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建物診断設計事業協同組合 理事長
山口 実

 

設備の重要性

建物の構成要素を人間の体に例えると次のようになります。
 
構造…骨格
意匠…容姿
設備…脳、神経、循環器、血液等々
 
つまり、建物の機能を遺憾なく発揮するためには、
電気、情報、保安、空調・換気、給排水衛生などの設備が重要な役割を果たしています。
 
良い設備はそこにいる人に快適で健康的な環境を提供し、作業効率の向上をもたらします。
 
太陽光発電や風力発電などのクリーンエネルギーの建物への積極的活用、大気や水質を保全し公害を防止するのも設備の使命です。
社会が進歩するほど設備に対する要求も高度なものとなり、その重要性も増しています。
 
 

建築と設備の違い

建築は、構造体と仕上げ材から構成されます。
設備は、使用目的ごとの機能があり、日常的に稼働するものです。
建築と設備は寿命が異なり、日常的に稼働する設備の方が建築より寿命が短く、日頃のメンテナンス等が重要です。
設備や内外装などが使えなければ、結局、その建物は朽ち果ててしまいます。
建物は連続的に使われるものであり、使用に耐えるようにする必要があります。維持保全の必要性はそこにあります。
 
 

修繕工事とは

建物の設備が改修・改善を必要とする条件は、
 
●機器・機材の性能または機能が低下して使用上の安全性が維持できないとき
●法的に不適合が生じたとき
●新しいシステムの出現により現在のシステムが陳腐化したとき
●省エネルギー・安全性の向上など新しい機能要求が生じた時
 
等です。
 
これらの条件を鑑みると、修繕工事は大きく二つに分類できます。
 
①劣化した建物(設備、システムを含む)、部位、部材などの機能・性能を原状(初期の条件)に戻すこと
②性能の劣化した状態から時代・社会の変化による機能的劣化を克服し、向上した要求性能のレベルに合うように改善すること
 
①を修繕工事、②を改良・改善工事といいます。
建物は劣化するため、それに対応することが必要になります。
では、「劣化」とはどういうことでしょうか。
 
 

劣化を分類する

劣化を分類すると「物理的劣化」と「非物理的劣化」に大別できます(図-1)
 

図-1:物理的劣化と非物理的劣化

図-1:物理的劣化と非物理的劣化


 
壁にひびがある、汚れている、配管から漏水する、台風で壊れた、
というような具体的に目で確認できる劣化を「物理的劣化」といいます。
 
それに対して「非物理的劣化」とは、簡単に言えば陳腐化のことで、他と比較することで相対的に劣ってしまうことです。
これはさらに「機能的劣化」「経済的劣化」「社会的劣化」に分類されます。
 
「機能的劣化」の例としては、エレベーターが挙げられます。
築二十数年のビルと最新のビルを比較すると、
前者のエレベーターは新築当時の性能を保持していても、機能が劣っていると感じてしまいます。
 
「経済的劣化」の例は、エアコンが分かりやすいでしょう。
十数年前に購入したエアコンと最新型のエアコンとを比較した場合、前者の方が電気代は高くなります。
古いエアコンは壊れてはいませんが、使えば使うほど損をしてしまいます。
 
「社会的劣化」とは、狭義には主に法令の改正に伴う劣化です。
例えば、建築基準法の耐震に関する内容が改正されると、
改正前に建てられた建物は、改正後に建てられた建物に比べて耐震性に関しては劣っていることになります。
設備関係では、消防法や水道法の改正によって「社会的劣化」が発生するケースも見受けられます。
 
 

「非物理的劣化」にも注目する

設備の維持保全、改修工事を考える際は、「非物理的劣化」に注目する必要があります。
故障したのでポンプを交換しようとするとき、同じタイプのポンプに取り換えることは思いつきますが、
例えば省エネタイプに交換できないか、というようなことも検討したいものです。
 
建築当時は最新の工法や設備であったものも、時代と共に相対的価値が下がります。
修繕工事を計画する際は、前述のポンプの例のように不具合の解消、物理的劣化の補修や修繕ということだけではなく、
時代にあった姿に対応していく視点も必要でしょう。
 
 

修繕とは

「物理的劣化」のみならず、
社会のニーズや技術の進歩を考慮しながら「非物理的劣化」にも着目して建物のメンテナンスを考える際には
「改良保全」という視点が必要になります(図-2)
 

図-2:改良保全の考え方

図-2:改良保全の考え方


 
 

設備は進化する

給排水設備の改修工事で使用する材料や工法は、近年、目覚ましく進歩しています。
しかし、残念なことに設計者や施工者にその情報が届いてないことがままあります。
 
給排水設備は建物の重要なインフラです。
建物におけるインフラは、その建物の程度とそこでの活動の質が問われることになります。
 
そしてそのインフラには「何も問題がないこと」が求められます。
水の供給は常に安定していなければなりませんし、排水もスムーズに流れていなければなりません。
 
しかし、何もないことは「何もしないこと」では達成されません。
何も問題がないようにするには、能動的にインフラにかかわっていく必要があります。
その意思と方向性は当該建物の維持・保全の担当者が決めることになるのです。 
 
日頃より最新の材料・工法の情報収集に努め、さまざまな選択肢があることを把握していただければと思います。
 
 
 
【出典】


月刊 積算資料SUPPORT2013年10月号
特集「建築物の改良保全資機材集」
積算資料SUPPORT2013年10月号
 
 

 

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