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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 土木施工単価 > 魅力ある公的施設・インフラのさらなる公開・開放に向けたインフラツーリズムの推進

 

1 はじめに

インフラは日常の生活や経済活動を支え,まち並みの整備で地域をより魅力的な観光地にしたり,交通網の整備で観光地へのアクセスを向上させたりと,観光をはじめとした地域経済の活性化および持続的な存続に重要な役割を果たしている。
 
またインフラそのものも,厳しい自然と向き合い,豊かな暮らしを生み出すために,それぞれの土地に合わせたさまざまな技術が活用されており,現場見学会として技術的な観点からの学びの場の対象となったり,機能美や存在感に対し昔から根強いファンがいたりと,本来の用途以外の役割も担っている。
 
近年では,観光産業を我が国の成長に資する基幹産業とするため,政府全体で観光施策に取り組んでおり,「非日常」を感じることのできるインフラ施設そのものを地域固有の観光資源として活用する「インフラツーリズム」の取り組みが各地で行われている(写真−1,2)。
 
スマートフォンやSNSの普及で個人の情報発信が世界へとつながるなかで,映える写真を撮ることが旅行の目的の一つにもなっており,インフラツーリズムも新たな展開を迎えている。
 

【写真−1 宮ヶ瀬ダム(神奈川県)】


 

【写真−2 明石海峡大橋(兵庫県)】




 

2 インフラツーリズムと観光

「観光は,真に我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱である」との認識の下,「観光資源の魅力を極め,地方創生の礎に」といった視点を柱に立てて,「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しており,政府全体で観光施策に取り組んでいる。
 
観光ビジョンの施策の一つとして,「魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放」を挙げており,公的施設として,たとえば東京・赤坂や京都の迎賓館では,年間数日に限定されていた一般公開を,接遇等に支障のない範囲で可能な限り通年で公開・開放を行っており,人気を博している。
 
インフラも公的施設の一つとして,観光を通じた地域振興に資するべく,非日常の中で「本物」を楽しめる「インフラツーリズム」を各地で実施している。
 
埼玉県にある首都圏外郭放水路(写真−3)は,その様子から「地下神殿」とも呼ばれ,普段は見ることのできない地下施設のなかで大きな柱が並ぶ大空間は,まさに「非日常」の空間である。非日常を味わいたい,見てみたい,と年間2万人を超える見学者が来場している。
 

【写真−3 首都圏外郭放水路(埼玉県)】




 

3 インフラツーリズムのこれまでの取り組み

(1)インフラツーリズムポータルサイト

全国のインフラツアーをまとめたポータルサイトを平成28年1月に開設し,各地で行われているインフラツアーの情報を定期的に更新・発信している。
 
ポータルサイト開設時には現場見学会は246件,民間主催ツアーは3件であったが,平成30年9月には現場見学会は360件へ,民間主催ツアーは49件へと件数が伸びている(図−1)。
 
また,全国のインフラツアーを紹介するインフラツアーパネルを作成し,ポータルサイトへ掲載している。パネルは,テーマごとに9分類し,一般の方に分かりやすいよう工夫をしている(表−1,図−2
 

【図−1 ポータルサイト掲載件数】


 

【表−1 パネル分類のテーマ】


 

【図−2 インフラツーリズムパネル例テーマE:津軽ダム(青森県)】



(2)インフラツーリズムFacebook

前述のポータルサイトは,ホームページでの「プル型」の広報であるが,インフラツーリズムに興味を持つ人とその周囲への情報展開を図るため,SNSを用いた「プッシュ型」の広報として,インフラツーリズムFacebookページを立ち上げた(図−3)。各ツアーの開催情報や体験談をよりタイムリーに扱うなど,今後もページの充実を図っていきたい。
 
また,SNSでは,ハッシュタグを付けるとそのテーマに沿った投稿が検索できるため,各管理者のFacebookページ等でも「#インフラツーリズム」で投稿し,フォトジェニックな写真を共有してインフラツーリズム推進の機運を高めていただきたい。
 

【図−3 インフラツーリズムFacebookページ】



(3)インフラツーリズムワークショップ

産学官の有志からなる「インフラツーリズム推進会議」を組織し,一般の方々に向けた取り組みとして,2年連続でポスターセッション&ワークショップ「みんなで楽しもう!インフラツーリズム −ダム・橋・トンネルの見方・楽しみ方」を昨年11月に二子玉川で開催した(図−4)。各地で行っているインフラツアーの取り組みについて,施設管理者や民間事業者からの発表や,パネルトークを行った。インフラツーリズムが観光の目的地の一つとして広く一般に認知されるよう,今後もさまざまな広報活動を展開していきたい。
 

【図−4 イ ンフラツーリズムポスターセッション&ワークショップ】




 

4 インフラツーリズム有識者懇談会

(1)有識者懇談会の設置

インフラツーリズムの取り組みが活発化し,多くの来訪者を集める魅力的な施設も増えてきている一方,インフラの魅力を十分に生かせていない施設も多数存在する。このため,インフラを観光資源として活用するインフラツーリズムの付加価値を高め,地域や民間と連携した新たなインフラツーリズムを育て,展開していくために必要な方策を幅広く議論することを目的に,「インフラツーリズム有識者懇談会」を設立した。
 


インフラツーリズム有識者懇談会委員
(五十音順,敬称略)
・阿部 貴弘 日本大学理工学部 教授
・河野まゆ子 株式会社JTB総合研究所 主席研究員
・篠原  靖 跡見学園女子大学観光コミュニティ学部准教授
・清水 哲夫 首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授


インフラツーリズムの現在の取り組みや課題を整理するとともに,今後インフラを「観光資源」としてレベルアップし,地域活性化につなげていくための方策について議論していく。
 

(2)インフラツーリズムのニーズ

WEBアンケートでインフラツーリズムの認知度調査(回答総数1,000人)を行ったところ,「インフラツーリズム」という言葉を知っている人は全体の約16%であり,まだまだ認知度は低い状況である。
 
また,インフラツーリズムの写真を見せ,「インフラの見学をしたいか」という質問には約72%が「見学したい」と回答しており,ニーズはあるもののさらなる広報の実施と,インフラの観光資源としての磨き上げが必要であることが分かった(図−5)。
 
また,訪日外国人旅行客が訪れる観光案内所で行ったヒアリング調査では,インフラツーリズムに興味がある人は全体の約87%であった(写真−4)。
 

【図−5 インフラツーリズムの認知度調査


 

【写真−4 訪日外国人旅行者へのヒアリングの様子】



(3)インフラ施設の見学者数

ポータルサイトで取り上げた施設での見学者数は,平成29年度は約160万人であった。この中には,既に観光と一体となって運用されている灯台・湾内クルーズが含まれており,本懇談会では,灯台・湾内クルーズを除く年間約50万人を,今後のより一層の活用拡大を検討していく対象とし,来訪者の拡大を検討していく(図−6
 

【図−6 ポータルサイト掲載施設の見学者数
(灯台・湾内クルーズを除く)(H29年度)】




 

5 おわりに

我が国における観光資源は自然や文化,食など,多種多様にあるが,地域の自然環境・文化に対応したインフラもまた地域固有の資源である。そういった資源を掘り起こし,地域づくりの一助となるよう,今後も地域と連携したインフラツーリズムを推進していくとともに,インバウンド対応も視野に入れた環境整備を行っていく必要がある。
 
【インフラツーリズムポータルサイト】
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/infratourism/

 

 
 

【インフラツーリズムFacebook】
https://www.facebook.com/mlit.infratourism/

 



 
 

国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課

 
 
 
【出典】


土木施工単価2019春号



 

 

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