- 2014-08-19
- 積算資料
再構築係長 門見 晋作
1.はじめに
下水道用設計標準歩掛表(通称「白本」という)は、下水道工事の特性を勘案した固有の積算基準として、
施工実態調査の結果に基づき標準的な施工が行われた場合の労務、材料、機械等の規格や所要量を定めており、
設計積算の際の参考図書として、全国の下水道工事の積算担当者に広く活用されています。
下水道用設計標準歩掛表は、昭和47年に管路施設編を策定・通知したことをはじめとし、社会環境の変化、各種工法の開発、
施工技術の向上・省力化など施工実態の変化に応じて積算基準および歩掛等の追加・改定等を行い、
昭和54年にほぼ現在の下水道用設計標準歩掛表の構成(表-1)となっています。
第1巻~第3巻は、施工実態調査に基づき、適宜歩掛の新規制定・改定を実施している一方、別冊参考資料については、
市場単価化された歩掛や、近年使用実績の少ない歩掛等について参考として掲載していましたが、
今般、内容精査の上、第1巻~第3巻に再編するなどして、別冊参考資料については廃止としました。
なお、下水道用設計標準歩掛表の改定に当たっては、下水道事業積算施工基準適正化会議等を通じ、
全国の下水道事業主体から積算に関する意見・要望等を取り入れ、
内容の充実を図るとともに下水道工事における適正な積算を確保するための条件整備に努めています。
また、下水道用設計標準歩掛表ならびにこれを補完する図書として、
「下水道用設計積算要領」が公益社団法人日本下水道協会から発刊されています。
2.平成26年度の改定概要
(1)第1巻 管路編
第1巻については、表-2に示すとおり4工種の新規制定および改定を行いました。
また、3工種については近年の使用実績も少ないことから廃止としました。
①開削工法編
開削工法編の「立坑掘削工」「軽量鋼矢板油圧圧入引抜工」「覆工」について、
前回の改定から一定期間経過したことから歩掛の改定を実施するとともに、
「覆工」については、覆工板の日々開閉に関する歩掛を新規制定しました。
②立坑編
「鋼製ケーシング式土留工および土工」について、
前回の改定から一定期間経過したことから歩掛の改定を実施するとともに、円形覆工板等の歩掛について新規制定しました。
これらの歩掛の施工フローおよび適用範囲を図-1に示します。
(2)第2巻 ポンプ場・処理場編
「地中連続壁工(壁式)」「地中連続壁工(柱列式)」「水替工」
「地下水低下工(ディープウエル工)」「既製杭工(中掘工)」について、
近年の使用実績も少ないことなどから、廃止としました。
3.おわりに
下水道工事の積算基準は、客観性・公平性・経済性の観点から市場の実態に的確に対応したものでなければなりません。
国土交通省では、今後も事業主体である地方公共団体の意見・要望を取り入れながら、
不調・不落の防止や工事品質の確保等の観点も踏まえつつ、積算基準の適正化に努めていきたいと考えています。
事業主体等におかれましても、施工実態調査や諸経費動向調査等、積算基準に係る各種調査にご協力いただくとともに、
下水道工事等の適正な執行がより一層推進されるよう、
下水道事業積算施工基準適正化会議等の活性化を図っていただきますようにお願いします。
【出典】
月刊積算資料2014年5月号
最終更新日:2014-08-19
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