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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 国土交通省における i-Construction拡大に向けた取り組み

 

はじめに

我が国は,現在,人口減少社会を迎えていますが,潜在的な成長力を高めるとともに,新たな需要を掘り起こしていくため,働き手の減少を上回る生産性の向上等が求められています。また,産業の中長期的な担い手の確保・育成等に向けて,働き方改革を進めることも重要であり,この点からも生産性の向上が求められています。社会全体の生産性を高め,人々の成長期待を高めることができれば,企業の設備投資や賃上げ,さらには個人消費の拡大が促されます。これが一時的な需要の喚起にとどまらない持続的な経済長につながり,さらにその成果が働く人に分配されることによる好循環が期待されます。我が国は,現在,人口減少社会を迎えていますが,潜在的な成長力を高めるとともに,新たな需要を掘り起こしていくため,働き手の減少を上回る生産性の向上等が求められています。また,産業の中長期的な担い手の確保・育成等に向けて,働き方改革を進めることも重要であり,この点からも生産性の向上が求められています。
 
社会全体の生産性を高め,人々の成長期待を高めることができれば,企業の設備投資や賃上げ,さらには個人消費の拡大が促されます。これが一時的な需要の喚起にとどまらない持続的な経済成長につながり,さらにその成果が働く人に分配されることによる好循環が期待されます。
 
こうした観点から,国土交通省では,平成28年(2016 年)を「生産性革命元年」と位置づけ,先進的な取り組みとして「生産性革命プロジェクト」を実施しています。「i-Construction」は,生産性革命プロジェクトの主要施策の一つです。今年は,生産性革命「貫徹の年」と位置づけられており,i-Constructionについても成果を結実させていきます。こうした観点から,国土交通省では,平成28年(2016 年)を「生産性革命元年」と位置づけ,先進的な取り組みとして「生産性革命プロジェクト」を実施しています。「i-Construction」は,生産性革命プロジェクトの主要施策の一つです。今年は,生産性革命「貫徹の年」と位置づけられており,i-Constructionについても成果を結実させていきます。
 
 

1. これまでの取り組みについて

国土交通省では,これまで調査・測量から設計,施工,維持管理の各建設生産プロセスにおいてICT 等の導入を進めてきました。

1-1 調査・測量

レーザスキャナの技術開発,小型化が進み,ドローン等のUAV(無人航空機)に搭載可能な製品が登場してきたことから,平成30年(2018年)3月に「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」等を策定し,3次元測量に取り組んでいます。

1-2 設計

3次元設計(BIM/CIM)を導入することで,建設生産・管理システム全体を見通した施工計画,管理などのコンカレントエンジニアリング,フロントローディングの考え方を実施していくことが可能となります。
 
3次元設計については,平成24 年(2012年)度から橋梁やダム等を対象に導入し,着実に実施件数を伸ばしています。平成30年(2018年)年度からは原則,大規模構造物における詳細設計について,BIM/CIM の活用を導入することとしています。

1-3 施工

①ICT 施工
3次元設計データを用いて自動制御可能なICT建機により施工し,3次元データで現場の施工管理等を行うICT施工を,平成28年(2016年)度に土工に導入しました。平成28年(2016年)度は全国で584件の直轄工事でICT土工を実施し,平成29年(2017年)度は815件の工事に拡大しました。
 
ICT土工を実施した工事を調査したところ,のべ作業時間の平均で約3割の削減が確認されています。
 
平成29年(2017年)度からは,舗装の際の整地を自動制御するグレーダを活用した「ICT舗装工」や,港湾の浚渫工事において海底地形を3次元データで把握し,施工・検査に活用する「ICT浚渫工」などに着手しています。
 
 
②コンクリート工の効率化
現場施工の効率化を図るため,流動性を高めた現場打ちコンクリートの活用や機械式鉄筋定着・継手工法の採用を進めてきました。また,埋設型枠やプレハブ鉄筋などのハーフプレキャスト工の活用を促進し,現場作業の省力化を進めています。
 
さらに,プレキャスト製品の採用率が低い大型構造物への導入を目指し,課題となっているプレキャスト製品継ぎ目の鉄筋継手工法などの検討を進めています。
 
今後も,生コン情報などの施工関連情報の電子化による出荷状況のリアルタイム把握や,部材の仕様(サイズ等)の標準化を進め,サプライチェーンマネジメントの実現を目指していきます。

1-4 維持管理

維持管理の高度化を見据え,ドローン等のロボットにより正確な3次元位置情報を付した点検画像を取得し,3次元モデルを介して蓄積するため,平成30年(2018年)3月に「点検記録作成支援ロボットを用いた3次元成果品納品マニュアル(案)(トンネル編,橋梁編)」を策定し,平成30年(2018年)度から試行を実施しています。
 
今後,これらのデータを活用してAI等による変状検知機能を開発し,効率的な公物管理の実現を目指していきます。
 
このように,調査・測量から設計,施工,維持管理の各建設生産プロセスにおいて,3次元データを活用する体制を整えてきているところです。今後は,これらの3次元データを繋ぎ,新技術,新工法,新材料の導入,利活用を加速化していきます。(図−1
 
なお,3次元データの標準化を図るにあたり,bSI(building SMART International:構造物の3次元モデルデータ形式であるIFCの策定などの国際標準化に関する活動を行う組織)の国際標準化の動きとも連携していきます。
 
