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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 建設分野の特定技能外国人の受入れについて

1 はじめに

中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため,建設分野を含む14分野において,一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を労働者として受け入れていく仕組みを盛り込んだ「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)」が平成30年12月8日に成立し,平成31年4月1日に施行されました。
 
今回,新しく創設された「特定技能」は,①相当程度の知識又は経験を有する外国人に対しては一定の手続きを経て,「特定技能1号」という通算5年,家族の帯同は不可とする在留資格が付与されます。また,②熟練した技能を有する外国人に対しては一定の手続きを経て,「特定技能2号」という在留期間の更新に上限を付さず,家族の帯同は可能とする在留資格が付与されます。この「特定技能2号」という在留資格については,現時点では「建設分野」を含む2分野のみで付与されることになっております。
 
本稿では,「特定技能1号」で在留する外国人(以下「1号特定技能外国人」という)を中心に解説をしていきます。
 
 
 

2 建設分野の特定技能外国人制度の概要

ここでは,(1)(一社)建設技能人材機構(以下「JAC」)への加入,(2)建設分野の特定技能外国人へのキャリアパス,(3)特定技能外国人を受け入れる建設企業(以下「受入企業」という)にご負担いただく受入負担金について,解説をしていきます。
 

(1)(一社)建設技能人材機構(JAC)への加入

特定技能外国人を受け入れるに当たり,受入企業は,JACの正会員である建設業者団体の会員となるか,又はJACの賛助会員となることのいずれかが必要です。
 
JACの正会員である建設業者団体は令和元年11月1日現在,表−1のとおり24団体あります。それぞれの団体が定める入会の手続き等を経る必要がありますので,詳細については,入会を希望する団体にお問い合わせください。
 
JACに賛助会員として入会を希望する受入企業におかれましては,①入会申込書,②履歴事項全部証明書,③印鑑証明書,④預金口座振替依頼書・自動払込利用申込書,⑤建設業許可等に関する申告及び誓約書などの各種書類に加えて,毎年,賛助会費として24万円をお支払いいただきます。詳細については,JACのホームページ(https://jac-skill.or.jp/)をご覧ください。
 

表−1(一社)建設技能人材機構(JAC)の正会員(24建設業者団体)



(2)建設分野の特定技能外国人へのキャリアパス(図−1参照)

令和元年度については,型枠施工,鉄筋施工,屋根ふき,左官,内装仕上げ,コンクリート圧送,建設機械施工,トンネル推進工,土工,電気通信,鉄筋継手の11技能に限って,一定の要件を満たせば,特定技能外国人になることができます。
 
令和2年度以降については,より多くの技能で,特定技能外国人を受け入れることができるよう,国土交通省を中心に関係する専門工事業団体などが現在,調整を進めております。
 

図−1 新制度創設による建設分野外国人材キャリアパス(イメージ)



①技能実習を経験していない外国人の場合
技能実習2号を修了していないなど,技能実習を経験していない外国人が特定技能外国人になるためには,海外で実施する技能試験と日本語試験の両方の試験に合格することが必要です。
 
技能試験については,技能検定3級や随時3級の水準に相当する「建設分野特定技能1号評価試験」(実施主体:JAC)に合格することが必要です。令和元年度は,ベトナムでは,型枠施工,鉄筋施工,屋根ふき,左官,内装仕上げ,コンクリート圧送,建設機械施工,トンネル推進工,土工,鉄筋継手の計10の技能試験を年度末に実施する予定です。また,フィリピンでは,電気通信の技能試験を年度末に実施する予定です。
 
日本語試験については,日本語基礎テスト(実施主体:(独)国際交流基金)又は日本語能力試験N4以上(実施主体:(独)国際交流基金及び(公社)日本国際教育支援協会)のいずれかに合格することが必要です。実施時期などの詳細については,それぞれの実施主体にご確認ください。
 
海外で実施する技能試験と日本語試験の両方に合格した外国人については,当該外国人の受入れを希望する建設企業との特定技能雇用契約を締結し,一定の手続きを経た後に,「特定技能1号」という在留資格が付与されます。さらにその後,熟練した技能を有する外国人については,班長としての一定の実務経験に加えて,技能検定1級又はこの水準に相当する「建設分野特定技能2号評価試験」(実施主体:JAC)に合格すれば,一定の手続きを経て,「特定技能2号」という在留資格が付与されます。
 
 

②技能実習を経験している外国人の場合
技能実習2号,技能実習3号又は特定活動(外国人建設就労者受入事業)を修了している外国人については,海外で実施する技能試験及び日本語試験が免除されます。このため,試験免除で特定技能外国人になることが可能です。受入れを希望する建設企業との特定技能雇用契約を締結し,一定の手続きを経た後に,「特定技能1号」という在留資格が付与されます。さらにその後,熟練した技能を有する外国人については,班長としての一定の実務経験に加えて,技能検定1級又はこの水準に相当する「建設分野特定技能2号評価試験」(実施主体:JAC)に合格すれば,一定の手続きを経て,「特定技能2号」という在留資格が付与されます。
 
 

(3)受入負担金

受入企業の皆様におかれましては,特定技能外国人一名につき毎月,表−2のとおりの受入負担金をご負担いただく仕組みとなっております。なお,この受入負担金は,直接的又は間接的を問わず,特定技能外国人に負担させてはいけません。
 
