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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建築施工単価 > 唐津市の景観重要建造物について

 

1. はじめに

(1)唐津市の概要
唐津市は,佐賀県の北西部に位置し,人口約12万2,000人,総面積487.60㎢の都市で,美しく変化に富んだ自然と大陸との交流の歴史を背景に,農林水産業をはじめとする産業や伝統的な地域文化が育ち,優れた観光地としても発展してきました。
 
唐津湾沿いには,全長約4.5km,幅約500mの「虹の松原」があり,日本三大松原の一つに数えられ,国の特別名勝にも指定されています。
 


  • 【唐津市の位置】


  • 【鏡山から見た特別名勝「虹の松原」】


(2)唐津市の歴史と文化
唐津地方は,古来から大陸との交流が盛んに行われ,「魏志倭人伝」には「末盧国」(「まつろこく」もしくは「まつらこく」)として記述された地域であり,朝鮮半島や中国大陸からのさまざまな文化が取り入れられ,全国へ伝わったと考えられています。それを示すかのように,市内には数多くの遺跡があり,歴史を知る上での重要な文化財が多く出土しており,考古学的にも重要な地域となっています。
 
中世に活躍していた豪族たちの史跡も各地域に残っており,市の中心部には唐津城が築城された江戸時代からの区画や町割などが色濃く残っています。
 
また,国指定重要無形民俗文化財の「唐津くんちの曳山行事」や「呼子大綱引き」をはじめ,伝統的な祭りも各地域で守り引き継がれています。中でも,「唐津くんちの曳山行事」は,平成28(2016)年12月1日に18府県33件の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」として,ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
 
 
 

2. 唐津市の景観重要建造物

景観重要建造物とは,国土交通省令の基準によると,「地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,良好な景観の形成に重要なもの」とされており,唐津市では当該基準に基づき,地域の歴史や景観におけるシンボル的な建造物として,現在,三つの建造物を景観重要建造物に指定しています。
 
 

(1)唐津城天守閣


①概  要

 指定年月日 平成23年1月24日
 所 在 地 唐津市東城内8番1号
 範   囲 天守閣(延床面積:1,329.16㎡)
 所 有 者 唐津市

唐津城は,別名舞鶴城とも呼ばれ,唐津藩の初代藩主である寺沢志摩守広高(てらさわしまのかみひろたか)によって,慶長7(1602)年から同13(1608)年の7カ年をかけて築城された城です。唐津城には,天守台が築かれているにもかかわらず,天守閣が築かれたという明確な証拠が残されておらず,現在の天守閣は昭和41(1966)年に観光目的で建設されたものです。
 
唐津城の築城と,その城下町の建設によって唐津の町割の基礎がかたち作られ,現在でもその町割の姿が受け継がれています。
 
 

②景観的特徴
唐津市の中心市街地の北側に位置する城内地区は,石垣や土塀などからなる歴史的なまちなみや,水と緑に囲まれた潤いのある地区で,城下町としての風情を残す観光唐津を代表する空間になっています。
 
また,海,山,道路,河川など,市内各所に多くの視点場を持ち,唐津城は,この城内地区のシンボルとして市民はもちろん来訪者に親しまれている建造物です。
 
 
 

(2)旧中尾家住宅


①概  要

 指定年月日 平成23年1月24日
 所 在 地 唐津市呼子町呼子3750番地3
 範   囲 主屋,勘定場,角倉,離屋敷,裏二階(総延床面積:1,166.49㎡,敷地面積:1,474.42㎡)
 所 有 者 唐津市
 そのほかの 
 指   定 唐津市指定重要文化財 22世紀に残す佐賀県遺産

呼子は中世以来の港町ですが,江戸時代には捕鯨業の拠点,唐津藩の産物の集積地としてさらに繁栄しました。
 
旧中尾家住宅は,唐津藩の重要な産業であった捕鯨業を営んでいた鯨組の組主,中尾家の住宅として建てられました。とくに主屋は,建築年代が18世紀中期にさかのぼるといわれており,古い時代の町屋建築として貴重な建築物です。
 
主屋以外に現在残されている4棟の建物は,明治10(1877)年に中尾家から建物を譲られた山下家が酒造業を営むために建築したものですが,天保11(1840)年刊行の捕鯨図説「小川島鯨鯢合戦(おがわじまげいげいかっせん)」に描かれた屋敷地の鳥瞰図とよく符合しており,鯨組主当時の建物景観を踏襲して建てられていると思われます。
 
主屋,勘定場,繋(つなぎや)屋,新二階,裏二階,角倉,離屋敷の7棟からなっていましたが,現在は繋屋と新二階が老朽化のため取り壊され,主屋,勘定場,裏二階,角倉,離屋敷の5棟が残っています。
 
 

②景観的特徴
現在,呼子朝市が行われている松浦町は,中尾家の「新屋敷」と呼ばれていた前作事場の跡地であり,中尾家の廃業後にまちなみが形成された場所です。旧中尾家住宅は,その朝市通りを代表する建造物であり,港町呼子の歴史と景観をかたち作ってきたシンボル的な建造物です。
 
 
 

(3)旧唐津銀行本店


  • 【外  観】


  • 【1階 公衆室】


①概  要

 指定年月日 平成23年1月24日
 所 在 地 唐津市本町1513番地15
 範   囲 本館(延床面積:916.99㎡)
 所 有 者 唐津市
 そのほかの 
 指   定 佐賀県指定重要文化財 22世紀に残す佐賀県遺産

旧唐津銀行本店は,明治45(1912)年に建てられた銀行建築で,設計は,唐津出身の建築家辰野金吾(東京駅,日本銀行本店の設計者)の教え子であり,清水組(現在の清水建設株式会社)の技師であった田中実です。
 
唐津銀行の頭取大島小太郎は,唐津藩の英語学校,耐恒寮(たいこうりょう)で辰野金吾と共に学んでおり,建物の設計には辰野金吾が顧問として関与したといわれています。
 
当時の唐津地方は,炭鉱と,そこから産出される石炭の積み出し港として繁栄しており,石炭の輸送のために鉄道や港が整備されるなど近代化が進んでいました。旧唐津銀行本店の建物は,石炭によって繁栄していた近代唐津の象徴ともいえる建物です。
 
 

②景観的特徴
旧大通りの街角に建ち,煉瓦造りに当時最先端素材であったタイル張で,赤煉瓦調タイルに白い石を帯状にめぐらせ,屋根の上に尖塔をのせる,辰野式の特徴が見られます。
 
建物が位置する大手通りや周辺の中町通りの商店街は,大正・昭和のまちなみを再現したファサード整備を実施しており,地域の景観形成を特徴付けるシンボル的な建造物です。
 
 
 

6. おわりに

現在,景観重要建造物に指定している建造物は,どれもその地区のシンボル的な建造物であり,また,多くの観光客の方に訪れていただいています。
 
景観法上,景観重要建造物に対し,増築や修繕等の行為を行う際は,景観行政団体(唐津市)の許可や事前の協議が必要となります(通常の管理行為等の行為は除きます)。景観重要建造物としての外観を損ねないよう,今後も景観重要建造物の適正な維持・管理等を行い,保存と活用を図っていきたいと思います。

 
 
 

唐津市 都市整備部 都市計画課

 
 
 
【出典】


建築施工単価2020冬号



 
 
 

 

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