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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 情報伝達媒体・情報共有の改革−躯体施工図からデジタルデータへ−

 

情報化生産の取り組み開始

数年前に、施工部門でのBIM活用の検討を始めた頃、BIMの3次元のモデルがあるのに、成果物として2次元の躯体施工図を作成することに疑問がありました。その当時、BIMは情報を保持できるのに躯体施工図であまり活用できていなく、職長は躯体施工図の情報を読み取り、加工帳ソフトに手入力しているという実態があったからです。
 
製作物の情報化生産の取り組みでも同様に、製作図や承認図はなくなりますが、承認作業や情報を伝達する行為はなくなるわけではありません。承認作業の結果を伝える媒体が『躯体施工図』から『デジタルデータ』に変わるだけです。
 
 

情報伝達媒体の変化

情報伝達媒体の変化は過去にも起きています。私が入社した30年前は、手書きで躯体施工図を描き、職長が手計算で加工帳を書いていました。その後、手書きの躯体施工図がCADに変わり、また、その数年後、パソコンで作業する加工帳ソフトが登場しました。
 
ここで、紙からCADデータに媒体が変わりました。CAD時代の途中で、〇〇階の躯体施工図下さいと言っていた職長が、〇〇階の躯体施工図CADデータ下さいとCDを渡す時代に変わりました。躯体施工図が手書きからCAD、そしてBIMに変わったとき、職長は何が欲しいと言ってくるのでしょうか。
 
私はデータを活用できるようにしておきさえすれば、“何も言わない”のではないかと考えています。その理由として、職長は、加工帳ソフトにインポートするデータをクラウドからダウンロードし、活用することを描いています。入力手間がないので労務省力化、入力ミスがなくなる品質向上の成果も得られます。決められた期日までにデータをアップしていれば、職長は何も言いません。常に最新の情報がクラウドにある運用ができれば何も問題ないのです。
 
そこで、クラウドにアップする情報は誰宛てで、情報の種類・精度・量などがどのくらい必要なのかを整理することにしました。長谷工は、共同住宅に特化しているため、躯体施工図の情報伝達先は限られた人達に整理することができました。主要な工種は、鉄筋工事、型枠工事、電気工事、設備工事、墨出し工事、その他躯体と取り合う製作物および作業所所員に伝達されていました。電気工事、設備工事、その他製作物と作業所所員についてはBIMモデル上で情報連携する事を想定しているため、今後は躯体施工図から情報を得る必要がなくなります。次に、鉄筋工事、型枠工事、墨出し工事、作業所所員の情報伝達共有の取り組みについて紹介します。
 

躯体施工図情報の伝達媒体の変化




 

各工事の情報伝達手法化

鉄筋工事では、構造計算書などからのデータと設備電気からのスリーブ情報で統合BIMモデルを作成します。その中から鉄筋情報だけを加工帳ソフトに直接データを送る仕組みを構築しています。
 
型枠工事では、現在、躯体施工図を切り出しているBIMモデルにはコンクリートの増し打ち部や詳細形状が反映されているため、正確な躯体形状の情報が入っています。その形状情報を抜き出し、型枠割付ソフトに直接データを送る仕組みを構築しています。
 
墨出し工事では、BIMモデルの位置情報を活用し、タブレット端末と自動追従トランシットを連携することで、今まで2人で作業していた墨出し・位置出し作業が1人でできるようになり、労務省力化を実現しています。また、自動追従トランシットのレーザーによる距離測定で3次元座標を測定し、BIMモデルの座標位置と比較することにより、出来形検査にも活用しています。
 

鉄筋情報の伝達共有




 

作業所所員への情報伝達手法

躯体作業関係者に詳細情報を伝達するために、3Dモデルから画像を切り出した図や、3DPDFで回転しながら閲覧できる情報媒体を提供しましたが、難解な部位についてはBIMモデルから3Dプリンターで出力した模型が一番正確に情報伝達することができました。
 

情報のインプット・アウトプットの運用ルールが重要




 

情報システムの運用

システムの運用検証を行うと発注者・設計者からの変更要望や施工上の納まり検討などで、日々BIMモデルが進化しており、情報のインプット・アウトプットのズレが情報化生産の大きな課題となることが分かりました。例えば、アウトプットしたデータで施工図情報を発信した後に、施工図情報に変更を必要とする情報がインプットされた場合、BIMモデルは新しい情報で更新されますが、一度アウトプットした情報とはリンクできません。その後にBIMモデルからのデータで情報化生産した製品と施工図とで相違があり干渉問題が発生してしまいます。
 
BIMがソフトと連携し情報化生産システムが完成したとしても、BIMやデータベースが持っている情報が正確でなければ、システム自体が崩壊してしまいます。
 
情報化生産を軌道に乗せるには、関係者全員が最新の情報をクラウド上で共有し、フロントローディングによる早期の合意形成がカギとなります。現在、発注者・設計者・メーカー・専門工事会社との情報共有プラットフォームでの、時間軸を考慮した運用システムを検討中です。今までの慣習等もあり時間を要していますが課題を一つひとつ解決しているところです。
 

情報伝達手法の変化(発信受け手の意識改革が必要)




 

スマート デジタルファブリケーション

運用については非常に難しく時間のかかる課題ではありますが、現在はICT、IoTやAIなどの技術の進歩でインダストリー4.0と言われている第四次の産業革命時代です。生産工程のデジタル化、自動化、見える化、バーチャル化を進め、AIやロボット、3Dプリンターなどを活用したスマート デジタルファブリケーションを目指しています。
 
 
 

株式会社 長谷工コーポレーション 建設部門 建設BIM推進部 部長 原 英文

 
 
【出典】


建設ITガイド 2020
特集2「建築BIMの”今”と”将来像”」



 
 
 

 

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