• 建設資材を探す
  • 電子カタログを探す
ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 軽仮設材リース・レンタル使用度調査報告 〜資材の使用度は年々上昇傾向に〜

 

はじめに

本調査は,隔年ごとに実施し,調査をスタートした平成7年から通算して22年が経過しました。
 
この22年間を振り返ってみますと,平成7年に発生した阪神・淡路大震災をはじめ,近年では,平成23年の東日本大震災,その後熊本地震などの地震災害のほか,集中豪雨による河川の氾濫・土砂災害など,過去の規模をはるかに超える自然災害が多発しており,インフラの維持・復旧という側面で建設業界の社会的な役割も年々大きくなっています。また,アベノミクスに代表される経済政策,公共事業への積極投資,さらに2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う,諸設備新設・インフラの再整備など建設業界への波及効果も出てきています。そのため,当業界では軽仮設機材の需要に対する供給責任を果たすべく,積極的に事業活動を展開してまいりました。
 
一方で,日本における少子高齢化の影響から,生産年齢人口の減少が憂慮されており,これまで「3K」業種の代表のようにいわれていた建設業界においては,すでに労働者の不足が現実のものとなりつつあります。
 
こうした中,いわゆる「働き方改革」として,時間外労働の削減・週休2日制の導入,休日・休暇の取得促進など,これまで手をつけることが難しかった課題への取組みが今後益々重要になると思われます。今回の調査では「建設業における働き方改革への取組み」についてもアンケート調査を実施いたしましたが,その結果をみると各社とも積極的な取組みに着手・検討されていることが分かりました。
 
調査を進めるにあたり,ご協力いただいたユーザーの皆様のご協力に対し,厚く御礼申し上げます。
 
 

第1部 軽仮設材のリース・レンタル使用度調査

第1章 調査概要

1 調査内容
軽仮設材の安定供給を図ることを目的として,ユーザー企業に対し軽仮設材の将来のリース使用度に関してアンケート調査を実施した。
 
2 調査方法
軽仮設材のリース使用度のアンケート調査票を作成し,調査対象企業に対して発送・回収したデータを基に集計・分析を行う。調査対象企業,調査時期,調査項目については下記のとおりである。
 
(1)調査対象企業
平成28年度完工高上位200社,および過去に上位200社に入っており,以前に調査実績がある50社に対して実施した。250社発送に対して113社より回答を得て,回収率は45.2%となった(表1)。
 
(2)調査時期
調査票発送…平成29年6月1日
調査票回収…平成29年7月21日
集計・分析…平成29年7月24日〜29年8月31日
 



 



 
(3)調査項目
設問1)所属先名等をご記入ください。
設問2)貴社は,現在リース・レンタル業者の軽仮設材をどの程度使用し,今後どの程度使用するお考えでしょうか。
 ・軽仮設材全体
  (内訳)(1):枠組足場類
      (2):くさび式足場類
      (3):室内足場類
      (4):型枠類
      (5):支保工類
      (6):パイプ・足場板類
      (7):養生材その他
      (8):安全機材類
設問3)当協会に対するご意見・ご要望があればご記入ください。
 
 
3 調査対象企業件数と使用度
過去の調査結果と今回の調査結果について,調査対象企業件数と使用度のこれまでの流れを次のとおりに示した。
 
(1)調査対象企業件数
調査年度別の調査対象企業とその件数を表2に示した。
 
調査対象件数については,平成9年度調査時に一度増やしたがその後は減少させた。また,回収率は平成9年度が最も低く20.2%であったが,その後調査対象を大手に限定することで向上した。
 
(2)使用度
今回調査で回収した調査票は113件であり,101件は有効回答,12件が無効回答であった。その中で,過去の調査を含め調査年度別の使用度の件数を表3,調査年度別・使用度別のシェア(構成比)を図1に表示した。使用度を20%刻みで集計を行ったところ,使用度が80%以上〜100%以下区分のシェアが最も高く73件(72.3%)となった。
 
使用度80%以上〜100%以下区分のシェアについては,調査年度ごとの推移を図2に表示した。件数の違いはあるものの,ここ数年はおおむね70%程度のシェアで推移している。
 



 



 



 

