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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 超高層ビルの解体工法

 

日本大学生産工学部建築工学科教授
湯浅 昇

 


 
日本では高さ100m以上の超高層ビルが700棟以上ある。
竣工当初は時代の最先端だった超高層ビルも、30〜40年も過ぎれば機能・性能は陳腐化し、
昨今は大地震時の長周期地震動も問題視されている。
リニューアルにも限界があり、今後、超高層建物の建替が増加する可能性があると考えられる。
 
赤坂プリンスホテル新館(地上39階・塔屋1階・地下2階、高さ138.9m)は、2012〜2013年にかけて解体が進められたが、
テレビや新聞で取り上げられ、広く一般市民や国際社会の興味を引いたことは記憶に新しい。
 
しかし、高さ100mを超える超高層ビルの解体は、従来の解体工法には未知の領域である。
超高層ビルは都市部に立地し、施工上の制約条件が多い。
さらに、上空の風は地上の数倍にもなり、仮設足場や養生材の設置・撤去が高所危険作業となるほか、
粉じんの広範囲への飛散、解体部材の飛来落下の危険性、騒音・振動の伝播など、配慮すべき課題は多岐にわたる。
 
大手ゼネコン各社は、超高層ビルの解体工法の開発・実用化を続けている。
以下、各社のプレス発表資料に基づき概要を紹介する(順不同)。
 

①鹿島建設:鹿島カットアンドダウン工法

下から解体する「鹿島カットアンドダウン工法」

下から解体する
「鹿島カットアンドダウン工法」


ビル外観をそのままにジャッキで建物を支持しつつ下層階から解体する工法。
従来工法に比べ騒音や粉じんの飛散を抑制できる。
また、常に地上付近で一定の作業を繰り返して行うため、
環境対策設備や施工設備を盛り替える必要がなく、
周辺環境への影響因子を一定の場所で確実に対策でき、
高所作業削減による安全性向上に効果がある。
 
2008年、同社の旧本社ビル解体工事で適用されたが、さらなる環境性能向上と短工期化を進め、
2012年には、高さ100mを超える超高層ビルの解体にも適用された。
 

②大成建設:テコレップシステム

閉鎖空間で解体を進める「テコレップシステム」

閉鎖空間で解体を進める
「テコレップシステム」


 
最上階の躯体を壊さずに有効利用して閉鎖空間を形成するとともに、
ジャッキを内蔵した仮設柱を設置し、
1フロアごとにジャッキで解体階を自動降下させていく。
閉鎖空間とすることで、
部材の飛散・落下、粉じんの飛散、騒音・振動などの問題を大幅に改善できる。
 
最上階の躯体の裏面には水平搬送用のスライド式天井クレーンを、
床面開口部には垂直搬送用のテルハを設置し、
分解した部材をクレーンで保護・荷降ろしする。
また、荷降ろしの際に生じる材料の自由落下エネルギーを活用した
「荷降ろし発電」により、徹底したエネルギー削減を図っている。
 

③大林組:キューブカット工法

床・梁・柱の構造部材を圧砕せずに、切断してタワークレーンで地上に下ろし、地上で分別処理することで、
騒音や振動、粉じんの発生を大幅に低減する。
 
振動・騒音の小さい機械により切断解体を先行して進め、クレーン作業の効率化を図り、短工期化を実現する。
同時に、構造フレームの切断手順と倒壊防止対策により、解体工事中の地震に対しても切断された部材の安全を確保する。
 
「QBカットオフ工法」をベースとして改良を重ね、「キューブカット工法」として進化した。
 

④清水建設:シミズ・リバース・コンストラクション工法

建物をビル上層部から順番に切断してブロック化し、
これを、通常新築工事で使うタワークレーンで地上まで吊り下げて、専用の処理サイトで分別処理する。
 
信頼性が高く実績豊富な数種類の既存技術を巧みに組み合わせ、効率よく単純作業を繰り返しながら解体することが、
工程を極めてシンプルにすると同時に、不要な仮設設備の省略にもつながり、
適用に際して制約がほとんどないという優れた汎用性を実現している。
 
柱・梁の切断作業の効率化に必要な一切の機能を集約したアタッチメント「クールカット」も、(株)コンセックと共同開発している。
 

⑤竹中工務店:竹中ハットダウン工法

ビル上部に周囲を覆った移動式解体工場(ハット)を設置し、下階へ移動させながら順次ビルの解体を行う工法。
 
ハットは天井クレーンを含む解体設備が一体となっており、解体する建物躯体を包みながら隙間なく降下し、
解体材もすべて建物内部を通して降ろすため、従来工法に比べより安全で環境にやさしい。
 
ハットの内部でカッターやワイヤーソーを用いてブロック単位に切断するため、粉じんや騒音の拡散を低減できる。
解体したブロックは建物内部から天井クレーンで降ろすので周辺への飛来落下の恐れがなく、都心部の工事に有効である。
 
 
 
【出典】


月刊 積算資料SUPPORT2014年10月号
特集「「解体」の最新技術」
積算資料SUPPORT2014年10月号
 
 

 

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