さらに,民間や他機関の持つデータとも相互に連携することによって,シナジー効果を生み出し,民間におけるイノベーションを促進していきたいと考えています。
 

図−1 i-Constructionの「深化」



2. i-Constructionの「貫徹」に向けて

2-1 ICTの全面的活用

工事におけるICTの活用については,主要な工種においてICTの導入を進めてきたところです。しかし,一般的な工事である道路改良工事や河川改修工事で見てみると,ICTの導入は一部の工種に限られています。
 
そこで,道路改良工事や河川改修工事においてICTを全面的に活用するため,当該工事で通常行われる地盤改良工,法面工,付帯構造物設置工の基準類を整備し,工事全体を3次元データで管理できるようにします。(図−2図−3
 

図−2 ICTの全面的活用(道路改良工事)


 

図−3 ICTの全面的活用(河川改修工事)



2-2 モデル事務所の指定

①i-Constructionモデル事務所
集中的,継続的にBIM/CIM を活用し,3次元データの活用やICT等の新技術の導入を加速化するため,各地域に11の「3次元情報活用モデル事業」を指定しました。
 
このモデル事業を実施する10の事務所を「i-Construction モデル事務所」と位置づけ,3次元データの活用を前提とした事業プロセスの改善に取り組み,建設生産・管理システム全体の効率化に向けた不断の改善を目指します。(図−4
 

図−4 モデル事務所,サポート事務所




②i-Constructionサポート事務所
2-1に記した工事全体でICTを活用する「ICTFull活用工事」を試行するなど,積極的な3次元データの活用等を推進し,i-Constructionの普及・拡大を促進します。
 
また,3次元データスペシャリストを育成し,i-Constructionのサポート体制を充実するとともに,地方公共団体や地域企業のi-Constructionの取り組みをサポートする相談窓口を設置します。

2-3 ICT普及のための積算基準の見直し

ICT施工のさらなる普及を図るため,コスト面でICTの導入が進んでいなかった小規模土工(掘削)において,現行の施工土量5万㎥,1 万㎥による区分に加え,新たに5,000㎥未満の区分を設定しました。
 
また,新技術導入等に要する現場経費(外注経費等)の増加を踏まえ,最新の実態を反映し,全工種区分の現場管理費率を改定しました。
 
その他,2-1で記した地盤改良工(浅層,中層混合処理),法面工(吹付工),付帯構造物設置工にICTを導入した場合の積算基準を新設しました。
 
 

3. 新技術の開発・導入

建設現場の生産性向上のためには,さらなる新技術の開発・導入が欠かせません。そのためには,新技術の開発を民間に期待するだけではなく,官民が連携して研究開発に取り組む必要があります。

3-1 i-Construction推進コンソーシアム

i-Construction推進コンソーシアム(以下,「コンソーシアム」という)は,さまざまな分野の産学官が連携して,革新的な技術の現場導入や3次元データの利活用などを進めることで,生産性が高く魅力的な新しい建設現場を創出することを目的としており,会員は約1,000者にのぼっています。
 
コンソーシアムには,全体のマネジメントを実施する企画委員会と,3つのワーキンググループ(以下,「WG」という)を設置しており,その中の一つの技術開発・導入WGでは,最新技術の現場導入のための新技術発掘や企業間連携を促進することを目的に,建設現場の生産性向上に関する行政ニーズや現場ニーズと,それに対する技術シーズのマッチングを行っています。現在は,各地方整備局において同様のマッチングを行っており,生産性向上に資する技術の導入に努めています。

3-2 技術研究開発予算

公共事業において,新技術の導入・活用を図るため,工事費等に上乗せして新技術の現場実証等を行う「新技術導入促進調査経費」を平成30年度予算で新たに計上しています。平成31年度予算では,測量分野等へも活用を拡大し,増額計上しています。
 
また,政府が科学技術イノベーションの創出に向けて平成30年(2018年)度に創設した「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」の制度を活用し,i-Constructionの取り組みにより建設現場で得られる3次元データを活用して,建設生産プロセスのさらなる高度化を図る研究開発を加速化させています。また,3次元データ等のインフラに関するデータを集約するプラットフォームの構築を進めています。
 
さらに,国土強靱化や戦略的維持管理,生産性向上等を中心としたインフラに係る革新的な産・学の研究開発を支援するため,平成30年度補正予算により,国立研究開発法人において政府出資を活用した研究委託制度を創設しています。(図−5
 

図−5 科学技術関係予算



3-3 i-Construction大賞

i-Construction に係る優れた取り組みを表彰し,ベストプラクティスとして広く紹介し,水平展開することにより,i-Constructionに係る取り組みを推進することを目的に平成29年(2017年)度に創設しました。
 
平成30年(2018年)度からは,地方公共団体等が発注した工事や業務,コンソーシアム会員の取り組みなどへ対象を拡大しており,直轄工事以外の先進的な取り組みを推奨しています。
 
 

おわりに

i-Constructionの導入により,建設現場に必要な技術の習得に要する時間が短縮されるとともに,危険の伴う作業や厳しい環境で行う作業も減少することが期待されています。また,生産性向上により安定した休暇の取得が可能になることで,建設現場において若者や女性などの多様な方々の活躍が期待されています。
 
さらに,3次元データを集約・蓄積することにより,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたSociety5.0の実現にも資すると考えています。
 
i-Constructionの取り組みにより魅力ある建設現場を作り出すことで,「きつい,危険,給料が安い,休暇が取れない」と表現されることもある現状を改善し,新たな「給与が良い,休暇がとれる,期待がもてる」建設現場の実現を目指していきます。

 
 
 

国土交通省 大臣官房 技術調査課 課長補佐  中西 健一郎

 
 
【出典】


積算資料公表価格版2019年6月号



 
 

 

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