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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 景気は緩やかな回復基調も,先行きに警戒感 建設資材は海外経済の回復による原料高により一部資材が高騰
景気は持ち直しの動きも,コロナ禍の影響に警戒感

政府は,7月の月例経済報告で,国内景気の総括判断を「新型コロナウイルス感染症の影響により,依然として厳しい状況にあるなか,持ち直しの動きが続いているものの,一部で弱さが増している」とし判断を据え置いた。
この判断は3カ月連続となる。
個別項目をみると,個人消費は「サービス支出を中心に弱い動きとなっている」として,依然として外食などのサービス消費が低迷していることを示唆している。
一方,設備投資は「持ち直している」,輸出は「緩やかな増加が続いている」としており,製造業の生産や輸出は回復傾向がみられることから,業況判断は「一部に厳しさは残るものの,持ち直しの動きがみられる」と上方修正した。
先行きについても「ワクチン接種を促進するなかで,各種政策の効果や海外経済の改善もあって,持ち直しの動きが続くことが期待される」と,景気回復への期待感をにじませている。
しかし,いまだに国内の新型コロナウイルス感染再拡大の終息が見通せない状況下でもあり,「感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある」との表現を維持しており,景気の先行きに警戒感も示している。

建設投資は公共が底支え,民間投資は回復途上

国土交通省が7月に発表した「建設総合統計」によると,5月の出来高総計は前年同月比0.5%増の3兆8,518億円で6カ月連続の増加となっている。
内訳をみると,公共総計は0.3%増の1兆5,150億円と33カ月連続の増加となり底堅く推移していることに加え,民間総計は0.6%増の2兆3,368億円と21カ月ぶりに増加に転じ,建設投資の回復基調がうかがえる結果となっている。
 
また同省が発表した民間建設投資の先行指標となる建築着工統計調査報告では,6月の新設住宅着工戸数は7万6,312戸で前年同月比7.3%の増と4カ月連続の増加となっている。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気の大幅悪化を受けて,81.2万戸(2019年度比8.1%減)と2年度連続の大幅な減少となったが,今年度は景気回復気配に加え,各種住宅支援制度が支えとなることで緩やかな増加基調が続くとみられる。
 
一方で,北海道・東日本・西日本の各建設業保証会社が発表した建設業景況調査(4~6月期)の景況判断指数(BSI値)によると,地元建設業界の景気はマイナス8.0と「悪い」傾向が続いている。
また,来期(7~9月期)見通しではマイナス14.5とマイナス幅が広がっており「悪い」傾向が強まる見通しとなっている。
業種別にみると今期は土木のマイナス3.5に対し,建築がマイナス13.5,設備がマイナス14.5とマイナス幅の大きさが目立ち,建設業者の景況感は特に建築・設備分野で「悪い」と感じている業者が多い状況が続いている。
 
こうした指標から,国内の建設市場では,全般的に新型コロナウイルス感染症により冷え込んだ投資マインドの回復は道半ばで,順調さを取り戻すにはまだ時間を要するとみられる。
現状では,民間設備投資や住宅投資は倉庫・流通施設などで徐々に回復の動きがみられるものの,民間投資の回復のスピードは緩やかなものになると予測されることから,今後の建設市場は「防災・減災,国土強靱化のための5か年加速化対策」(2021~2025年度)をはじめとする政府の公共投資が底支えするものと予想される。

世界経済回復による需給ひっ迫,原料高により資材価格が高騰

建設資材需要は,首都圏での複数の都市開発プロジェクトや大阪・関西万博関連工事など大型事業が進行しているほか,リニア中央新幹線,北海道新幹線,北陸新幹線などの鉄道関連工事,地方部での防災・減災対策工事等,中長期的には一定の需要が見込まれており,ゼネコン各社も多くの受注案件を抱えている。
しかし,新型コロナウイルス感染症の再拡大や五輪期間中の交通規制等により工事中断や着工延期が相次いでいることもあり,足元の実需は依然として低調で,本格的な需要回復時期は五輪終了後の秋口以降にずれ込む可能性が指摘されている。
 
価格面では,ワクチンの接種が先行した欧米などで経済活動が急回復しており,鉱物資源等の国際商品価格が上昇している。
加えて,海運などの物流や海外の鉱山・工場操業が停滞して資源の需給ひっ迫に拍車が掛かっている。
建設資材の原材料となる資源の供給リスクの高まりに国内の流通価格は敏感に反応し,全国的に上昇傾向となっている(図-1参照)。
 
これを裏付けるように,前述した建設保証会社の建設業景況調査における資材価格のBSI値も前期比8.5ポイント増の21.5と「上昇」が急増しており,資材調達についても6.0ポイント減のマイナス7.0で「困難」とする傾向が強まっている。
 
