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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 施工BIMの今 −仮設計画モデリングの取り組み−

 

はじめに

足場丸太の販売業を営む「杉孝商店」として1953年に創業した弊社は、60年を超える歴史を足場とともに歩んでまいりました。現在は仮設機材レンタルの専門会社として、建築・土木・橋梁・プラントなどのさまざまな分野で機材をご提供するとともに、設計や管理計画提案・安全教習等の安全ソフトも併せて提供しています。
 
また、安全と施工性の追求によって生み出された新発想の足場『アルバトロス』を保有しており、その保有量は業界No.1を自負しています。安全性だけではなく豊富なオプション品も取り揃えており、工事、工法の多彩な要望に多様に応えることができる商品となっておりますが、複雑な内部足場や、ボリュームの多い外部足場だと、部材の種類や点数が多くなり、見積作成時や搬入手配の数量算出の場面で負担となっていました。
 
 

BIM導入のきっかけ

上記背景の下、当初は2Dでの作図をベースに数量を拾えるシステムが作れないかという考えもありましたが、作図者への負担が非常に多く、納期にも影響が出てしまうことより断念、引き続き模索する中で「BIM」に出会いました。作図で使用するソフトは変わりますが、3Dであれば数量が拾えるため、「数量算出するためのBIM足場モデル作成」に取り組むべく導入に至りました。具体的には、社内(営業所向け)にてBIM作図による数出し支援サービスを実施し、3Dパースと数量表を作成し提供することに取り組み、一年間で約100 件の足場BIMモデルを作成し、数量算出を行いました。
 
しかし翌年の2018年には使えば使うほど、数量を出すだけではもったいないと感じるようになったこと、同時期にお客様より「BIMで足場の入れ込みができないか?」というお問い合わせを頂くようになったことが重なり、この年より、お客様のご要望に沿った実案件での足場BIMモデル作成対応を開始いたしました。
 
 

社内作図体制について

弊社は1993年より技術課にて足場計画図の作成を開始しており、現在は設計課に名を変えて、10名にて2Dでの作図対応を行っています。作図以外の案件(計算書のみ、修正対応)含む内容になりますが、月に200件〜250件の依頼を受けており、多くの案件を受けられる背景にはグループ会社であるSUGIKO-VNの存在があります(2013年設立、現在40名のスタッフにて運営)。作成内容としましては、88申請用資料一式作成(提出用図面、図面に付随する強度計算書、部材明細書等作成等)外部足場、型枠支保工、橋梁吊足場、イベント案件など自社で保有している商材(軽仮設材)全般の計画を行っています。
 
その基盤がある中で、2017年設計課にBIMチームを設立、同年SUGIKOVNにもBIMチームを立ち上げ6名のスタッフを育成、現在に至ります。
 
VNでの作業はBIMへの足場入れ込み作業や、ファミリの作成を委託しております。杉孝では、お客様との打ち合わせ、作図の指示、成果物のチェック、修正指示等細かくフォローすることで、短納期での多くの案件対応ができる体制を構築できております。
 
 

案件対応の実績

2018年から本格的にBIMでの対応を開始し、現在までの対応実績件数としまして、2018年約45物件、2019年71物件の実績を重ねております。
 
対応内容としましては、BIMを使って足場モデルを作成することで、①仮設計画の見える化による、現場共有のスピードアップと事前課題の抽出、②BIMモデルからの数量算出による足場材搬入サポート−になります(図-1)。
 

 

 

図-1 足場BIMモデル




1つ目の仮設計画見える化に関しては、足場BIMモデル納品時に「課題シート」という資料を活用し、足場モデル入れ込みする中での気付き(躯体と足場の干渉や、足場不足箇所、不具合等)を見える化し、代替案も合わせ提示することで作成した足場BIMモデルを活用いただける取り組みも合わせて行っております。その背景として、足場BIMモデルを現場で活用できない課題がありました。具体的には現場にてBIMを潤沢に扱える環境(現場にBIMソフトやハイスペックなPCの導入、BIMを扱える人材等)がないということです。そこで足場BIMモデルを使用したレビュー会や、課題シートでの投げかけを行うことで、現場での施工BIMの推進をサポートさせていただいております。まだ課題も多くありますが、実績を積んでいくことでより現場に根付いたサービスを目指し取り組んでおります。
 
2つ目のBIMを使用した搬入サポートに関しては、弊社で作成した足場BIMモデルを使用し、現場より指定いただいた範囲にて搬入単位での数量出しを実施、搬入時の数量出し作業(手拾いでの時間)の負担軽減や、事前に数量と総重量が分かるため、配車の手配への活用にも好評をいただいております。その他実行予算や、積算時の活用にも期待いただけているサービスとなります。さらなる手間削減として、弊社のWeb受注システムCOLAとの連携も進めており、この運用により、注文時にベースの足場資材数量が注文画面に表示され、最終の微調整にて注文作業をしていただける環境が整います(図-2)
 

図-2 工区毎の数量出し




 

今後の展開について

以上の実績を重ねる中で、さらなるサービスの展開として次の事も進めています。①BIMモデルVR化→バーチャル安全点検、②時間軸の反映→足場の組み立てステップ作成、③3Dスキャン→点群データからモデル化の3点です。
 
それぞれお客様のニーズより具現化を目指しているサービスの展開となっており、現在試行現場にて複数件対応を行っており、サービス運用開始に向けて準備を進めております(図-3)。
 

図-3




 

最後に

実際にお客様の声を頂きながら案件対応を進める中で感じるのは、BIMをただ使えば効率化できるわけではないということでした。現状上手くいかないことも多くありますが、「BIMを使う」という強い意志の下、諦めることなくお客様と一緒に進めていくことが、「足場BIM」のスタンダードになっていくと感じています。引き続き実績を積んでいくことや、新たな足場のBIMモデル活用(VR、ARや点群データとの連携等)も見据え、より良い現場支援を行っていきたいと考えております。今回の内容に関しまして、ご興味を持っていただけることがございましたら、お気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。
 
 
 

株式会社 杉孝 技術サポート部 部長 鎌田 健一
セールスエンジニアリング課 課長 三宅 祥子

 
 
【出典】


建設ITガイド 2020
特集2「建築BIMの”今”と”将来像”」



 
 
 

 

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