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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 土木施工単価 > 平成31年度 土木工事積算基準等の改定について

 

1. はじめに

国土交通省では,働き手の減少を上回る生産性の向上と担い手確保に向けた働き方改革を進めるため, 建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの推進等に取り組んでいます。
 
生産性革命「貫徹」の年である本年,公共工事の品質確保に関する受発注者の責務等を定める品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)の基本理念等に則るとともに,i-Constructionのさらなる推進や働き方改革に取り組める架橋の充実等を図る観点から,最新の実態を踏まえ,土木工事積算基準等の改定を行いました。
 
 

2. i-Constructionの貫徹

(1)ICT施工のさらなる普及(小規模施工の区分の新設)
 
国土交通省では平成28年度から建設現場の生産性革命「i-Construction」に取り組んでおり,土工を皮切りにICT施工の積算基準を整備してきました。ICT土工においては,延べ作業時間で3割程度の短縮効果が出ています。
 
今年はi-Construction貫徹の年として,取り組みを推進していくこととしています。中小企業を含むすべての企業が,これまで以上にICT施工に取り組みやすい環境を整備するため,土工において,平成30年度に設けた10,000㎡未満の区分をさらに細分化し,5,000㎡未満の区分を新たに設けました(図−1)。
 

図−1 小規模施工の区分の新設



(2)現場管理費の改定
ICT施工をはじめとする新技術を現場に導入するために要する現場経費の実態を踏まえ,全工種区分の現場管理費を改定しました(図−2)。
 

図−2 現場管理費の改定




 

3. 働き方改革に取り組める環境整備

(1)週休2日の補正係数
本年4月から改正労働基準法が施行され,時間外労働の上限規制が適用されることになりました。建設業については,適用まで5年の猶予はあるものの,その働き方改革は喫緊の課題です。このため,国土交通省では,直轄工事において週休2日に取り組む際の必要経費として,現場閉所の状況に応じて,労務費,機械経費(賃料),共通仮設費,現場管理費の補正を行っています。
 
これらの措置の結果,平成30年度は2,592件(平成31年1月末時点)の直轄工事において週休2日確保に取り組んでいただきました。平成31年度においても,補正係数を継続することとしました。
 
建設業の週休2日の推進には,こうした発注者側の補正係数の計上に加え,受注者による適切な支払いが大変重要です。受発注者双方が,それぞれの役割を果たしながら,建設業の週休2日確保の取り組みが進展することを期待しています(表−1)。
 

表−1 週休2日の補正係数



(2)週休2日交代制モデル工事の試行
建設工事の中には,通年の維持工事など,土日祝日を含めた作業が必要となり,現場閉所が困難な工事があります。こうした工事においても,技術者・技能労働者が交代しながら週休2日を確保した場合に,労務費の補正を行う「週休2日交代制モデル工事」を試行することとしました。これにより,建設業の働き方改革がさらに加速することを期待します(表−2)。
 

表−2 週休2日交替制モデル工事(仮称)の試行




 

4. 改正品確法を踏まえた積算基準の改定

(1)間接工事費の施工地域補正の適用工種拡大
沿道の工事制約条件が多い都市部における実情を踏まえ,下水道工事に新たな地域補正区分を設定します。具体的には大都市における下水道工事において,共通仮設費については1.5,現場管理費率については1.2の補正係数を適用することとしました(表−3)。
 

表−3 間接工事費の施工地域補正の適用工種拡大



(2)熱中症対策に資する現場管理費補正の導入
工事現場の熱中症対策に係る費用として,気候や施工期間を考慮した現場管理費の補正を行うこととしました(表−4)。
 
一方で,高温多湿の環境下では,現場で働く方々の健康管理に十分留意しながら工事を進めることが重要です。この点,「土木工事安全施工技術指針(平成29年3月,国土交通省)」や「建設現場における熱中症対策事例集(平成29年3月,国土交通省)」を参考にして適切な対策をとるとともに,施工期間の適正化に努めていくことが求められます。
 

表−4 熱中症対策に資する現場管理費補正



(3)被災地域における間接工事費の補正
東日本大震災被災地(岩手県,宮城県,福島県)及び熊本地震被災地(熊本県)では,工事量の増大により資材やダンプトラック等の不足による作業効率の低下に伴う間接工事費の補正等を,東日本大震災被災地では平成26年2月から,熊本地震被災地では平成29年2月から行っていますが,施工実態を踏まえ平成31年度も継続することとしました(表−5)。
 

表−5 被災地域における間接工事費の補正




 

5. おわりに

今回,i-Constructionや働き方改革の推進,品確法の理念に基づき適切な予定価格を設定するという観点から,土木工事積算基準の改定を行ったところです。今回の改定により,適切な利潤が確保できる積算につながり,建設業従事者が適切な賃金を確保し,やりがいや希望を持って働ける職場環境が整備されることにつながることを期待しています。
 
 
 

国土交通省 大臣官房 技術調査課 事業評価・保全企画官  辛嶋 亨(からしま とおる)

 
 
 
【出典】


土木施工単価2019夏号



 

 

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