資材別にみると,いわゆる「ウッドショック」の影響を受けている木材や型枠用合板の上昇が目立つ。
中国やアメリカの需要増で原木不足に拍車が掛かり輸入材の入荷量は低水準で推移し,国内の流通価格は高騰している。
また,国産材も輸入材の代替として需給がひっ迫しており,一般建築用木材は全面高の様相となっている。
昨年から続騰していたアメリカのマーケットは,5月以降落ち着きを見せ始めているが,輸入材の入荷量が早い時期に回復する兆しは乏しい。
加えて国産材の生産能力には限りがあることから,需給のひっ迫は当面続くとみられ,先行きも強含みで推移する見通し。
 
また,鋼材類も世界的な需要増に加え原材料である鉱物資源や鉄スクラップ価格の高騰を受け,大手メーカーを中心に断続的に値上げ表明が相次ぎ,市況は2008年以来の高値水準となっている。
需要者側は,度重なる値上げに対する反発もあり,様子見からの当用買いの姿勢で,相場の勢いは鈍っているものの,原材料価格の高止まりにより今後もじり高で推移していくとの見方が大勢となっている。
 
石油製品は,中東産原油相場が1バレル70ドルを超えたまま高止まりで推移していることや,欧米での経済活動再開による世界的な需給ひっ迫を受けて続伸している。
先行きについては,石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどでつくる「OPECプラス」による減産縮小を巡る協議が合意したことから,需給ひっ迫懸念が和らぎ先高観はやや後退している。
目先,現行値圏内での推移が予想される。
 
一方,生コンクリートや骨材類などの地場資材は,昨年のコロナ禍により落ち込んだ需要の反動から対前年比で出荷量を伸ばす地区が一部でみられるものの,全国的に工事需要の立ち上がりが鈍く,荷動きは低調に推移している。
しかし,原料高に起因する製造コストや運転手不足による運搬コストの高止まりは続いており,販売側の採算重視の姿勢は強まっている。
先行きも強含みで推移する地区が多いとみられる。
 
アスファルト混合物も同様に新規需要の低迷から荷動きは一部の地区を除き低調に推移している。
販売側では,主原料のストアス価格が上昇傾向にあるため価格引き上げの機会をうかがっているが,実需の後押しがないため価格交渉は本格化していない。
当面,現行値圏内を横ばいで推移するとみられる。

  • 建設資材価格指数 建築・土木総合(2015年度平均=100)
    図-1 建設資材価格指数 建築・土木総合(2015年度平均=100)


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    異形棒鋼 鉄スクラップ価格失速で,一服状態 (掲載:P18~24)

    現況:需要者反発,値上げ苦戦

    日本鉄鋼連盟調べによる2021年4~6月期の全国小形棒鋼出荷量は,196万5,000tと前年同期比3.7%の増加。
    首都圏再開発事業や大型物流倉庫向けの好調な引き合いが需要をけん引したが,依然としてマンションなどの中小物件向けは閑散とした商況で,昨年来の低水準な取引から脱し切れていない。
     
    国内電炉メーカー各社は,これまで打ち出した値上げの浸透に向けて,採算重視の販売姿勢を保っているが,主原料である鉄スクラップ相場の失速で需要者側の抵抗が強まり,値上げ交渉は難航。
    価格は,SD295・D16でt当たり8万8,000円(東京➁)どころと前月比横ばい。
    安値は徐々に切り上がっているものの,相場のもう一段の引き上げには時間を要している。

    先行き:さらに強基調続く

    先行きに不透明感が漂う中,需要者側は材料手配の時期を見極めるべく,様子見の姿勢に徹している。
    一方,鉄スクラップの高値仕入れによるコストの高止まりに苦しむメーカー各社は,さらなる採算改善に向けて価格転嫁を継続する構え。
    足元の相場は一服状態だが,製販側に売り腰を緩める様子はなく,じり高推移との見方が大勢。先行き,強含み。

    (菊池秀仁)
  • 小形棒鋼の出荷量
  • 異形棒鋼(SD295・D16)〈東京➁〉

  • H形鋼 原料費高騰で続伸 (掲載:P30~31)

    現況:10万円の大台間近

    2021年4~6月期の全国における出荷量は,88万5,000tと前年同期比6.8%の増(日本鉄鋼連盟調べ)。
    需要は,コロナ禍による低迷から一転,大型物件を中心に持ち直してきている。
    9月以降に出荷予定の中小物件も増加傾向にあり,需要に盛り上がりの兆しがみられる。
     
    価格は,200×100で前月比3,000円続伸し,t当たり9万8,000円(東京➁)どころ。
    4月以降の5カ月間で1万5,000円上伸し,2008年以来の10万円台に迫る水準となった。

    先行き:さらに強基調続く

    高騰が続く鉄鉱石に加え鉄スクラップ等の原料価格や電力コスト等の副資材費が上昇。
    メーカー側は,大幅に増加した製造コスト分を製品価格に転嫁すべく,強硬に値上げを進めている。
    徐々に進む価格転嫁もまだ途上とする流通側は,採算重視の姿勢を一層強めスピード感を持って交渉する構え。
    需要者側は,製販側の足並みが揃った販売姿勢に抵抗の余地は少なく,納期が近い物件を中心に,値上げを受け入れざるを得ない状況。
    先行き,強含みで推移する見通し。

