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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 北陸地方整備局におけるBIM/CIMの取り組み

 

はじめに

国土交通省では、平成24年からCIMの導入に向け試行を実施しています。平成30年度には、名称をCIMからBIM/CIM(Buiding /Cons truc tionInformation Modeling Management)に改め、本格導入へ向けて邁進しております。BIM/CIMとは、社会資本等の整備に当たり、計画から調査・設計、施工、維持管理そして更新に至る一連の過程において、3Dモデル等ICTを駆使して、各過程において3Dモデルを連携・発展させ、併せて事業全体にわたる関係者間で情報の一元・共有化をすることにより、一連の建設生産システムの効率化・高度化を図ることを目的としているものです。
 
 
 

BIM/CIMの取り組み

北陸地方整備局においても、平成24年からCIMの導入検討や試行を行っており、年々試行数が増加し平成30年度では24件の実施を予定しています。
 
今回は、北陸地方整備局において実施している大河津分水路の改修事業(図-1)において実施しているBIM/CIMの取り組みを紹介します。

図-1 大河津分水路位置図




 
(1)大河津分水路の改修事業におけるBIM/CIM活用の概要
 
大河津分水路の改修事業は、多くの利害関係者と協議・調整を図りつつ、厳しい現場条件のもとで複数の構造物を並行して築造等を進める必要があります。そのため、事業の初期段階から各工事の特徴を捉え、想定される課題を解決しながら円滑な事業進捗を図ることが求められていることから、平成28年度においては、山地部掘削の検討、第二床固改築の詳細設計、野積橋架替の詳細設計の3件の業務において、BIM/CIMを導入しています(図-2)。
 
また、各業務で作成されたCIMモデルを統合することで、事業全体を効率・効果的にマネジメントするためのCIMモデルに発展させることを目指し、各業務で作成することとなる現況地形および既設構造物のCIMモデルを基図とし、発注者が提供し、関連業務間で共有する取り組みを行いました(図-3)。

図-2 CIM試行対象の範囲


図-3 CIMモデルの流通について




なお、基図の作成に当たっては、後工程での利用も想定し、測量成果を基に作成を行いました。その際のCIMモデル作成ツールは表-1、設定した基本条件は表-2のとおりであり、利用するツールや基本条件は、業務受注者とも共有しました。

表-1 CIMモデル作成ツール


表-2 基本条件の設定




 
 
(2)山地部掘削検討におけるBIM/CIMの取り組み
 
図-2に示す左岸山地掘削部を対象に、地質・土質モデル、山地掘削施工計画検討モデルを作成しました。
 
 
①地質・土質モデル(図-4)
当該地区は多様な地質、岩級区分を有し、さらに、脆弱層を含む地層も存在していることから、土工事の際の岩級別、地質別の数量を把握することを目的にモデルを作成しました。さらに、過去のボーリングデータ(柱状図)を3次元化し、統合したことで、どこに、どれくらいの深さで調査したかが容易に確認できるようになり、今後の地質調査における参考情報としての活用が期待できるようになりました。

図-4 地質・土質モデルと3Dボーリング柱状図の統合




 
②山地掘削施工計画検討モデル(図-5)
長期にわたり発生する土工数量や、施工ステップごとの法面形状の把握、第二床固や野積橋の工事用ルートを確保した上での山地掘削の施工検討、また、地山掘削の施工範囲と工事用車両の進入路についての施工ステップごとの検討に使用することを目的に作成したモデルです。

図-5 山地掘削施工計画検討モデル(施工ステップで表示)




 
③モデルに付与する属性情報
関連業務間でのCIMモデルの共有、または後工程での利活用を想定して、地質・土質モデルには、表-3に示す属性情報を付与しています。
 
山地掘削施工計画検討モデルには、属性情報の付与は行っていませんが、年度ごとの施工範囲が確認できるよに色によるエリア分けを実施しました。
 
今後は、年度ごとに発生する土工数量を地質区分ごとに把握していく必要があります。このことから、地質・土質モデルを細分化し、立方体で表現し、一つ一つの立方体に地質特性や体積(土量)、掘削時期等の情報を属性情報として付与することで、施工段階での利活用も可能になると想定されるため、引き続き、検討を進めていきたいと考えております。

表-3 地質・土質モデルに付与した属性情報




 
(3)野積橋架替の詳細設計におけるBIM/CIMの取り組み
 
図-2に示す河口部に架け替える野積橋を対象に、施工ステップ、工事工程等を基に、基礎工事、下部工躯体工事、上部工工事と施工段階に応じた施工ステップ情報(時間軸)を付与した構造物モデルを作成しました(図-6)。

図-6 施工ステップ情報構造物モデル




 
①上部工構造物モデル
構造的に張出横桁(図-7左:赤枠で示した箇所)が必要となったため、支承配置間隔の違いによる景観性の確認のためモデル化し、道路管理者との協議に用い構造決定を行いました。また、排水桝位置について、鉄筋切断等の構造性のほか歩行者目線から配置状況を確認し(図-7 右:赤枠で示した箇所)、道路管理者との協議に用い位置決定を行いました。モデル化を行うことで、円滑な合意形成に寄与したと考えます。

図-7 張出横桁(左)、排水枡位置(右)の比較




 
②下部工構造物モデル
下部工の橋脚構造物や橋脚の掘削工に伴う土工の数量の把握を行いました(図-8)。鉄筋については従来より長さの確認はできていましたが、今回、3次元化し属性情報を付与したことで、鉄筋径ごとの集計や鉄筋総重量の把握も可能となりました。

図-8 橋脚構造物モデルの体積(上)と橋脚掘削部の土工数量(下)




 
③上・下部工接合部
上・下部工接合部の複雑な形状における鉄筋、支承アンカーなどの相互の配置を3次元空間で確認することで、施工段階での加工、配置変更が困難であるPC鋼材配置の干渉チェックを行いました。一部の橋脚を切り出し、PC鋼材、支承アンカー、仮固定鋼棒等の干渉を確認し、仮固定鋼棒の位置や外ケーブルの配置をずらすことで干渉しないように変更を行いました(図-9)

図-9 変更前配筋モデル(上)と変更後の配筋モデル(下)




 
④モデルに付与する属性情報
属性情報については、モデルごと、設計、施工、維持管理の各段階ごとで表-4のとおり整理しました。
 
属性情報の付与方法については、外付けする形で定義できるようにモデルを作成しました。今後、橋梁のCIMモデルに付与する標準的な属性情報が提示、または義務付けられた場合には、今回作成したCIMモデルに付与し、活用可能となるようにしています。

表-4 属性情報の付与(案)




 

おわりに

今回の紹介事例である大河津分水路の改修事業は、平成27年から平成44年の18年間に及ぶ大規模事業であり、効率的・効果的な事業実施のため、工程管理の充実が重要と考えております。
 
平成30年度からは、BIM/CIM活用工事として本格着手が始まりました。今後、次々と後続業務、工事の着手が行われる状況下で、各種業務等で取り扱うデータに関し、複数のコンサルタントとのデータ交換、施工者とのデータ共有、管理段階でのデータ変更等、その一元監理を行うことによって、業務、工事それぞれの契約単位の事業進捗に比べ、より効率的・効果的な事業マネジメントに寄与するものと考えられ、引き続き検討をしていきたいと思います。
 
 
 

国土交通省 北陸地方整備局 企画部 技術管理課  阿部 涼

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2019
特集1「i-Construction×BIM/CIM」



 

 

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