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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 鹿島建設における生産性向上へ向けた取り組み

 

はじめに

日建連の推計によると、建設業では今後10年以内に技能労働者が100万人規模で離職する見通しである。そのため、若者を中心として新たな技能労働者を確保するとともに、生産性を向上させることが喫緊の課題となっている。
 
当社では、2017年4月に「CIM推進室」と「自動化施工推進室」を新設し、さらなる生産性向上に取り組んでいる。本稿では、CIMや施工管理ツールの活用推進を中心に当社における生産性向上への取り組みについて紹介する。
 
 

CIMの活用推進

当社では1990年代から3次元CADを施工計画検討、設計変更協議、品質管理および出来形管理に利活用してきた実績があるが、CADオペレーターに依存する体制となっており、実際に検討する作業に時間を要する状況となっていた。そこで、施工計画検討や施工管理における利活用は、社員自らがCADを操作することで、速やかに結論を導ける体制を構築することを目的に、本社主導による工事入手段階での「CIM初期モデル」の提供と、社員のCIMスキル向上を図る「CIM教育システム」を導入した。
 
CIM初期モデルについては、現場における入手時検討会や生産性向上検討会などで活用されている(写真-1)。
 

写真-1 生産性向上検討会でのCIM初期モデル活用




 
CIM教育については、集合教育による時間的拘束を避けるために、現場または支店から全社標準の「Skype forBusiness」を利用した遠隔教育としている。また、現場のPC全てが高機能というわけではないため、誰でもCIMソフトを快適に利用できるよう、VDI(仮想デスクトップ)を利用した環境を整備している(図- 1)。
 

図-1 VDIとSkypeによるCIM教育のイメージ




 
 
カリキュラムは、施工計画検討用にInfraWorks360、SketchUp Pro、Navisworks、土工事用にCivil3D、構造物用にRevitを教育するコースを用意し、半日単位で選択できるカフェテリア形式としているため、現場の工種や工程に応じた組み合わせで受講できる。
 
さらに、施工計画に使える約350点の3D部品を用意し展開している。部品は、建機、設備、汎用の3項目から構成されており、建機ではバックホウ、クレーンやブルドーザー、設備では足場材・矢板、防護柵・ガードレール、測量・計測、汎用では作業員や乗り物などを用意している(図-2)。
 

図-2 3D部品サンプル例




 
 

現場向け施工管理ツールの展開

当社土木部門では、CIMに工程とコストを連携させて施工管理できる「5D-CIM」の構築を目指している。原価管理については従来から標準ツールにて実施してきたが、2017 年4 月から工程管理についても標準ツールを定めて全社に展開している。
 
また、現場における重機の稼働や作業員の活動も含めた作業内容については、いわゆる「IoTプラットフォーム」を一部現場にて構築して情報の収集・蓄積・分析を始めている。ただし、「IoTプラットフォーム」を全現場に適用していくには時間を要することから、当面は「作業間連絡調整システム」を全社標準化し、作業内容や重機稼働状況を入力・管理することで、工種や部位ごとの歩掛情報を収集・蓄積・分析し、次工程や今後の同種工事の生産性向上につなげている。
 
このように、従来は現場によって利用しているツールが異なっていたため、施工計画や実績のデータが一現場に閉じてしまっていたが、システムを統一することで、データを一元管理し、生産性に関するデータ分析や分析結果を基にしたフィードバックも可能となっている。
 
 

UAVの活用

当社は2015年に、UAVによる写真測量を利用して高精度な3次元図面を短時間で作成し、土量管理、工事の進捗管理に利用するシステムを開発し大規模造成工事に初適用した。本システムによる測量は、光波測量、地上3Dレーザー測量と比較して、所要時間、測定にかかる人数を大幅に削減でき、費用についても、光波測量の5分の1以下となることが分かった(図- 3)。
 

図-3 各測量方法の所要時間、概算費用比較




 
現在では、造成工事だけでなく、ダムや橋梁などさまざまな工種で幅広くUAVを活用している。
 
 

機械化・自動化・見える化の推進

建設工事は、元請による全体的な施工管理の下、協力会社による分業体制で行うことが一般的となっているため、どうしても施工行為そのものの生産性向上にはつながりにくい側面があった。当社では、土木工事の「省人化」だけでなく、「作業分析による施工全体の合理化」を図り、施工における生産システムそのものをより合理的にすることを目的に「機械化・自動化・見える化」を推進している。
 
当社が開発した次世代建設生産システム「A4CSEL」(クワッドアクセル)は、汎用の建設機械に計測機器や制御用PCを搭載することにより建設機械の自動運転を実現したもので、一人で複数の自動化重機を同時に稼働させる新たなコンセプトを実現した世界初の技術である(図-4)。
 

図-4 クワッドアクセルのフィルダムでの適用イメージ




 
2015 年に五ケ山ダム建設工事で自動振動ローラーを実用化させるとともに自動ブルドーザーの実証実験を行い、2017年には大分川ダム建設工事において、ダンプトラックの導入試験を行い、運搬・荷下ろしから、ブルドーザーによる巻き出し、振動ローラーによる転圧まで、一連の土工作業の自動化の流れを確立した。2017年9月には、さまざまな開発技術を検証する実験場として「西湘実験フィールド」を整備し、自動化システムの精度をさらに高めていく方針である(写真-2)。
 

写真-2 自動ダンプ、自動ブルドーザー、自動振動ローラーの連動作業




 
将来的には、インターフェースが簡素化されたCIMモデルを用いて容易に作業計画、作業指示を作成し、自動化された機械をコントロールするとともに、機械から稼働状況・出来形・品質データを収集することで施工方法の評価を行い、建設工事全体の最適化を図っていく。
 
 

鹿島建設株式会社 土木管理本部 土木技術部CIM推進室 室長 後閑 淳司
次長 森本 直樹

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2018
特集1「i-Construction×CIM」



 

 

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