    (谷村伸)
  • H形鋼の出荷量
  • H形鋼(SS400 200×100×5.5×8mm)〈東京➁〉

  • 鉄スクラップ 高値推移から市況反落(掲載:P74~75)

    現況:前月比500円の下落

    財務省調べによる2021年4~6月期の鉄スクラップ輸出量は約233万tと,前年同期比5.4%の減少。
    輸出向け配船の遅延や船舶代の上昇に加え,新型コロナの感染再拡大の影響による需要減少で東アジアへ向けた輸出が後退した。
     
    国内では,スクラップ問屋への入荷量は低水準で留まっているものの,需要者である電炉メーカー側が夏季の定期炉修を控える中で,需給はやや緩和気味に推移した。
    一方,問屋側は相場の動向を見極めたいとして模様眺めに終始。
    問屋店頭買い入れ価格は,H2でt当たり3万8,500円どころと,これまでのじり高基調から一転して前月比500円下落した。

    先行き:横ばい推移

    電炉メーカーは,定期炉修を終えるとともに在庫の積み増しを再開する見通しで,今後は堅調な需要が見込まれている。
    このため,需給にタイト感のある自動車関連などの製造業から排出される上級スクラップが相場を下支えし,H2などの中級品は現行値圏内で推移するとの見方が大勢となっている。
    先行き,横ばい推移の公算大。

    (内藤正純)
  • 鉄スクラップの輸出量
  • 鉄スクラップ(H2)〈東京〉

  • セメント 生産体制の合理化へ,事業統合の動き(掲載:P78~79)

    現況:需要低迷続くも,底打ち気配

    セメント協会調べによる2020年度の国内需要は,前年度比5.6%減の約3,867万tと,54年ぶりに4,000万tを割り込む低水準となった。
    新型コロナウイルス感染拡大に加えて,天候不順が下押しの要因。
    2021年4~6月期の国内販売量は,922万tと前年同期比で1.8%減少。
    低水準の昨年度をさらに下回り,回復の兆しはみえない。
    価格は,東京の普通ポルトランド(バラ)でt当たり1万800円どころ。
    全国的に市況は動意薄で横ばい推移。

    先行き:価格交渉はこう着状態

    同協会では,2021年度の国内需要を3,900万tと前年度同水準を予測。
    都市部の再開発事業やリニア中央新幹線関連工事等により,需要は底打ちするとの見方が強い。
    しかし,人手不足や工期の長期化という構造的変化に加えて,コロナ禍による需要回復への不透明感は解消されていない。
    こうした中,一部のメーカーでは,生産体制の合理化を目指し事業統合の動きがみられる。
    需要見合いの供給体制構築によるコスト削減を実施した上で,値上げに対する理解を求める考え。
    しかし,生コンメーカー側は,出荷減による採算悪化などで値上げへの反応は鈍い。
    交渉はこう着状態が続くとみられ,先行き,横ばい推移。

    (矢本友明)
  • セメントの国内需要推移
  • セメント(普通ポルトランド バラ)〈東京〉

  • 生コンクリート 生コン協組は基盤強化の推進へ(掲載:P80~174))

    【全国】需要者側は安定供給を重視

    全国生コンクリート工業組合連合会調べによる2021年4~6月期の全国総出荷数量は,1,855万7,267m3で前年同期比1.4%減となった。
    内訳は官需が653万m3で同6.7%減,民需が1,203万m3で同1.7%増と官需の落ち込みが目立つ。
    これは,震災復興や豪雨災害復旧工事などの特需が一巡したことの影響が大きい。
    主要10都市における掲載価格は,2021年3月号対比で,生コン協組の価格重視の販売姿勢が強まった新潟でm3当たり1,000円上昇した以外は横ばいとなっている。
     
    販売側は,骨材価格や輸送費の上昇,設備更新の原資確保等のコスト増に加えて,輸送力低下や人手不足など経営課題を抱えている。
    こうした中,需要減少を見据え一部の生コン協組では,工場の統廃合や共同輸送など,基盤強化への動きがみられる。
    受注競争におかれている需要者側は安値での調達を求めているものの,安定供給に資する販売側のコスト転嫁には一定の理解を示している様子。
    生コン協組側では足腰を強めた上で,市況の底上げに取り組む姿勢をみせており,今後の構造改善事業を含めた取り組みが注目される。

    (矢本友明)
    【札幌】

    再開発事業等の大型需要に加え,中低層マンションの民間工事の下支えもあり,2021年4~6月期の出荷量は約25万9,000m3と前年同期比28%増(北海道生コン工組調べ)と,好調に推移。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万3,300円どころ。
    札幌生コン協組では4月受注分より2,200円の値上げを打ち出しており,強気の販売姿勢を維持している。
    安定供給や品質確保を優先したい需要者側も,値上げを受け入れる姿勢を示し始めており,先行き,強含みで推移しよう。