第2章 調査結果

1 リース使用度の概要
有効回答件数101件について集計を行った。
 
軽仮設材のリース使用度を把握するために,調査票の設問2の項目ごとに使用度平均値をまとめ,表4に示した。
 
軽仮設材全体の使用度をみてみると平成27年度調査時の使用度平均値が74.9%であったのに対し,現在の使用度平均値は80.6%となり5.7ポイントの上昇となった。
 
また,今後の使用度平均値は83.8%で現在の使用度平均値80.6%より3.2ポイントの上昇となっており,今後も使用度は大きくなっていく可能性があることがうかがえる。
 
なお,内訳の各軽仮設材について,個々の種別においてばらつきはあるものの使用度の上昇傾向が見受けられる。
 
次に軽仮設材全体の使用度に関し,有効回答を対象として使用度区分を10%刻みとし,詳細分析を行ったものを図3に示した。
 
現在,今後の使用度ともに,使用度区分91%以上〜100%のシェアが高くなっている。(現在のシェア58.4%,今後のシェア68.3%)完工高別(建設工事)で見ても,各区分とも全体の流れと同じではあるものの特に完工高上位の会社ほど,より使用度区分が91%以上〜100%のシェアが高い傾向となった。
 



 



 
2 機材別分類の使用度
今回のリース・レンタル使用度調査では,枠組足場類,くさび式足場類,室内足場類,型枠類,支保工類,パイプ・足場板類,養生材その他,および安全機材類の8分類について調査を実施し,本項目では機材分類ごとに集計・分析を行った。
 
前回調査(平成27年11月)のシェアと比較をすると,前回調査票を提出した業者と,今回調査票を提出した業者は異なるため,あくまで比較は傾向分析に過ぎないが,依然として高い使用度を示している。
 
(1)枠組足場類
有効回答101件の中で,枠組足場類について無効回答および材工一括発注のみの回答が12件あり89件について集計を行った。
 



 
(2)くさび式足場類
有効回答101件の中で,くさび式足場類について無効回答および材工一括発注のみの回答が27件あり74件について集計を行った。
 



 
(3)室内足場類
有効回答101件の中で,室内足場類について無効回答および材工一括発注のみの回答が19件あり92件について集計を行った。
 



 
(4)型枠類
有効回答101件の中で,型枠類について無効回答および材工一括発注のみの回答が51件あり50件について集計を行った。
 



 
(5)支保工類
有効回答101件の中で,支保工類について無効回答および材工一括発注のみの回答が23件あり78件について集計を行った。
 



 
 (6)パイプ・足場板類
有効回答101件の中で,パイプ・足場板類について無効回答および材工一括発注のみの回答が5件あり96件について集計を行った。
 



 
(7)養生材その他
有効回答101件の中で,養生材その他について無効回答および材工一括発注のみの回答が3件あり98件について集計を行った。
 



 
(8)安全機材類
有効回答101件の中で,安全機材類について無効回答および材工一括発注のみの回答が10件あり91件について集計を行った。
 



 
3 軽仮設レンタル業者並びに軽仮設リース業協会についての意見



 

第2部 建設業における働き方改革への取組み状況調査

第1章 調査概要

1 調査内容
建設業における働き方改革への取組み状況の参考情報を得る事を目的として,ユーザー企業に対してアンケート調査を実施した。
 
2 調査方法
建設業における働き方改革への取組み状況についてのアンケート調査票を作成し,調査対象企業に対して発送・回収したデータを基に集計・分析を行う。調査対象企業および調査時期は,第1部 軽仮設リース・レンタル使用度調査と同様。調査項目と回答内容は下記のとおりである。
 

第2章 調査結果

1 休日の工事休止についての状況
(1)建設工事現場で週休2日の導入・検討状況
建設工事現場で週休2日の導入を徹底することを検討されていますか?

 
調査票にて回答の得られた111件を対象に集計した。「導入済み」「検討中」「未検討」「検討余地なし」の4段階で区分し,それぞれの割合を算定した。
 
その結果,「検討の余地なし」との回答はなく「導入済み」「検討中」の回答が全体の70%弱を占める結果となった。
 
また,完工高別にみて,いずれの区分においても半数以上の会社から「導入済み」「検討中」の回答を得た。
 



 
(2)建設工事現場で週休2日実施に向けての導入・検討内容
(1)で「導入済み」「検討中」と回答された方にお伺いします。建設工事現場で週休2日の導入を徹底する場合,どのように対応されますか?

