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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > BLC BIMオブジェクト標準の合意とBIMライブラリー構築に向けて

 

はじめに

BIMライブラリーコンソーシアム(代表:奥田修一 建築保全センター理事長)では、2018年10月にBLC BIMオブジェクト標準を76企業等で合意し、その後BIMライブラリー構築に向けて着実な活動を進めている。
 



図-1 BLC BIMオブジェクト標準合意の臨時総会と英国NBS会長の祝賀メッセージ




 

BLCのこれまでの取り組み

(1)BLC活動の概要
※設立時の詳細については、拙稿「建設ITガイド2016」を参照
 
①初年度(2015年10月〜2016年3月)
・4月に建設業振興基金からStem等を承継
・各部会の役割の明確化、活動の論点整理
・英国NBS オブジェクト標準と関連基準類の学習
・今後の活動に関する調査実施
 
②2年度、3年度目(2016年4月〜2018年3月)
・在り方部会:問題点の洗い出し、ビジネスモデルの検討、利用者負担等に関する検討
・建築部会:建築系BIMオブジェクト標準、建具(窓・ドア)、壁・床・天井、ユニット類(ユニットバス等)、搬送機器(ELV、ESC)のオブジェクトの検討
・設備部会:Stemを基に設備系BIMオブジェクト標準の検討、NBSBIMオブジェクト標準との比較・対応、CI-NETコードとUniclass2015、OmniClassとの比較等の検討
・運用部会:オブジェクト受け入れ時、運用時等のモニタリングの問題点の検討、また利用規約(案)、提供規約(案)、構築・運用規約(案)の検討・作成
・オーストラリア空調衛生工事業協会(AMCA)との会議(2016年6月)
・「オブジェクト標準の確立のための技術的な合意(2017年3月)」(その後一部修正)
 
③4年度(2018年4月〜2018年10月)
・BLC標準の関係者での合意の手順の確立、BLC BIMオブジェクト標準・素案の提示と意見募集
・76企業等によるBLC BIMオブジェクト標準version1.0の合意
・建築研究所によるPRISM(官民研究開発投資拡大プログラム)との研究連携
 
(2)BIMオブジェクトの標準化と集約化(ライブラリー化)のメリット
効率的に3次元で設計を行う手法としてBIMは一般的にメリットがある。特にオブジェクトの標準化と集約化には次のメリットがある。
 
・BIMを利用する際に繰り返し利用する部材・製品等を、あらかじめ作成してライブラリーとして共通に利用できる形式にしておくことは、作業の効率化につながる。
 
・オブジェクトに格納する情報の内容、配列が共通化・標準化していれば、建築物のライフサイクルにわたるプロセスで、技術計算、資産管理等の幅広い業務で効率化が図られ、また異なる組織間での情報伝達が円滑に進む。
 
・情報の内容、配列が共通化・標準化していれば、設計・生産の各業務におけるBIMを中核としたソフトウェア利用が進みICT活用の活性化が期待できる。
 
(3)オブジェクト標準の確立のための技術的な合意
建築部会、設備部会での検討を整合させて、BIMオブジェクトの標準化を図るために、2017年3月に両部会の主要メンバーによる合同会議を開催し、プロジェクトの段階、情報の内容等に関する合意事項を作成し、了解した。その後若干の修正はあるが、基本的にはこれに基づいている。合意事項は、
 
①オブジェクトには、メーカーに依存しないジェネリックオブジェクトとメーカーオブジェクトがある。
②形状、情報の詳細度は図-3に示すものを標準とする。
③情報は、必須項目、推奨項目、その他項目(メーカーのこだわり情報)に分類し、記載する(表-1)。
④海外対応は、英語表記、分類のOmniClass等との対応、用語定義の共通化(bSDD)等である。
 



図-2 プロジェクト段階とBIMオブジェクト標準(形状、情報の詳細度)




図-3 BLC標準の基本的なデータ構造




 

BLC標準

(1)目的 
この標準は、日本国内のプロジェクトで使用されているBIMオブジェクトのデータ構造を標準化して、プロジェクト、企業の枠組みを超えて活用できることを図ったものであり、BIM活用の効率化によってi-Constructionで提唱する建設生産性の向上に寄与するとともに、将来のデジタル・ガバメント(電子政府)、デジタル社会(Society5.0)の構築に貢献することを目的とする。
 
(2)適用範囲、形状情報の詳細度、データの基本的な構造
BLC BIMライブラリーで利用を予定する、建築物と敷地を含む付帯施設を構成する材料、機器、製品、什器等を対象とする。具体的な対象について下表に示す。
 






 
BLC BIMライブラリーに使用されるBIMオブジェクトに関するBLC標準のデータの基本的な構造を図-3に示す。なおデータ構造以外のNBS BIMオブジェクト標準に示される内容は、基本的には、NBSのBIMオブジェクト標準version2.0によるものとする。
 
なおBIMオブジェクトは、ジェネリックオブジェクト、メーカーオブジェクトがあり、さらに製品のタイプにより、製品等のコンポーネントタイプと建築の床・壁等のレイヤードタイプもある。
 
(3)BLC標準の特徴
BLC標準の特徴を次に示す。

 
a) 3D(BIM)だけでなく、2D CADへも対応できる
b) 属性によるオブジェクト検索が可能
c) データ構造が国際的な対応が可能
 
a)は、Stemの特性を承継したことにより、BIMだけでなく、2D CADへの対応も可能である理由を、図-4に示すが、形状と属性とはIDにより関係付けられているため、属性情報をオブジェクトに内蔵するオブジェクトはBIMだけで利用するが、形状と属性とが別々でIDによって結ばれたStemの延長のオブジェクトがあり、結果的に2D CADでも利用可能となる。
 

図-4 Stemでの形状と属性との関係




 
b)は、a)と同じ理由であるが、オブジェクト情報を外部にも置き、ジェネリックオブジェクトとメーカーオブジェクトが同じ情報構造を持つことで可能になっている。これはExcelでの検索と同じである。
 
c)は、当初から技術的には国内に合わせるが、オブジェクトは将来国際的にも適用できることを視野に開発を進めてきたところである。このためデータ構造は対応可能であるが、今後の検討課題として、用語の定義が同じかを確認する作業が必要であり、これはbuildingSMART Internationalで検討が始まっているbSDD( buildingSMARTData Dictionary)の議論である。
 
 

BIMライブラリー構築に向けての活動

今後のスケジュールの主要な内容は、
 
・BLC標準に基づくオブジェクトの作成(現在あるものの改良を含む)
・BIMライブラリー構築に向けた基本要件の設定
 
の2点である。これらの活動を「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」「BIM オブジェクトライブラリの運用システムの試作検討業務」を通して建築研究所と連携を取りながら実施するとともに、別途議論されている建築確認へのBIM活用とオブジェクトレベルでどのような連携を図れるかが、今後のBIMの社会実装に重要な要素であり、またBLC BIMオブジェクトを核とした情報プラットフォームの構築が、建設生産性向上への鍵となると考えている。
 

図-5 今後のスケジュール



 
 

(一財)建築保全センター保全技術研究所長(兼)BIMライブラリーコンソーシアム事務局長 
寺本英治 

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2019
特集2「進化するBIM」



 

 

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