    【仙台】

    宮城県生コン工組まとめによる2021年4~6月期の出荷量は,7万9,280m3で前年同期比13.9%増。
    ただし,出荷増は一部の大型物件に限られており,ほかに目立った物件が見込めないため,需要は先細り傾向にある。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万1,800円どころ。限られた物件を巡り,仙台地区生コン協組と非組合員との受注競争は激しさを増している。
    先行き,弱含みで推移する見通し。

  • 生コンクリート【仙台】

  • 【東京】

    東京地区生コン協組調べによる2021年4~6月期の出荷量は,63万,528m3と前年同期比21.7%の増加。
    これは,昨年,コロナ禍による需要停滞の反動によるところが大きく,販売側の想定を下回る水準となっている。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万4,700円どころ。
    同協組は,昨春打ち出した値上げの未達分獲得に向けて売り腰を引き締めている。
    しかし,すでに値上げの一部を受け入れている需要者側の抵抗は強い。先行き,横ばい。

  • 生コンクリート【東京】

  • 【新潟】

    新潟生コン協組調べによる2021年4~6月期の出荷量は3万479m3で前年同期比15.2%増。
    価格は,21-18-25でm3当たり1万1,500円と前月比1,000円の上伸。
     
    同協組は,下落前を上回る水準を目指し,4月より3,000円の値上げを打ち出した。
    同協組では,価格重視の方針の下,非組合員との競合回避を徹底。
    市況低迷により品質を含めた安定供給への影響を懸念する需要者側で,値上げの一部を受容する動きがみられた。
    先行き,強含みで推移しよう。

  • 生コンクリート【新潟】

  • 【名古屋】

    愛知県生コン工組調べによる名古屋・尾張地区 の2021年4~6月期の出荷量は,約57万2,800m3で 前年同期比9.7%増。
    リニア関連工事やアジア競技 大会向け等の大型物件が複数あることから,コロ ナ禍前の一昨年度を上回る水準となった。
     
    価格は,21-18-20で m3当たり1万1,300円どこ ろ。
    需要者の購買姿勢は厳しいが,旺盛な需要を 背景として名古屋生コン協組では共販体制の維持 に努めており,当面,横ばい。

    【大阪】

    大阪広域生コン協組は2021年度出荷量を,前年度比で微減と見込んでいるものの,大阪駅周辺の再開発事業,幹線道路整備,大阪・関西万博関連工事などの出荷に加え,高層マンション,ビル建設の計画もあり堅調に推移する見通し。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万9,400円どころ。
    同協組の高い組織率を背景とした共同販売事業の市場への影響力は大きく,協組主導の市況形成が続いている。
    先行き,横ばい推移の見通し。

  • 生コンクリート【大阪】

  • 【広島】

    広島県生コン工組調べによる2021年4~6月期の出荷量は,19万1,878m3と前年同期比9.2%減となった。
    需要は,大型民間工事や豪雨災害復旧工事が一巡したことから,精彩を欠いたものとなった。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万5,950円どころ。
    当面,目立った大型工事はみられないものの,広島地区生コン協組では共販体制を堅持し現行価格を維持していくとしている。
    先行き,横ばい。

    【高松】

    香川県生コン工組調べによる2021年4~6月期の出荷量は,6万5,024m3と前年同期比1.5%減。
    需要は,中心部の再開発事業やマンション工事など民間建築向けが散見されるものの,全体的に盛り上がりを欠く展開。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万4,800円どころ。
    低迷する需要に危機感を強める香川県生コンクリート協同組合連合会では,採算性を維持するため,4月引き合い分から2,000円の値上げを打ち出し,需要者側に対して交渉姿勢を強めている。
    先行き,強含み推移。

  • 生コンクリート【高松】

  • 【福岡】

    福岡県生コン工組調べによる2021年4~6月期の出荷量は,約35万700m3と前年同期比3.4%増。
    再開発事業やマンション等の民需を中心として,需要は復調の兆しをみせている。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万3,450円どころ。
    福岡地区生コン協組では,材料費の値上げや人件費の増加などに対応するため,秋以降に値上げの意向を示しているが,現状は具体的な交渉に至っていない。
    先行き,横ばいで推移。

    【那覇】

    沖縄県生コン協組調べによる沖縄本島中南部地区の2021年4~6月期の出荷量は,23万3,219m3と前年同期比26.3%減。
    中でも民間建築向けの需要が低迷しており,回復の兆しがみえない。
     
    価格は,21-18-20でm3当たり1万4,200円どころ。
    低迷する需要に危機感を強める同協組は,採算性を維持するため,2020年9月から1,000円の値上げを打ち出しており,新年度入り後もさらに売り腰を強めて交渉を展開している。
    需要者側も安定供給を優先し,値上げの一部を容認する動きがみられる。
    先行き,強含み推移。
     
