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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 令和元年度 主要建設資材需要見通し

 

1.はじめに

国土交通省では,建設事業に使用される主要な建設資材の年間需要量の見通しを公表することにより,建設資材の安定的な確保を図り,円滑に建設事業を推進することを目的として,昭和51年度より「主要建設資材需要見通し」を毎年公表している。
 
本稿では,令和元年8月26日に公表した「令和元年度主要建設資材需要見通し」の概要を報告する。
 
 

2.対象建設資材

令和元年度主要建設資材需要見通しでは,「①セメント」,「②生コンクリート」,「③骨材,砕石」,「④木材」,「⑤普通鋼鋼材,形鋼,小形棒鋼」および「⑥アスファルト」の6資材9品目を対象とする。
 
 

3.需要見通し推計方法

令和元年度の主要建設資材の需要見通しは,「令和元年度建設投資見通し(国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室 令和元年8月13日公表)」の建築(住宅,非住宅),土木(政府,民間)等の項目ごとの建設投資見通し額(建築物リフォーム・リニューアル投資除く)に,建設資材ごとの原単位(工事費100万円当たりの建設資材需要量)を乗じ,さらに各建設資材の需要実績等を考慮して,令和元年度の主要な建設資材の国内需要の推計を行った。
 
 

4.令和元年度主要建設資材需要見通し

(1)概況(平成30年度および令和元年度)
平成30年度の主要建設資材の需要量実績は,同年度の建設投資見込み(名目値)が前年度比0.5%の増加で,うち建築部門は1.1%の増加,土木部門は0.3%の減少となり,平成29年度の実績値と比べて木材は減少となったが,その他の資材は増加となった。
 
令和元年度の主要建設資材の需要見通しは,同年度の建設投資見通し(名目値)が前年度比3.7%の増加で,うち建築部門は2.2%の増加,土木部門は6.3%の増加と見通されていることから,全ての資材において昨年度実績値と比べて増加と見通される(建築リフォーム・リフォームリニューアル投資を除く)。
 
令和元年度主要建設資材需要見通しは,図-1および表-1のとおりである。
 
図-1 令和元年度の主要建設資材需要見通し



 

表-1 主要建設資材の需要量実績値および推計値



 

(2)主要建設資材の需要見通し
①セメント,②生コンクリート
平成30年度における需要量実績は,セメントが前年度比1.7%増加の4,259万t,生コンクリートが前年度比2.1%増加の8,548万㎡であった。令和元年度については,セメントが前年度比3.3%増加の4,400万t,生コンクリートが前年度比2.9%増加の8,800万㎡ と見通される。
 
③骨材,砕石
平成30年度における需要量実績は,骨材が前年度比1.7%増加の23,957万㎡,砕石が前年度比1.7%増加の11,858万㎡となると推計される。
令和元年度については,骨材が前年度比3.1%増加の24,700万㎡,砕石が前年度比2.9%増加の12,200万㎡と見通される。
 
④木材
平成30年度における需要量実績は,前年度比1.1%減少の919万㎡であった。令和元年度については,前年度比3.4%増加の950万㎡と見通される。
 
⑤普通鋼鋼材,形鋼,小形棒鋼
平成30年度における需要量実績は,普通鋼鋼材が前年度比0.8%増加の2,091万t,うち形鋼が前年度比0.4%増加の478万t,小形棒鋼は前年度比3.3%増加の736万tとなると推計される。令和元年度については,普通鋼鋼材が前年度比2.3%増加の2,140万t,うち形鋼が0.4%増加の480万t,小形棒鋼が1.9%増加の750万tと見通される。
 
⑥アスファルト
平成30年度における需要量実績は,前年度比0.3%増加の124万tであった。令和元年度については,前年度比4.7%増加の130万tと見通される。
 
 

5.主要建設資材需要量の推移

主要建設資材の国内需要量推移を表-2および図-2に示す。各主要建設資材の需要量実績,需要見通しの対象は,次の(1)~(8)のとおりである。
 
(1)セメント
国内メーカーの国内販売量に海外メーカーからの輸入量を加えた販売等の量を対象としている。「内需量」=「国内販売量」+「輸入量」。
なお,表-2および図-2の平成30年度までは実績値で,(一社)セメント協会の「セメント需給実績」の値を用いている。
 
(2)生コンクリート
全国生コンクリート工業組合連合会組合員工場の出荷量とその他の工場の推定出荷量とを加えた出荷量を対象としている。「出荷量」=「組合員工場出荷量」+「その他工場推定出荷量」。
なお,表-2および図-2の平成30年度までは実績値で,全国生コンクリート工業組合連合会・協同組合連合会の「出荷実績の推移」の値を用いている。
 
(3)骨材
国内における供給量を対象としており,輸入骨材も含んでいる。
なお,表-2および図-2の平成28年度までは実績値で,経済産業省の「骨材需給表」をもとに算出した値である。平成29年度,平成30年度は推計値で,経済産業省の「砕石等統計年報」「砕石等統計四半期報」「骨材需給表」をもとに算出した値である。
 
(4)砕石
メーカーの国内向け出荷量を対象としている。
なお,表-2および図-2の平成29年度までは実績値で,経済産業省の「砕石等統計年報」「砕石等統計四半期報」をもとに算出した値である。
 
(5)木材
国内メーカーの製材品出荷量を対象としており,建設向け以外の量を含んでいる。また,製材用素材として外材を含んでいる。
なお,表-2および図-2の平成30年度までは実績値で,農林水産省「製材統計」の値を用いている。
 
(6)普通鋼鋼材 及び 形鋼
国内メーカーの国内建設向け受注量を対象としている。
なお,表-2および図-2の平成30年度までは実績値で,(一社)日本鉄鋼連盟の資料の値(国内向け受注総量から国内建設向け受注量を推計したもの)を用いている。
 
(7)小形棒鋼
国内メーカーおよび国内販売業者からの国内建設向け出荷量を対象としている。ただし,海外メーカーからの輸入量は含まれていない。
なお,表-2および図-2の平成29年度までは実績値で,経済産業省「鉄鋼需給動態統計調査」の値を用いて算出している。平成30年度は経済産業省「鉄鋼需給動態統計」を用いた推計値。
 
(8)アスファルト
国内メーカーの建設向けストレートアスファルト内需量のうち,燃焼用および工業用を除いた国内建設向け等内需量を対象としている。「建設向け等内需量」=「国内建設向け内需量」+「建設向け輸入量」。
なお,表-2および図-2の平成30年度までは実績値で,石油連盟の「石油アスファルト統計月報」の値を用いている。
 
 
表-2 主要建設資材の国内需要量実績の推移


図-2 主要建設資材需要量の年度推移



 

6.おわりに

「主要建設資材需要見通し」は,国土交通省のホームページ(統計情報のページ)で公表しているので参照されたい(http://www.mlit.go.jp/statistics/details/kgyo_list.html)。
 
 
 

国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課

 
 
【出典】


積算資料2019年10月号



 

最終更新日:2021-01-08

 

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