• お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

建築資材、土木資材をはじめとした建設資材、機材、設備、工法等の
データを収録し、スピーディな検索を実現した建設総合ポータルサイト

建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 施工BIMの今 −不二サッシにおける施工段階のBIM対応−

 

はじめに〜施工BIM以前

当社は2010年10月よりBIM対応に取り組み始めた。当初は、施工段階におけるBIMの取り組み方として、「製作図作成・サッシ製作と連携するために、3次元モデルは詳細に作成するもの」と信じていたため、その作成に当たっては、施工図レベルの詳細度で作成することに注力した。
 
しかし、データが重くなることや、製作図との連携ができなかった(工程の関係上、製作図作成が先行し、モデル作成が後追いになった)ため、BIMに取り組むということが自社にとって何の役に立つのかという疑問だけが大きくなっていった。
 
 

Modeling 〜施工BIM

2015年6月、セミナー「施工BIMのインパクト」に参加し「施工BIM」の存在を知る。各業者が作成した3次元モデルの統合データを確認しながら、調整や打合せを行って合意形成したのち、製作図を作成するという作業の進め方である。調整作業(主に干渉チェック)に支障がなければ、詳細なモデルを必要としないこと、使用ツールをそれほど限定されない(当然だが関係者間合意の上)ということは、施工段階のBIM対応への疑問を解消するには十分であった。
 
その後「施工BIM」の物件対応を行う機会が少しずつ増えてきた。その幾つかの事例を以下に紹介する。
 
 
【事例1】
当社施工:スチールカーテンウォール
関係工種:鉄骨 躯体 昇降機 設備
使用ツール:AutoCAD
提出データ形式:ifc(dwgを変換)
 
2フロアにまたがる昇降機周りに関係する工種間の干渉チェックと調整作業。
 
モデル作成時間短縮のため、使い慣れたAutoCADを使用した。上階床下の鉄骨は、昇降路開口に平行でなかったため、フロア間に取り付け予定のパネルが納まるかどうか気にしていたが、統合データを確認すると干渉していることが分かった。解決策としてパネルの形状を変更する案を提案した(図-1)。
 
解決案を容易に思い付くことができたことが、統合データを確認することの効果だと感じている。
 

図-1 (左:調整前 右:解決案) ※透過表示




 
【事例2】
当社施工:アルミサッシ
     アルミカーテンウォール
関係工種:鉄骨 躯体 設備
使用ツール:AutoCAD
提出データ:ifc(dwgを変換)
 
ほぼ全ての業者が参加する本格的な施工BIM物件。
 
製作図の作成とモデル作成は同時進行となってしまったが、モデル作成時に必要と思われた場合は2次元の図面も作成し、製作図へ反映できるようにした。
 
調整会議については、事前に配布される干渉チェックリストを確認することで、当社の関係する干渉部分についての回答を用意することができた。また、当社が他業者に依頼したい事項がある場合、調整会議で検討事項として挙げることで、依頼をスムーズに伝えることができた。
 
統合データ確認の効果は、事例1と同様「見て、直感的にどうしたらいいかが分かる」ことにあるが、がらりと設備ダクトの調整において、単に2者間だけでの調整ではなく、その下部に存在する庇の調整も必要になることが統合データを確認することで分かり、その後設計者を含めての調整作業を行ったことが、大きな効果であったのではないかと思う(図-2)。
 
反省点としては、AutoCADで作成した3次元モデルの修正作業に手間取ったこと。RevitやARCHICAD等、パラメータで修正可能なモデルが作成できるものを使用すべきだと感じた。
 

図-2 (左:調整前 右:調整後)




 
【事例3】
当社施工:アルミサッシ
関係工種:鉄骨 躯体 設備
使用ツール:Revit
提出データ:ifc
 
本例もほぼ全ての業者が参加する施工BIM物件。
 
事例2での反省を踏まえ、モデル作成にRevitを使用した。それ以外の調整作業(調整会議への参加・質疑応答など)については事例2と同様の対応を行った。
 
その他、モデル作成による自社内での利点を探るべく、次のような活用を試みた。
 
①Revitの機能で立面図・平面図を作成し、サッシの位置やサイズの確認に使用した。
 
②Revitの集計機能により、サッシ数量・窓符号名・サイズを集計しこれらの確認に利用した。(①,②とも図-3参照)
 
