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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 土木施工単価 > 湯田ダムを活かした地域の活性化

 
インフラそのものが地域固有の観光資源として注目され始めており,インフラツアーへの取り組みはさまざまな工夫を取り入れながら年々充実しています。各地で実施されたツアーの一部をまとめましたので,少しでも興味を持っていただければ幸いです。お住まいの地域に限らず,全国各地で実施されているインフラツアーに一度参加してみてはいかがでしょうか。
 
今号では,前号の『魅力ある公的施設・インフラのさらなる公開・開放に向けたインフラツーリズムの推進』に引き続き,東北地方整備局 北上川ダム統合管理事務所にご協力ただきました。『湯田ダムを活かした地域の活性化』についてご紹介します。
 
 

1.はじめに

湯田ダム水源地域の岩手県和賀郡西和賀町は,ダム建設当時,国内最大規模の移転(約3,200人規模)を伴いました。町の振興計画では,ダム完成後の町の発展を有畜農業と観光に求めようとするものでしたが,ダム完成後50年間で人口が約7割も減少し,過疎化(平成30年2月時点の人口5,807人)と高齢化(岩手県内第1位)が進んでいます。こうした背景の中で,湯田ダム(錦秋湖)を最大限に活かしながら,豊かな自然と温泉,町の特産品を組み合わせ,「町の魅力の発信や集客を図る」取り組みがスタートしました。湯田ダム管理支所・西和賀町・同観光協会・同産業公社を中心に,多くの町関係機関が連携しながら,地域資源を活かした地域活性化イベントを実施しています。
 
 

2.錦秋湖スプリング放流

湯田ダムは,昭和39年10月に完成した重力式アーチダムです(ダム高さ89.5m)。春には雪解け時の水位調整のためのクレストゲート(非常用)から放流を行う「錦秋湖スプリング放流」を開催しています。4月20日(土),21日(日)の2日間,今年も『錦秋湖スプリング放流inにしわが2019』を開催しました。天候にも恵まれ,2日間で約3,225人以上(昨年は2,800人)が来場しました(図−1)。また,毎年大人気の堤体内見学では,見学スポットにて迫力あるダム上部からの放流を真横で見ることができます(写真−1,2,3,4)。ものしり館下の『しぶきコース』の開放や発電体験など,さらにグレードアップしました。堤体内見学の電話予約優先受付でイベント前に見学予約が埋まり,職員の予想以上の来場者で,シャトルバスの運行が追いつかないなど,来場者様にご迷惑をお掛けした部分も多々ありました。今後のイベントの課題として改善していきたいと思います。
 

【図−1 スプリング放流来客状況】







【写真-3 宿泊者特典 案内内容】




【写真−4 宿泊者特典】



また,今回は西和賀町内の指定宿泊施設に平成31年4月19日(金)〜21日(日)の間,一泊以上宿泊された方に,堤体最頂部にあるクレストゲート(非常用)放流開始の瞬間を「ダム特別見学エリア」で鑑賞いただく特別特典を用意しました。東北初の地元温泉旅館施設とタイアップした宿泊者見学プランであり,大阪市からお越しいただいた方からも「こんなに近づける放流はめったにない。迫力もあり来て良かった」と満喫していただきました。
 
クレストゲート放流は計画規模を超える洪水の際に使用する非常用ゲートのため,普段は見ることができない放流です。放流の瞬間,来場者から大歓声が上がりました!
 
さらに,4月20日(土),初の試みとして「ナイト放流と堤体のカラーライトアップ」が行われました(写真−5)。これは,点検用の照明を活用しており,今年からのLED化により,光は水色や青,薄紫などを中心に次々と切り替わるシックな色合いを魅せました。
 
今回は,試験的に行われましたが,訪れた方から好評を博しており,今年の秋にも実施を検討しています。
 

【写真−5 シックな雰囲気のナイト放流】




今回イベント全般を通して,「大変満足〜やや満足」の満足度「98%」と多くの方々に喜んでいただけました(図−2)。
 

【図−2 来場者満足度アンケート結果】




 

3.錦秋湖大滝サマーLIGHTフェスティバルinにしわが

平成26年から実施されています「貯砂ダム(錦秋湖大滝)ライトアップ」(写真−6)。滝の裏側を通ってダムカード風撮影ポイントに移動できます(写真−7)。
 
来場者は,3,230名(平成30年度)と,平成29年度(2,400名)を上回る結果となり,多くの見学者から毎年実施して欲しいとの要望がありました。
 
全国初となる貯砂ダムカードも,タイアップイベントの効果により,希望者が2,100名以上と大盛況でした。
 
アンケート結果から,「また来年も来ます」「すごく楽しかった」など,97%を超える来場者から満足との評価をいただきました。
 

【写真−6 ライトアップ全景】


 

【写真−7 滝の裏側】




 

4.SUPによる湖水上散歩

SUP(サップ)とは,Stand Up Paddle Boardの略称で,サーフボードよりも広くて厚みのあるボードに立ち,パドルを使って進むハワイ発祥のウォータースポーツです。
 
SUPには,次のような特長があります。
 
①20分ほどの基本動作のレクチャーで誰でも乗ることができる。
②立ったり座ったり寝転んだり自由な体勢で楽しむことができる。
③体幹トレーニングにもなりフィットネス&アドベンチャーの融合スポーツである。
④見た目がオシャレで20代〜40代の女性を中心に大人気!
⑤お子様からおじいちゃんまで3世代で楽しめるNEW ウォータースポーツである。
⑥水上散歩という「非日常」を大自然で体感できる。
 
広大な面積を持つ錦秋湖は季節によって見所満載です。単なるSUPクルージングではなく,独自の自然や鉄道遺構等の資源をフル活用し期間限定でさまざまな名所を探検できます。そして周辺に複数の飲食施設と温泉施設があることが強みです(写真−8,9,10)。
 

【写真−8 SUP体験①(夏のライトアップSUP)】

【写真−9 SUP体験②(春の水没林SUP)】

【写真−10 SUP体験③(ダム建設で水没した旧国鉄横黒線の遺構を巡る夏〜秋のSUP)】




 

5.おわりに

町の歴史からは,観光面などを期待されダム建設が行われていたことが分かります。622世帯が移住した過去を忘れず,ダムができて良かったと思われることをやらないといけません。
 
湯田ダム(錦秋湖)の魅力は,自然に囲まれ,四季折々で全く違う姿を見せることです。放水を減勢するジャンプ台は全国でも珍しいなど,限られた時期だけ楽しめる独自の魅力もあります。令和元年7月27日(土),28日(日)には,錦秋湖大滝サマーLIGHTフェスティバルin にしわがを実施します。全国初の滝の内側から照らしながら色が変わるライトアップを湯田貯砂ダムで行います(表紙写真参照)。ぜひ,皆様のお越しをお待ちしています。
 
 
 

国土交通省東北地方整備局 北上川ダム統合管理事務所

 
 
 
【出典】


土木施工単価2019夏号



 
 

 

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