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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 北海道開発局におけるBIM/CIMの取り組み

 

はじめに

BIM/CIMの活用は、調査・設計・施工・維持管理を通して、事業全体の生産性向上と高度化には欠かせないものであり、今後もその需要は高まるものと考えられる。
 
このような背景のもと北海道開発局では、平成24年度からCIM試行を進めてきたところであり、平成29年度からはさらにi-Constructionの重要な取り組みとして推進している。本稿では、平成29年度に取り組んだ橋梁詳細設計と樋門詳細設計におけるBIM/CIM活用事例について紹介する。
 
 
 

設計段階におけるBIM/CIMの活用

(1)橋梁詳細設計の活用事例
 
1)設計概要
業務名:一般国道5号 仁木町銀山大橋 詳細設計業務
設計概要:一般国道5号 倶知安余市道路の橋梁新設設計
上部工:9径間連続鋼鈑桁橋(橋長:565m)
下部工:壁式橋脚(場所打ち杭)
 
 
2)CIMモデルによる鉄筋干渉確認
本橋梁の基礎工は場所打ち杭であり、杭頭鉄筋と橋梁下部工のフーチング鉄筋の干渉箇所をCIMモデルを活用してチェックを行った(図-1)。
 
鉄筋の干渉箇所について事前に確認をすることで、建設現場では施工者が現地で支障なく作業が行えるなど、現場における省力化が期待できる。



図-1 鉄筋干渉位置の確認




 
3)維持管理用モデルの作成の試行
本業務では、将来の維持管理に使用可能なCIMモデルの作成を試行した。維持管理モデルでは、「管理スペースの確認」と「橋梁点検結果の管理」をリクワイアメント(要求事項)として設定し検討を行った。
 
「管理スペースの確認」では、上部工検査路から下部工検査路への動線確認をCIMモデルをベースにしたVR(Virtual Reality)にて確認することで、実際に点検が可能なスペースや導線の確保の確認を行った(図-2)。
 
また、「橋梁点検結果の管理」では、設計データを基に上部工のモデル化を行ったが、設計モデルでは主桁部材を添接板間隔で認識しているのに対し、点検では、横桁間隔で部材番号を設定するため、現行の点検要領での管理を前提とするとモデルの修正が大掛かりになることが判明した(図-3(a))。ただし、3Dモデルを活用した点検結果の管理の場合は、部材番号がなくとも損傷箇所の確認が容易にできるため、設計モデルをそのまま利用した運用が十分可能と考え、設計モデルを活用することにした。

図-2 管理スペースの確認


図-3 維持管理モデル




 
4)プロセス改善検討の取り組み
本橋梁については本年度CIM活用工事として下部工の工事に着手している。設計で作成した構造物モデルが、施工時にどのように使用され、施工の手戻りを減らしたかを確認し、さらなる効率化を目指し、設計と施工のCIMプロセス改善に向けた検証を実施している。

図-4 国土地理院の地盤データを読み込んだ地形モデルと維持管理モデルの統合モデル




 
(2)樋門詳細設計での活用事例
 
1)設計概要
業務名:根志越樋門詳細設計業務
設計概要:樋門詳細設計一式
 
 
2)機械設備でのBIM/CIM導入の試行
根志越樋門は、石狩川水系千歳川右岸に位置する直轄の排水樋門である。新規築堤盛土で函長が不足する既設函体を活用し、継ぎ足し樋門として詳細設計を実施した。また、門柱高不足のため、門柱レスとして改築し、機械設備へのBIM/CIM適用について試行・検証を実施した。
 
機械設備設計におけるBIM/CIMの適用は、メーカーの特定に至らない形で発注用の数量等を算定する必要がある。そのため、機械設備の3次元モデル化は一般的な土木設備のBIM/CIMにおける詳細度の概念とは異なり、「形状の詳細度(LoD)と付与する属性情報(LoI)」によりモデルの詳細度を規定する概念を検討した。
 
この概念を基に、機械系のCADと土木・建築系のCADの2種類のソフトウェアでモデルを作成し、数量算出、構造計算への連動、データ交換等を検証した。その結果、利用ソフトウェアによってそれぞれの長所、短所があることが判明したことから、モデル作成に当たっての基本事項として取りまとめた。
 
一例を示すと、機械系CADは機械の製作用データを作るためのCADであり、構造計算との連動や部材同士の相互動作をモデル上で確認することができる(図-5)。
 
建築系CADは構造物を作成するのに特化したCADであり、材料情報等をモデルに含め、土木躯体を併せてモデル化することが可能である(図-6)

図-5 機械部材のモデル化


図-6 土木躯体を併せたモデル化




 
3)土木構造物との取り合い確認
作成した機械モデルを土木構造物と重ね合わせ、機械設備の設置状況を確認し、取り合い等を確認した(図-7)。

図-7 土木構造物との取り合い確認




 
4)VR技術の試行
作成したモデルを基にVR(VirtualReality)技術を用いて、維持管理時の動線や空間を確認・検証した(図-8)。
 
一般的に協議段階では、図面を用いるが、VRを活用することでイメージを共有することが可能であり、認識の共有が図れる。また、樋門操作時のイメージを把握できるため、職員や操作員等への教育用途にも活用できると考える。

図-8 VRの活用事例




 
 

技術者育成の取り組み

BIM/CIM活用を推進するためには、3次元データを扱える技術者の育成が受発注者ともに必要である。実際に操作等を体験することでメリットを感じることが重要であり、受注者・発注者ともに講習会を企画し実施している。

写真-1 BIM/CIMの実技講習会




 

おわりに

BIM/CIMの取り組みによって、調査設計段階から施工・維持管理段階における各プロセスやプロセス間において業務改善が図られる。このような生産性向上の取り組みが働き方改革につながり建設業全体が魅力ある職場になるようさらに取り組みを進めていきたい。
 
 
 

国土交通省 北海道開発局 事業振興部 技術管理課

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2019
特集1「i-Construction×BIM/CIM」



 

 

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