせた地形を作成することが重要です。
 
現況地形モデルを細かく作成することは可能ですが、その後の設計で活用する際に、かえって処理を遅くする場合も多く、加減が重要です。特に、初期の現地調査前では、5mメッシュデータで十分でしょう。
 
後は、この現況地形モデルをベースに、現況地物と設計モデルを付加しながら、発注者と協議していきます。
 
今までに図面をベースにした設計では、図面を描けるソフトウェアであれば何でも利用できましたが、3次元モデルを作成するためには、専用のソフトウェアが必要です。しかし、現状では、実際の業務において、CIMガイドラインに対応していくためには、どのようなソフトウェアを利用していけばよいか、悩みどころではあります。
 
OCF(オープンCADフォーマット評議会)では表-3に示すような「国土交通省CIM導入ガイドライン・CIM 事業における成果品作成の手引き対応ソフトウェア一覧」が公表されているので、参考にしてみてください。
 
 
   対応ソフトウェア一覧 【2017/9/29現在】 http://www.ocf.or.jp/cim/CimSoftList.shtml

表-3 国土交通省CIM導入ガイドライン・CIM 事業における成果品作成の手引き




 
当社では、各分野で表-4に示すソフトウェアの利用を想定して普及に努めています。
 

表-4 業務分野ごとで使用するデータとソフトウェア




 
これらのソフトウェアを用いて、業務執行の中で、どのように設計に取り入れていくかが課題です。まだまだ、設計者が思う通りの結果をすぐに出すのは難しい場合もあり、設計者が工夫していく必要があります。
 
また、見落とされがちですが、「CIMモデル作成 事前協議・引継書シート」を作成することになっています。これは、計画・調査⇒設計⇒施工⇒維持管理というライフサイクルを通して、どの段階でどのような協議をして、どのようにモデルを作成しているかを次のサイクルに引き渡すものです。この情報を見れば、今までの検討の考え方、どのソフトウェアでどのようにモデルが作成されたかなどが、一目で確認できます。是非、間違えずにこのシートの作成を行うようにしてください。
 
早く取り組みを開始し、社内でのCIMを活用した設計スタイルを早く確立することが重要です。
 
 

まとめ

30年前には、パソコンもCADもありませんでした。いろいろな要領基準も十分に整備されていたわけではありません。CIMを取り巻く状況も同じです。3次元でどのように設計していくか、どのようなツールを使えばよいか、施工側にどのように渡せばよいか、まだまだ十分に整備されていません。
 
現在提供されているツールの機能をよく見極め、設計の中に取り込んでいく努力が必要です。
 
また、CIM対応ソフトウェアは機能が多く、1週間も操作しないでいると忘れてしまいます。集合教育で実施されるハンズオン講習会を受講することも重要ですが、受講した後に、最低でも毎日5分〜 10分の復習操作が必要です。また、自分で目標を決めて、自習していくことも重要です。
 
いろいろなホームページに、無料で使用可能な3D部品や、CIM対応ソフトウェアの操作方法などもまとめられていますので、こうした情報も参考に、一緒に、CIMを推進していきましょう。
 
 

八千代エンジニヤリング株式会社 CIM推進室 一般社団法人 Civilユーザ会 藤澤 泰雄

 
 
 
建設ITガイド 2018
特集1「i-Construction×CIM」



 

 

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