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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料公表価格版 > 特集 公園・緑化・体育施設 > 天然芝を強化し効果を生み出すハイブリッド芝 「SISGrass(シスグラス)」~これまでの「芝」の常識を変える圧倒的な耐久性とスムーズな施工性~

 

世界で築き上げられた実績

天然芝に5%の人工芝を組み合わせて耐久性を高める「ハイブリッド芝」に注目が集まっている。天然芝に打ち込まれた特殊な人工繊維と天然芝の根が絡み合うことで強度が高められると共に,芝の成長がより促される。サッカーJリーグ1部のヴィッセル神戸の本拠地でもある「ノエビアスタジアム神戸」(神戸市兵庫区)が,今季からこの「シスグラス」を採用したことで話題を集めたが,光や風の入りにくいドーム型の屋根付きスタジアムならではのメンテナンスの難しさはあるものの,良好なピッチコンディションに早くも高評価が寄せられている。
 
この「シスグラス」を誕生させたのは,英国に本社のあるSIS Pitches社。サッカー場・野球場・ゴルフ場など,様々なスポーツシーンの天然芝(スポーツターフ)の設計・施工・維持管理を行うスペシャリスト集団として,世界中で45万㎡に及ぶスタジアムやトレーニングセンターのピッチの管理を行っている。「シスグラス」の導入事例は,2018ロシアW杯において全12会場のうち6会場で採用されたほかスペインのリーガ・ エスパニョーラやイングランドのプレミアリーグなどヨーロッパの名門サッカーリーグの中心クラブや,ラグビーの強豪チームなど,トップチームが使うスタジアムのピッチに拡がっている。
 

シスグラス概要図




 

独自に開発された人工繊維

独自に開発した人工繊維「MN Ultra™」を使用することにより,伸縮性や皮膚親和性,さらに耐久性を実現した。材質がポリエチレンであるため弾力性・柔軟性・クッション性が高く,その感触は天然芝に近い。柔らかい素材を採用しているため,天然芝の根が素材の間に入り込み,絡みやすくなるため,成長がさらに促される。カラーも濃淡2色のグリーンを採用しており,どんな天然芝にも自然に馴染む。
 
材質面の効果に加え,砂を中心に造られる水分の浸透性が高い床土と共に,人工繊維が透水ガイドとなり排水性を高める。空気の流れもこれと同様に高まるため,地中環境が改善され根茎は深層まで伸びる。その長さは「ノエビアスタジアム神戸」では,18cmにも達する。時期にもよるが通常は8〜9cm程度であるため,天然芝がいかに健康に育っているか分かる。根が健康であれば地表の芝も健康になるため,踏みつけ・ねじりに対する耐性が上がり,試合後の傷んだ箇所の回復もスムーズになる。
 
 

迅速な作業を可能にする施工性

施工機器の動力が90%電動式のため,オイル漏れのリスクが少なく,天然芝や土壌の保護に寄与する。また,レーザー技術によって2cm×2cmの等間隔に隙間なく植えられる高精度かつ迅速な施工が可能となる。隙間が無いため選手の足が引っかかるアクシデントも防ぐことができ,ピッチ上の怪我が抑制できるため安全性が向上する。それは,何よりも選手の能力向上につながる。また,こうした施工面の改善によって,導入時には発芽を早める効果が期待でき,余裕のある養生期間を設けることができるほか,施工期間の短縮でピッチの使用期間が長くなるため,クラブにとってのメリットも大きい。
 
 

芝育成に欠かせない「TLS グローライト」

芝の成長には日照条件が大きく関わってくる。イギリスやオランダなどは,日照時間の問題で,スポーツターフを良好な状態に維持するのが難しく,ゴール前などの芝が無くなるピッチも少なくなかった。また,スタジアムの屋根の設置義務などによる日照条件の悪化が芝の成長を阻害していた。そのような状況で生まれたのが芝育成用ランプ「TLS グローライト」である。園芸用ランプ世界最大手のホーティルックス社製の特殊機器で,光源には高圧ナトリウムランプが使われている。本体はアルミニウム製のため重量が他社製品と比べて約半分の軽さのため,作業性能を高めると共に天然芝を傷めずに光を当てることができ,成長を促すことで,より美しく強靭なピッチへと生まれ変わる。
 

TLS グローライト




 
【出典】


積算資料公表価格版2018年08月号



 

最終更新日:2023-07-10

 

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