この受入負担金は,JACが行う有為な外国人材の選抜のための事前訓練及び技能試験の実施,試験合格者や試験免除者の就職・転職の支援並びに受入企業及び特定技能外国人に対する指導・助言,相談対応などの事業に充てられます。
 
JACの正会員である建設業者団体の会員である受入企業の皆様におかれましては,受入負担金のお支払いの方法の取扱いが団体によって異なりますので,詳細は,所属団体にお問い合わせください。また,JACの賛助会員である受入企業の皆様におかれましては,口座振替にてJACにお支払いいただく制度となっております。
 

表−2 受入負担金




 

3 1号特定技能外国人の受入れを希望する建設企業がすべきこと

ここでは,1号特定技能外国人の受入れを希望する建設企業がすべきことをフロー図とともに解説していきます(図−2参照)。
 

図−2 1号特定技能外国人の受入れを希望する建設企業がすべきこと(フロー図)



(1)会員証明書の発行申請

JACの正会員である建設業者団体の会員である受入企業は,所属団体に会員証明書の発行申請を行う必要があります(既に会員証が発行されている場合には不要です)。また,JACの賛助会員である受入企業は,入会承認時に会員証明書を発行しております。会員証明書(又は会員証の写し)は,次の3(2)に記載する国土交通大臣に対して建設特定技能受入計画を認定申請する際に必要となります。
 
 

(2)建設特定技能受入計画の作成と国土交通大臣に対する認定申請

1号特定技能外国人の受入れを予定している建設企業は,建設特定技能受入計画を作成し,国土交通大臣に対して認定申請を行うことが必要です。2(2)①で記載した海外で実施する試験を経た外国人を雇用する場合,又は2(2)②で記載した技能実習2号,技能実習3号又は特定活動(外国人建設就労者受入事業)を修了した外国人を雇用する場合,いずれの場合であっても,新たに特定技能雇用契約を結ぶ場合には,必ず国土交通大臣の認定が必要となります。建設特定技能受入計画の国土交通大臣の主な認定基準は次の①から⑥とされております。
 
なお,国土交通大臣の認定には2カ月程度を要するようですので,計画的にご準備することをお勧めいたします。
 
国土交通省のホームページに建設特定技能受入計画の申請に係る各種資料などの情報が公開されております。ご活用いただきますようお願いいたします。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000118.html 
 

〈建設特定技能受入計画の主な認定基準〉
①受入企業は建設業法第3条の許可を受けていること
②受入企業及び1号特定技能外国人の建設キャリアアップシステムへの登録
③JACへの加入および策定した行動規範の遵守
④同一技能同一賃金,安定的な賃金支払い(月給制),技能習熟に応じた昇給
⑤賃金等の契約上の重要事項の書面での事前説明(外国人が理解できる言語)
⑥国又はJACによる受入計画などの適正な履行に係る巡回指導の受入れ等
 

(3)1号特定技能外国人支援計画の作成

特定技能外国人制度においては,出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第2条の5第6項及び第19条の22第1項の規定に基づき,受入企業は,1号特定技能外国人が「特定技能1号」の在留資格に基づく活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上,日常生活上又は社会生活上の支援を実施する必要があります。そのため,受入企業は,「1号特定技能外国人支援計画」を作成し,各種基準に適合していることなどが求められます。
 
法務省のホームページに1号特定技能外国人支援に関する運用要領が公開されております。ご活用いただきますようお願いいたします。
 
http://www.moj.go.jp/content/001306062.pdf
 
 

(4)在留資格認定証明書交付申請等について

①海外から外国人を採用する場合
海外で実施する技能試験と日本語試験の両方に合格した外国人又は技能実習2号等を修了した後に帰国した外国人を1号特定技能外国人とするためには,地方出入国在留管理局に対し,在留資格認定証明書交付申請の手続きをする必要があります。その際に,上記3(3)で作成した1号特定技能外国人支援計画が必要となります。
 
なお,在留資格認定証明書の交付には一定程度時間を要するようですので,計画的にご準備することをお勧めいたします。
 
法務省のホームページに在留資格認定証明書交付申請書等が公開されております。ご活用いただきますようお願いいたします。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-1.html
 
 

②国内在留者から外国人を採用する場合
在留中の技能実習2号等を修了した外国人を1号特定技能外国人とするためには,地方出入国在留管理局に対し,在留資格変更許可申請の手続きをする必要があります。その際に,上記3(3)で策定した1号特定技能外国人支援計画が必要となります。
 
なお,在留資格変更許可には一定程度時間を要するようですので,計画的にご準備することをお勧めいたします。
 
法務省のホームページに在留資格変更許可申請書等が公開されております。ご活用いただきますようお願いいたします。
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2.html
 
 
 

4 おわりに

この特定技能外国人制度を正しく理解し,それぞれの建設企業が本制度を有効に活用することの一助となれば幸いです。
 
 
 
 

一般社団法人 建設技能人材機構 管理部長(兼)調査研究部長 
江口 大暁(えぐち ひろあき)

 
 
 
【出典】


積算資料2020年1月号



 

 

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