     

    骨材・砕石 総じて需要は一服状態(掲載:P175~197)

    【全国】価格交渉は停滞気味

    2020年度における骨材・砕石の荷動きは低調に推移。
    新年度入り後も需給環境に大きな変化はみられず,足元でも一部の地区を除き全国的に閑散とした商況が続いている。
     
    地域別にみると,北陸地区の新幹線建設工事や,中国・九州地区の災害復旧工事向け需要が一段落。
    進行中の大型プロジェクトとしては,北海道の新幹線建設や,首都圏のリニア新幹線関連事業向けなどが挙げられる。
     
    価格面においては,総じて需要が低調な中,全国的におおむね横ばいで推移している。
    今後,再開発事業をはじめとした需要回復が見込まれることから,販売側は産地の開発,プラント設備の維持,運搬車両の確保等にかかる費用を転嫁すべく,販売価格の引き上げを求めている。
     
    これに対して需要者側は,安定供給の観点から販売側の主張に耳を傾けつつも,直近で工事が本格化していないことを理由に値上げの受け入れに反発。
    現時点において価格交渉は進んでいない地区が多い。
    先行き,一部の地区を除き,総じて横ばいで推移しよう。

    (林 誠)
    【札幌】

    市内の再開発事業や近隣地区の生コン需要に下支えされ,コンクリート用砕石の荷動きは活発である。
    供給側が打ち出した値上げは,良好な需給環境を背景に売り手主導で価格交渉が進み,安定供給と品質確保を求めている需要者に浸透。
     
    価格は,20~5mmでm3当たり4,900円と前月比400円上伸。
    今後,新幹線関連工事等の大型工事等が本格化することから需要も堅調な見込みで,先行き,横ばいで推移。

  • 骨材・砕石【札幌】

  • 【仙台】

    道路用砕石の価格は,クラッシャラン40~0mmでm3当たり2,800円どころ。
    目立った物件が見当たらず,荷動きはさえない。需要者側が厳しい購買姿勢をみせる中,メーカー側は現行価格の維持に精いっぱいの状況。
    先行き,横ばい推移の見通し。
     
    一方,コンクリート用砕石は,20~5mmでm3当たり3,900円どころ。
    生コン市況が不安定な中,需要者側からの値引き要求は厳しさを増しているが,メーカー側は現行価格の維持に懸命。
    先行き,横ばい推移の見通し。

    【東京】

    再開発事業が一服状態にあり,砂の荷動きは低調。
    東京外かく環状道路工事の中断もあり,今のところ懸念されていた車両不足の事態は回避されている。
     
    砂・細目の価格は,m3当たり4,850円と前月比変わらず。
    販売側は産地の開発など製造コスト増を転嫁すべく値上げ要求を継続。一部で値上げが
    容認されたものの,市況の底上げには至っていない。
    当面,横ばい推移。

  • 骨材・砕石【東京】

  • 【新潟】

    価格は,砂利25mm以下でm3当たり4,100円どころ。
    主要な供給元である阿賀野川骨材協同組合は,2019年4月に打ち出した値上げの浸透に向け需要者と交渉を継続している。
    生コン市況が下落以前の水準には達していないことから,大口需要者である生コンメーカーは,これまで強い抵抗を示してきた。
    しかし,生コン市況の上昇が進むにつれ,需要者側では値上げの一部受け入れを検討する動きも出始めている。
    先行き,強含みで推移する見通し。

    【名古屋】

    価格は,砂・荒目でm3当たり4,050円どころ。
    堅調な生コン需要により,需給はややひっ迫している。
    メーカー側は,資機材価格の高騰,原石採取・調達コストなどの増加を理由に,需要者側と値上げ交渉を継続。
    今後,リニア関連工事の本格化により需給がさらにひっ迫する可能性が高いことから,値上げ容認の動きも一部にみられる。
    先行き,強含み推移。

  • 骨材・砕石【名古屋】

  • 【大阪】

    価格は,コンクリート用砕石20~5mmでm3当たり4,300円どころ。
    供給者側は,生コン市況が堅調であることから,高騰する輸送費などコスト増分の転嫁を図るため強気の販売姿勢を堅持。
    安定供給を強く求める需要者側に対し,段階的な値上げを実施する構えをみせている。
    先行き,強含みで推移する見通し。
     
    一方,再生クラッシャランは,40~0mmでm3当たり1,050円どころ。
    依然として荷動きに精彩を欠き,供給者側は現行価格水準の維持が精いっぱい。
    先行き,横ばいで推移しよう。

  • 骨材・砕石【大阪】

  • 【広島】

    広島市内では,下期に向けて目立った大型工事は見当たらず,出荷の大幅な伸びは期待できない状況。
     
    価格は,コンクリート用砕石20~5mmでm3当たり3,000円どころ。
    広島県西部砕石協同組合では,製造コストの増加分を価格転嫁したい意向を強く持っている。
    しかしながら,需要者側の購買姿勢が厳しいことから,価格交渉は長期化している。
    先行き,現行価格の維持が精いっぱい。

