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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 長期使用に伴い老朽化した除雪機械の課題と取り組み《後編》

 

国土交通省 北海道開発局 事業振興部 機械課
小堀 文章
山口 洋士
佐々木 憲弘

 

4.除雪機械老朽化への対応

北海道開発局では、除雪機械の使用年数長期化に伴う課題に対応するため、
平成23年度に「除雪機械の最適化プロジェクト」を立ち上げ、
購入コスト削減、適切な機械メンテナンス、機械の長寿命化等に取り組んでいる。
 

4-1 除雪機械購入コストの削減

現下の厳しい財政状況を考慮すると、購入コストを削減し、
1台でも多く更新するため「除雪機械の多機能化」と「規格のダウンサイジング」、
「除雪装置の2世代使用」による購入コスト削減に取り組んでいる。
 
a)除雪機械の多機能化
限られた予算の中で機能や必要台数を確保するため、1台で2機種分の機能を備えた除雪機械を平成12年度から113台導入し、
購入コスト削減に取り組んでいる(表-1)
 

表-1 除雪機械の多機能化

表-1 除雪機械の多機能化


 
多機能化による購入コスト削減は老朽化した機械の更新台数を増やす効果がある他、
保有台数が減少するため、維持管理コストの削減効果がある。
 
b)規格のダウンサイジング
除雪機械は、配置されている工区の降雪量等によって、機械に求められる能力が異なるため、
地域・路線特性に合った適正な規格となっているか見直しを行い、規格のダウンサイジングを行っている(表-2)
 
表-2 ダウンサイジングによる購入コスト削減率

表-2 ダウンサイジングによる購入コスト削減率


 
c)除雪装置の2世代使用
機械更新時に現況が比較的良い除雪装置を新車に載せ換えし、購入コスト削減に取り組んでいる。
平成21 〜25年度に除雪トラックのサイドウィングと小形除雪車のブレードを計7台載せ換えした(図-6)
 
図-6 除雪装置の載せ換え

図-6 除雪装置の載せ換え


 

4-2 除雪機械の稼働平準化

北海道は、地域によって降雪量が異なるため除雪機械の稼働時間に差が生じ、
稼働が多い機械は重故障のリスクが大きく更新年数が短くなり、購入費を圧迫する。
そこで、購入後6〜8年経過した稼働が多い機械と比較的少ない同規格の機械の配置を入れ替え、
各機械の更新時期が同じとなるよう稼働の平準化を実施し、平成20〜25年度まで80台の配置を入れ替えた(図-7)
 

図-7 除雪機械の稼働平準化イメージ

図-7 除雪機械の稼働平準化イメージ


 

4-3 除雪機械のメンテナンス

a)予防整備の実施
除雪機械は、使用年数の長期化(老朽化)に伴い重故障の増加や部品調達遅れにより修理日数が長期化している。
このような中、安定的な稼働を確保するためには、的確かつ効率的な予防整備が重要である。
そこで、過去の重故障発生時における稼動データ等の解析により、
「重故障が発生する前の最適な時期に予防整備を実施する基準」を平成24年度に作成し、8項目、87台の予防整備を実施した(表-3)
 

表-3 平成24年度予防整備実施概要

表-3 平成24年度予防整備実施概要


 
その結果、予防整備を実施した全項目の故障件数が大幅に減少し、冬期の安定稼働に寄与した(図-8、9)
 
図-8 予防整備の効果(故障件数)

図-8 予防整備の効果(故障件数)


 
図-9 予防整備の効果

図-9 予防整備の効果


 
b)日常点検・定期点検の実施
北海道開発局の除雪機械は、除雪工事の受注者に貸し付けているが、
機械を良好な状態に維持するためには貸付期間中のメンテナンスが重要であることから、
当局独自の取り組みとして、機種ごとの「運行前点検記録表」と「定期点検整備記録表」を作成し、
記録表の点検項目に従った点検の実施を工事特記仕様書に明記した(図-10)
 
図-10 運行前点検記録表・定期点検整備記録表

図-10 運行前点検記録表・定期点検整備記録表


 
また、貸付期間中において、除雪機械の稼働がない場合もエンジンと除雪装置を定期的に運転操作し点検を行うなど、
信頼性のある稼働を確保するため、適切な日常点検・定期点検整備に取り組んでいる。
 

4-4 除雪機械の長寿命化、部品の高耐久化

除雪機械の長期使用において、故障が少なく安定した稼働を確保するため、機械の長寿命化、部品の高耐久化に取り組んでいる。
 
a)高防錆塗装の試行
錆による腐食を防止するため、除雪トラック、ロータリ除雪車、凍結防止剤散布車、計92台に高防錆塗装を試行している。
今後は防錆効果とコスト等を検証する予定である(図-11)
 

図-11 高防錆塗装の試行

図-11 高防錆塗装の試行


 
b)めっきボルトのステンレス化
凍結防止剤散布車と除雪トラック(散布装置付)は、塩化ナトリウムを散布するため、
錆の進行が速く、めっきボルトのめっきが剥離すると発錆することから、
今年度の新車からステンレスボルトに材質変更し、防錆対策に取り組んでいる(図-12)
 
図-12 めっきボルト→ステンレスボルト化

図-12 めっきボルト→ステンレスボルト化


 
c)凍結防止剤散布用スクリューの溶射加工
凍結防止剤散布車と除雪トラック(散布装置付)の散布用スクリューは、
塩化ナトリウムとの摩擦によってスクリューが摩耗することはないが、
防滑材(砂)を散布する場合は、防滑材との摩擦により摩耗が早く2 〜3年ごとに交換する必要がある。
その交換費用が高価(約90万円/本)であることから、
今年度からスクリュー羽根に硬い皮膜を形成する溶射加工を試行し、耐久向上と整備コスト削減を図ることとしている。
現在まで3台実施し、効果を検証した上で実施台数を拡大する予定である(図-13)
 
図-13 凍結防止剤散布系機械スクリュー溶射加工

図-13 凍結防止剤散布系機械スクリュー溶射加工


 
 

5.まとめ

北海道は、冬期間、厳しい気象条件下にあり、
平成24年度には札幌市で年間積雪日数が観測史上2 位(153日)を記録するなど、雪が住民生活に与える影響は大きい。
そこで、北海道開発局は、北海道の冬期道路交通に欠かせない除雪機械の使用年数長期化という課題に対応するため、
官民の関係機関と連携した「除雪機械の最適化プロジェクト」により、
除雪機械の継続的な更新と購入コスト縮減、適切な機械メンテナンス、機械の長寿命化等の取り組みを実施してきた。
今後も、これらの効果を検証し、除雪機械の安定稼働に向けた、実効性のある取り組みを継続していきたい。
 
 
 
長期使用に伴い老朽化した除雪機械の課題と取り組み《前編》
長期使用に伴い老朽化した除雪機械の課題と取り組み《後編》
 
 
 
【出典】


月刊 積算資料SUPPORT2014年07月号 別冊
特集「雪寒対策資機材特集」
月刊 積算資料SUPPORT2014年07月号 別冊
 
 

 

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