 
調査票にて回答の得られた77件を対象に集計した。「原則,土日の現場閉所で対応(を検討)」「土日にこだわらず,工期全体で週休2日相当の現場閉所で対応(を検討)」「その他」の3段階で区分しそれぞれの割合を算定した。
 
その結果「原則,土日の現場閉所で対応(を検討)」が44.2%,「土日にこだわらず,工期全体で週休2日相当の現場閉所で対応(を検討)」が41.6%とほぼ同数となった。
 



 
(3)建設工事現場で週休2日実施を可能とするための条件
設問1─(1)で「検討中」「未検討」と回答された方にお伺いします。週休2日の導入を可能とするための条件は何でしょうか?




 
(4)建設工事現場で週休2日の導入が難しい理由
設問1─(1)で「検討余地なし」と回答された方にお伺いします。週休2日の導入が難しい理由は何でしょうか?

 
検討の余地なしの回答は0件であった。
 
 
2 時間外勤務についての状況
(1)建設工事現場で時間外勤務を減らす方策の実施状況
建設工事現場において時間外勤務(いわゆる残業)を減らす方策を検討されていますか?

 
調査票にて回答の得られた110件を対象に集計した。「方策実施済み」「検討中」「未検討」の3段階で区分しそれぞれの割合を算定した。
 
その結果「方策実施済み」が19.1%,「検討中」が71.8%と90%超の企業で何らかの対策が実施・検討されているという結果となった。
 



 
(2)建設工事現場で時間外勤務を減らす方策の実施・検討内容
設問2─(1)で「方策実施済み」「検討中」と回答された方にお伺いします。建設工事現場において時間外勤務を減らしていくために,どのように対応されますか?

 
調査票にて回答の得られた97件を対象に集計した結果,「①現場での作業量を削減できる材料や製品,施工技術の導入・開発(の方向で検討中)」を含む回答が65件,「②作業要員の増員(の方向で検討中)」を含む回答が52件,「③その他」を含む回答が23件であった。
 



 
(3)建設工事現場で時間外勤務を減らすことを可能とするための条件
設問2─(1)で「検討中」「未検討」と回答された方にお伺いします。時間外勤務の削減を可能とするための条件は何でしょうか?

 

 
(4)建設工事現場で時間外勤務の削減が難しい理由
設問2─(1)で「検討の余地なし」と回答された方にお伺いします。時間外勤務の削減が難しい理由は何でしょうか?

 
検討の余地なしの回答は0件であった。
 
3 作業員の確保状況
残業対策,休日出勤対策等において要員の確保などに影響がでてくるものと思いますが,その方法として現在取り組まれていること,今後取り組まれることは何ですか?
 
(1)現在の取組み
作業員の確保状況について,寄せられたコメントを掲載する。
 
各社,労働環境や賃金の改善に関する取組みの回答が多い傾向となっている。
 



 
(2)今後の取組み
今後の取組みについて,寄せられたコメントを掲載する。
 
各社,現在の取組みの延長としての考えが多い傾向となっている。
 



 
(3)女性活用への動きがありますが,現在何%ほどの現場で自社の女性スタッフが入っておられますでしょうか?
調査票にて回答の得られた109件を対象に集計した。「10%未満」「10%〜20%未満」「20〜30%未満」「30〜40%未満」「40〜50%未満」「50〜60%未満」「60%以上」の7段階で区分し,それぞれの割合を算定した。
 
結果は,「10%未満」の区分が103件(94.5%)と圧倒的に高く,他は4件以下となった。また,「40〜50%未満」以上の区分は1件も該当の企業はないという結果となった。
 



 
(4) 作業時間の制約があれば,現在の施工方法では,指定期日までに完成させることが難しくなることも予想されますが,それを解決するための方策は何でしょうか?(仕事量の調整・新工法新技術の採用・社員増員計画 etc.)
 
上記について,寄せられたコメントを掲載する。
 
各社,何らかの手段で労働環境や賃金の改善を行い作業員の確保に努めて,受注済みの工事に対応していると考えられる。
 



 
 

一般社団法人 軽仮設リース業協会
http://www.keikasetsu.or.jp

 
 
 
【出典】


積算資料2018年2月号


最終更新日:2018-06-18

 

同じカテゴリの新着記事

ピックアップ電子カタログ

最新の記事5件

カテゴリ一覧

話題の新商品