    【高松】

    香川県砕石事業協組調べによる2021年4~6月期の砕石類総出荷量は,22万3,544tと前年同期比4.4%増。
    需要は,市内中心部の再開発事業やマンションなど民間建築向けが中心となっている。
     
    価格は,コンクリート用砕石20~5mmでm3当たり3,800円どころ。
    一部の砕石工場における7月以降の操業停止を受け,今後の供給体制に対する不透明感が強まっているが,今のところ,販売側の売り腰に変化はみられず,当面,横ばい推移の見通し。

    【福岡】

    福岡県砕石業協組調べによる2021年4~6月期の砕石類総出荷量は,約22万7,100m3と前年同期比約7%減となった。
    荷動きは,生コン向けが堅調に推移する一方で,道路向けの低迷が目立っている。
     
    コンクリート用砕石の価格は,20~5mmでm3当たり2,800円どころ。
    メーカー側は,製造・運搬コストの増加分を価格に転嫁したいものの,需要者側の購買姿勢は厳しく具体的な交渉には至っていない。
    先行き,横ばい推移。

    【那覇】

    価格は,砂・細目でm3当たり3,400円どころ。
    主な供給元である沖縄砂利採取事業協組では,供給体制の維持,船員確保によるコスト増を理由に2019年11月から700円の値上げを打ち出し一部が浸透している。
    値上げ未達分は引き続き交渉中だが,生コン需要が低調に推移していることから,需要者側は値上げに難色を示しており,価格交渉は綱引き場面が続いている。
    先行き,横ばいで推移。

  • 骨材・砕石【那覇】

  •  
     

    アスファルト混合物 製造量ほぼ前年並み(掲載:P314~329)

    【全国】交渉難航で値上げ進まず

    日本アスファルト合材協会調べによる2021年4~6月期の製造量は,810万9,437tと前年同期比0.5%の減少となった。
     
    地区別では,高速道路の大型補修工事により中国地区が前年同期比12.9%増,四国地区が同9.6%増となった。
    その他の地区は,大型工事が乏しいことに加え,コロナ禍による景況感の悪化で民間建設投資が減少したことから,製造量が前年に比べ同水準もしくは減少となった。
     
    価格面では,原油価格上昇により主原料のストアス価格が高値圏にあることから,一部の販売側では製造コスト増を理由に販売価格の引き上げを表明。
    しかし,工場が林立する大都市圏などでは,数量確保による受注競争も散見されており,需要が盛り上がりを欠く中,総じて需要者との本格的な価格交渉には至っていない。
     
    下期以降の道路工事の増加に伴い,販売側は価格交渉を本格化したい意向だが,需要者側は値上げに対し難色を示しており,交渉は長期化するとの見方が大勢。
    先行き,一部の地区を除き,総じて横ばい推移の見通し。

    (駒ヶ谷拓)
    【札幌】

    北海道アスファルト合材協会調べによる2021年4~6月期の製造量は,23万2,230tで前年同期比2.2%増。
    上期は需要が低迷するとの見方であったが,高速道路工事等が需要を押し上げ増加に転じた。
     
    価格は,再生密粒度(13F)でt当たり1万1,100円どころ。
    メーカー各社は,輸送費や人件費の上昇に加えこれまでのストアス価格の高騰を受け,製品価格の値上げに動き始めた。
    維持修繕工事を中心に引き合いが徐々に増加していることに合わせ売り腰を強めており,先行き,強含みで推移。

    【仙台】

    仙台地区の2021年4~6月期の製造量は前年同期比20.0%減の約12万5,352t(日本アスファルト合材協会東北連合会調べ)となっている。
    高速道路修繕工事以外目立った物件はみられず,需要は低迷している。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり1万100円どころ。
    供給側は原材料や製造コストの上昇分を販売価格に転嫁する意向を示すものの,需要者の購買姿勢は厳しく,現行価格維持が精いっぱい。
    先行き,横ばいで推移する見通し。

  • アスファルト混合物【仙台】

  • 【東京】

    2021年4~6月期の製造量は37万8,442tと前年同期比12.6%減(東京アスファルト合材協会調べ)。
    これは東京オリンピック・パラリンピック需要の反動減に加え,コロナ禍の影響で民需の荷動きが鈍いことが主な要因。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり8,200円どころ。
    主原料のストアス価格の上昇を受け,販売側は値上げを表明したものの,需要者側の購買姿勢は厳しく,価格交渉は平行線をたどっている。
    先行き,横ばい推移の見通し。

