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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 地方発!地場ゼネコンこそBIM導入を

 

はじめに

わが社は沖縄県に本社を置く総合建設業、いわゆる地場ゼネコンである。年間の売上が140億と、中小建設業の部類に入る企業である。
 
数年前より躯体積算ソフトとしてJ-BIM施工図CADを使用していた。今後多様化する業界を見据えて、工事部長によるトップダウンで施工BIMの導入に踏み切った。
 
導入ソフトは、操作性よりも、充実したバックアップ体制が見込めるかを基準に選定した。結果、沖縄県に代理店があるグラフィソフトジャパン株式会社のARCHICADを導入した。
 
導入の目的は下記のとおり。
 
①事業計画の迅速化
②施工計画の効率UP
③繕計画に活用
 
 

BIM推進の体制について

わが社では、BIM推進部等の専門の部署はなく、主に積算業務を行う工務部をメインに、工事部と共同で本業と兼ねて対応している。
 
私が指示をし、女性3名でモデリングを行っている(図-1)。躯体積算は100%、施工検討は約70%の物件でモデリングを行っている。
 

図-1 モデリングのメンバー




 
積算と現場支援業務からスタートしたこともあり、主に概算の初期計画時の検討に活用している。
 
 

導入事例

2016年7月の導入からの1年半、17物件でモデリングを行い、企画段階の事業計画や施工検討に役立てることができた。
 
その中から3物件の取り組みを紹介する。
 
1.少ない情報から敷地形状をモデリング。精度の高い概算見積が実現。
 
本物件はホテル新築計画で、概算見積もり用図面しかなく、情報が不足していた。計画地は高低差があり、造成検討が困難だった。
造成検討を目的に、敷地形状のモデリングを行った。まず2D図面の等高線に高さを与えた。そこに計画建物を配置すると、必要な擁壁、切盛土が明確となる。モデリングの情報から、必要擁壁数量、土量数量が算出でき、精度の高い見積りを行うことができた。(図-2)
 

図-2




 
2.基礎工事のステップ図をモデリング。施工計画の見える化により手戻り作業を防止。
 
本物件は商業施設の新築工事で、建物の幅・奥行きとも100m程度あり、施工の順序を誤ると手戻りになる恐れがあった。
 

施工手順の見える化を目的に、基礎工事ステップ図のモデリングを行った(図-3)。現場で打合せを行い、反時計回りの施工順序が決定した。手順に合わせた基礎ステップを作成し、現場で活用した。結果、元請、各職長、全作業員が作業手順を理解し、手戻りなく基礎施工を行うことができた(図-4)。
 

図-3




 

図-4




 
事着手後に現場から業務依頼を受けた。内容は外部足場の申請で、提出期限が2週間後という短期間での業務であった。
 
建物形状がいびつで、仮設業者が作成した2D図面は使い物にならなかった。元々鉄骨FABが作成した鉄骨BIMデータがあったので、そのデータを元に外壁をモデリング。出来上がった建物に外部足場のモデリングを行った。
 
仮設計画は現場の意見が反映されていないと使い物にならない。そこで、モデリングしたBIMデータを現場に提出し意見を出してもらった。BIMの特色である「見える化」により、現場からさまざまな意見が上がった。それを反映した修正BIMデータを現場に提出する(図-5)。
 

図-5




 
このやりとりを繰り返したことにより、短期間での作図が可能となり、期間内での申請を行うことができた。
 
今回の業務は特にBIMの効果を感じることができた。
 
①イメージの見える化
②問題の早期発見
③確実な指示の実現
 
以上により施工計画の効率をアップすることができた。
 
 

今後の課題

施工BIMを導入し、主にフロントローディングとして活用し、1年足らずでさまざまな効果を上げることができた。
 
今後の課題として、下記の項目がある。
 
①現場技術員への導入
②施工図への展開
 
今後、現場でBIMを活用できるようにし、計画の見える化、より高度な施工検討を実現したい。
 
 

まとめ

BIM導入による効果として、下記の3項目がある。
 
1. まず、やってみる
わが社のような中小建設業がBIMを活用するには、「まず、やってみる」姿勢が重要である。やれば分かる。案ずるより産むが易しである。
 
2. 分かりやすい計画の実現
3Dモデルにより、分かりやすい計画が実現でき、現場の若手・ベテラン技術者、施主、設計監理者、職人など関係者が同じビジョンを共有できる。
 
3. 問題の早期発見
迅速なモデリングにより、問題の早期発見ができた。結果、着手前に問題を解決することができる。
 
 

最後に

BIMを導入した中で、失敗に終わった物件もある。モデリングしたにもかかわらず、問題の対策ができずに現場に負担を強いる結果となり、BIMを用いたコミュニケーションがいかに大事であるかを痛感した。
 
物件規模の小さな、小回りがきく地場ゼネコンこそBIMを活用し、効率化を図り、地域に根差した進化を目指すべきではないかと考えている。
 
 

金秀建設株式会社 工務部 大木 篤史

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2018
特集1「i-Construction×CIM」



 

 

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