こうした活用は、BIM専用のツールを使用してモデルを作成したからこそできることである。作成モデルを活用してその効果を引き出すためには、BIM専用のツールを使用するべきなのだと実感した。
 

図-3




 

Information〜情報の活用

モデル(形状)を活用するのが「施工BIM」であるのに対し、BIMのもう一つの要素「情報」を活用する取り組みも紹介する。
 
(株)長谷工コーポレーション様と、BIMモデルのデータをサッシ製作に活用するための取り組みを2015年より行っている。その最終目標は、BIMモデルのデータの確認をもって承認行為とすること、そのデータをサッシ製作図作成やサッシ本体の製作に活用することで、サッシ製作までに要する時間を短縮することにある。
 
 
主な取り組みは次の5項目である。
 
①BIMモデルに入力するデータの選定・追加
 
②BIMモデルに入力されない、共通仕様的な情報の整理と提供形式の検討
 
③製作図に含まれる建具配置図で必要となる平面図の提供方法(①〜③は主に(株)長谷工コーポレーション様側の作業・当社は打合せでの意見交換)
 
④抽出データを整理し、サッシ製作に必要な情報を追加して製作図を作成する仕組みづくり
 
⑤サッシ製作図より、製作のための情報を作成する仕組みづくり(④⑤は当社側で行う作業)
 
①と②については、製作図作成に必要な情報のうち、BIMデータに存在するものとしないものを洗い出し、存在しないものの追加が可能かどうかを確認した。次に設計段階でのデータ入力が可能かどうかを協議・検討した。データの中には設計者が決定できないもの、サッシメーカー側で決定しているもの、項目があっても利用されていないものなどがあったため、データを利用する他のサッシメーカーの意見も含めて、製作図作成に利用できるデータの集約をしていただいた。
 
サッシの取り付け部位や開口形式などが同じものに共通する情報に関しては、サッシメーカー共通の仕様書を制定していただき、設計段階で該当項目を選択・入力した情報を活用することとした。
 
③については、BIMモデルから各階平面図の2次元データを作成できるよう対応していただいた。
 
④,⑤であるが、建具配置図上の窓符号に、製作図に必要な情報を属性としてデータ入力し、これらを抽出し整理することで製作図を作成するシステムを自社内で構築しており、さらに一部製品については、その製作図からサッシ製作手配システムへ必要な情報を渡すことが可能となっている。このシステムを、次の4点について変更を加えることで対応した。
 
・BIMデータを基に動作する。
・BIMデータならではの情報(窓符号利用時にはなかった情報)を、製作図作成に反映させる。
・BIMデータで得られない情報や、当社が決定すべき情報が追加できる。
・BIMデータを基に、建具配置図に配置する窓符号を作成させる。
 
 
①〜⑤の取り組みにより完成するシステムの概要を図-4に示す。
 
このシステムにより、現行作図における手作業(建築図・仕様等の確認)を削減し、短時間で正確な情報に基づいた図面の作成を可能にすることが期待される。これは、設備施工一貫のBIMを実施していることにより可能となったと言える。
 
取り組み作業は常に順調なものではなかったが、関係者の努力により実施物件対応ができる段階まで到達することができた。現在、実運用に向け、実施物件にて検証中である。
 

図-4




 

おわりに

紹介した事例や取り組みは、施工段階におけるBIM対応の一つの例であり、今後、ツールや手法の進化に伴い対応方法も変化していくと思われる。こうした進化を取り入れながら、BIM対応による効果(特に自社内における効果)を得ることができる最適な方法を探し続けていかなければならないと考えている。
 
 
 

不二サッシ株式会社 設計統括部 設計業務部 システムグループ 茶碗谷 賢

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2019
特集2「進化するBIM」



 

 

同じカテゴリの新着記事

メルマガ登録

最新の記事5件

カテゴリ一覧

バックナンバー

話題の新商品