  • アスファルト混合物【東京】

  • 【新潟】

    価格は,再生密粒度(13)でt当たり1万700円どころ。
    2021年4~6月期の製造量は22万9,491tと前年同期比でほぼ横ばい(新潟県アスファルト合材協会調べ)。
    ストアス価格の大幅上昇など製造コストが急速に増加傾向にあるメーカー各社は,採算悪化の懸念を強めている。
    しかし,需要が盛り上がりを欠く中,大半のメーカーは数量指向を払しょくできず,価格引き上げに踏み出せていない。
    先行き,横ばいで推移しよう。

    【名古屋】

    愛知県アスファルト合材協会調べによる2021年4~6月期の出荷量は,44万8,022tで前年同期比11.2%増と,一昨年度の水準に回復している。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり9,200円どころ。
    原材料のストアス価格の高値推移を背景に,メーカーは値上げを打ち出している。
    需要者の購買姿勢は厳しいものの,メーカーの売り腰は強く,先行き,強含み推移の見通し。

  • アスファルト混合物【名古屋】

  • 【大阪】

    価格は,再生密粒度(13)でt当たり9,100円どころを横ばい推移。
    大阪アスファルト合材協会調べによる2021年4~6月期の製造量は31万852tで,前年同期比約0.6%減。
    下期には高速道路の集中工事等が予定されていることもあり,出荷量は例年並みを維持すると見込まれている。
    足元では,舗装工事の受注競争が激しい需要者からの厳しい指し値に対して,メーカー各社は現行価格の維持に懸命な状況。
    先行き,横ばいで推移する見通し。

  • アスファルト混合物【大阪】

  • 【広島】

    広島県アスファルト合材協会まとめによる2021年4~6月期の製造量は18万3,735tと前年同期比11.9%増となった。
    しかし,下期に向けて目立った大型工事は見当たらず,需要回復は期待薄との見方が強い。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり9,500円どころ。
    メーカー側は,増加する製造コストを製品価格に転嫁する意向を持っているが,需要者側の購買姿勢は厳しく,決着に向けた交渉は長期化の様相をみせている。
    先行き,現行価格の維持が精いっぱい。

    【高松】

    香川県アスファルト合材協会調べによる2021年4~6月期の製造量は,8万9,936tと前年同期比27.1%増。
    国道や高速道路の補修工事向けを中心として,需要は底堅く推移している。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり1万2,600円どころ。
    一部のメーカーでは,これまでのストアス価格の値上がりや輸送コストの増加等を理由に,値上げの意向を示している。
    しかし,需要者側の購買姿勢は厳しく,今のところ具体的な交渉には至っていない。
    当面,現行価格圏内の取引が続く見通し。

    【福岡】

    2021年4~6月期の製造量は,約26万9,000tと対前年同期比11.0%の減少(福岡県アスファルト合材協会調べ)。
    小口の維持補修工事向けが需要の中心で,荷動きは精彩を欠いている。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり9,500円どころ。
    主原料であるストアス価格が高値で推移しており,メーカー側には製造コストの増加要因として重荷となっている。
    しかし,市場では,需要低迷による供給過剰な環境を受け軟弱な相場が続いている。
    今後も,需要の不透明感が強く,先行き,弱含み推移の公算大。

  • アスファルト混合物【福岡】

  • 【那覇】

    沖縄県アスファルト合材協会調べによる2021年4~6月期の本島内の製造量は,7万8,824tと前年同期比2.2%の減少。
    小規模舗装工事が中心で,出荷は盛り上がりを欠く展開が続いている。
     
    価格は,再生密粒度(13)でt当たり1万3,000円どころ。
    メーカー側は,主原材料であるストアス価格や人件費等の上昇を理由に値上げの動きをみせているが,各社の足並みはそろわず,相場の引き上げには時間を要する見通し。
    先行き,横ばい推移。

     
     
     

    型枠用合板 産地高で依然高値相場(掲載:P217)

    現況:8カ月連続で上伸

    日本合板工業組合連合会発表による2021年1~6月期の合板輸入量は約122.6万m3で前年同期比1.8%減と,低水準の前年をさらに下回った。
    このため,港頭在庫は回復の見込みが立たず,依然として低水準で推移している。
     
    産地マレーシアでは活動制限令が継続されていることから,人員不足などで工場の稼働状況が通常の5割以下のメーカーがみられるなど,生産量は回復していない。
     
    価格は,無塗装品ラワン12×900×1800mmで枚当たり1,470円と前月比50円の上伸。
    産地メーカーは生産効率の悪化によるコスト上昇から強気の販売姿勢を崩さず,国内の流通各社は,在庫不足から高値玉を仕入れざるを得ない状況が続くなど,価格転嫁が一段と進んでいる。

    先行き:当面,強含み推移

    産地では新型コロナウイルスの感染再拡大が続いていることから,生産量の回復がさらに遅れる状況。
    このため,販売側では産地価格の先高観の見方を変えておらず,今後も売り腰を強め,販売価格の引き上げを目指す構え。
    当面,強含みで推移する見通し。

    (弓矢 亮)
  • 合板輸入量(年計)
  • コンクリート型枠用合板(無塗装品ラワン 12×900×1800mm)〈東京〉

  •  

    木材 米材・国産材共に大幅続伸(掲載:P232~248)

    現況:需給ひっ迫継続

    国土交通省発表による2021年6月の木造住宅の新設着工戸数は,4万5,750戸と前年同月比11.0%増。
    2021年1~6月期では前年同期比4.6%の増加となった。
    木材不足による着工のずれ込みに加え,注文住宅の住宅ローン減税の控除期間延長が9月末で終了することから,駆け込み需要が発生している。
     
    米材は,米国内の旺盛な住宅需要を受けて品不足が深刻化し,現地価格は高騰が続いている。
    このため,米松取扱高トップの国内大手メーカーは繰り返し値上げを実施。
    価格は,平角材・米松(KD)4.0m×10.5(12)×15~24cm特1等で3当たり10万3,000円と前月比1万5,000円の上伸。
     
    国産材は,需要の7割程度を占める輸入材の代替として注文が殺到。
    先行きが見通せない中,生産設備の増設へと向かう製材工場は少なく,市場では生産余力分を取り合う様相となっている。
    価格は,正角材・杉(KD)3.0m×10.5×10.5cm特1等で3当たり9万5,000円と前月比2万円の上伸となった。

    先行き:今後もさらに一段高の見通し

    国産材の生産量に限りがある中,米国での住宅需要に加え山火事や虫害の発生懸念から,今後も入荷量の増加は期待できず,需給ひっ迫は続くもよう。
    米材・国産材ともに,先行き,さらに一段高で推移する見通し。

    (菅家裕登)

     

  • 木材の総需要量・製材用材(年計)
  • 正角材(杉(KD)3.0m×10.5×10.5cm 特1等)〈東京〉  平角材(米松(KD)4.0m×10.5(12)×15~24cm 特1等)〈東京〉

  • 石油製品 コロナ禍で需要回復鈍く(掲載:P258~260)

    現況:軽油は横ばいも,ガソリンは続伸

    経済産業省発表の2021年1~5月期の資源・エネルギー統計によると,軽油の国内販売数量は1,309万㎘と前年同期比0.8%増加し,ガソリンは1,799万㎘と同2.5%増加となった。
    しかし,コロナ禍前の2019年と比較すると軽油は5.3%減少,ガソリンは同9.7%減少しており,いまだコロナ禍による需要減少からの回復途上にある。
     
    新型コロナの感染再拡大や,中東情勢の緊迫化などから先行きの原油相場に不透明感が増す中,流通業者に模様眺めの姿勢が広がったことで,価格は,軽油が㎘当たり10万6,894円(ローリー渡し・全国平均)と前月比横ばいで推移した。
    一方,ガソリンは原油高を受けて仕入価格が上昇。
    販売業者は採算向上すべく価格転嫁を進めた結果,レギュラー(スタンド渡し・全国平均)でℓ当たり139.1円(消費税抜き)と前月比0.8円の続伸となった。

    先行き:採算重視で,横ばい推移

    経済活動の本格化に期待は高まるものの,緊急事態宣言の発令が続いており,需要回復への足取りは鈍くなるとの懸念が強まっている。
    このため,販売業者側の数量確保の販売姿勢は影を潜め,採算重視を一段と強めている。
    先行き,横ばいで推移する見通し。

    (千葉信之)
  • 石油製品の販売量(年計)
  • 軽油(ローリー)(㎘) ガソリン(レギュラー・スタンド)(ℓ)〈東京〉

  •  

    電線・ケーブル 需要低迷する中,銅価高続く(掲載:P647~672)

    現況:値上げ交渉難航で,前月比横ばい

    日本電線工業会の電線受注出荷速報によると,主要部門である電気工事業者または販売業者向けの2021年4~6月期の出荷実績は,約7万634tと前年同期比4.3%の減少。
    首都圏では主力の再開発事業向け工事が端境期に入り,さらに東京オリンピック・パラリンピック期間中の工事抑制等もあり,需要は盛り上がりに欠く状況。
    再び動き出すには今しばらくの時間を要するとの見方が大勢。
     
    一方,国内電気銅建値は,t当たり108万円と前月初旬比で2万円の下落。
    銅価は3カ月の続落だが,依然としてt当たり100万円を超える高値水準で推移している。

    先行き:横ばい推移

    流通側は,高騰した銅価に応じた採算を確保すべく今後も売り腰を強めていくもようだが,高値を嫌う需要者側の抵抗もあり,先行き,横ばいで推移する見通し。

    (佐藤雅章)
  • 銅電線(建設・電販向け)の出荷量
  • CVケーブル(600V 架橋ポリエチレン絶縁ビニル シースケーブル CV3心 38mm2)〈東京〉

  •  
     
     

    一般社団法人 経済調査会
    土木第一部・土木第二部・建築統括部

     
     
    【出典】


    積算資料2021年9月号



     
     

    最終更新日:2021-12-27

     

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