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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料公表価格版 > 特集 どこでもトイレプロジェクト > 快適トイレの標準仕様

 
国土交通省では,建設現場において男女ともに働きやすい環境を整備する取組みを進めており,その一環として,男女ともに快適に使用できる仮設トイレを「快適トイレ」と名付け,平成28年8月に標準仕様を定めた。
同年10月1日以降に入札手続きを開始する土木工事から「快適トイレ」の導入を原則化し,平成30年度は全国で3,000件以上の直轄工事で導入されている。
 
「快適トイレ」が全国の自治体に広まり,さらなる普及を進めるためにも,あらためてここで「快適トイレ」の標準仕様を紹介する。

「快適トイレ」の標準仕様イメージ(改定)令和2年8月一部見直し
図-1 「快適トイレ」の標準仕様イメージ(改定)令和2年8月一部見直し
作成:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/tec/kankyouseibi.html


[快適トイレに求める機能の考え方]
(1)快適トイレに求める機能

①洋式(洋風)便器
快適トイレは洋式(洋風)とする。
洋式便器のほか,例えば,予め製品として和式便器から洋式に変更するユニットが用意されており,ユニットを活用することで洋式便器として使用することが可能となるものなども対象とする。
なお,既存の和式便器の上に簡易な洋式便座を被せて洋式とする方法は原則認めない。
 
②水洗及び簡易水洗機能(し尿処理装置付き含む)
汚物を水で流す,もしくはし尿処理機能がついているなど衛生的にトイレを利用することができる機能を有することとする。
 
③臭い逆流防止機能
トイレの臭気を気にせずに使用できるよう,臭い逆流防止機能を有していることとする。
例えば,簡易水洗の場合はし尿タンクから臭気が逆流しないよう,フラッパー機能等を有していること。
ただし,便器内に水(封水)が溜まっているなど臭気の逆流の懸念がない場合はフラッパー機能等を有しなくてもよい。
し尿処理機能を有するトイレは臭い逆流防止機能に該当する。
必要に応じて,し尿タンク用防臭剤を活用して臭気対策を行う。
 
④容易に開かない施錠機能
施錠していても容易に開いてしまうという不安感を持たれないよう,外側から容易に開かない施錠機能を有することとする。
なお,緊急時には外から解錠出来る機能を有することとする。
 
⑤照明設備
トイレを使用する際に照明を利用できる機能を有していることとする。
建設現場は電源が確保できない場所が多いため,電源が確保できなくても照明を利用できるようにしておくことが望ましい。
ただし,電源が確保できる場合は電源を用いて照明を利用しても良い。
 
⑥衣類掛け等のフック付,又は,荷物の置ける棚(耐荷重を5kg以上とする)
安全帯などを掛けることができるフックまたは荷物の置ける棚を設置しておくこととする。
安全帯などの重さも考慮し,5kg以上のものを掛けることができることとする。

 
 

(2)付属品として備えるもの

以下の項目については,必ずしもトイレメーカー等に求める機能ではなく,施工業者が自ら購入し設置することで差支えない。
 
⑦現場に男女がいる場合に男女別の明確な表示
女性用のトイレを設置している場合は,その旨を周知するため,男女別の明確な表示をドア等に示すこととする。
 
⑧周囲からトイレの入口が直接見えない工夫
トイレに入るのを見られることを好ましく思わない者も多いため,入口に目隠しを設置したり,入口が目立たないようにトイレを配置したりするなど工夫すること。
その際,男女別にトイレを設置する場合は各々のトイレからお互いのトイレの入り口が見えないように工夫すること。
また,ハウス型トイレなどトイレの個室の扉の外側に別途扉があり,トイレの個室の入口が周囲から見えない場合は,改めて目隠しを設置する等の工夫をしなくても良い。
 
⑨サニタリーボックス
女性用トイレには必ずサニタリーボックスを設置することとする。
 
⑩鏡と手洗器
手の衛生を保つことや身だしなみを整えることも,快適な作業環境には必要であることから,鏡と手洗器を設置することとする。
なお,必ずしもトイレと一体となっている必要はない。
 
⑪便座除菌クリーナー等の衛生用品
備え付け以外の別途用意したもので差支えない。
ただし,衛生的に使用できるよう,便座除菌クリーナー等は衛生的な場所に設置することとする。

 
 

(3)推奨する仕様,付属品

トイレ環境がより快適になるため,将来的には以下の項目も満足してほしいと考えている項目である。

⑫便房内寸法900×900mm以上(面積ではない)
現在普及している寸法では大柄な方は利用しづらいため,快適に利用できる広さのトイレが望まれる。

⑬擬音装置(機能を含む)
店舗等のトイレでは普及してきており,また仮設トイレの構造上音漏れがしやすいため,備えていると好ましい。

⑭着替え台
トイレ内で着替えをする必要性に迫られることもあり,また装備品を置く台としても活用できるため,着替え台があると便利である。
ただし,そのためには着替えをできるだけの広さを有することも必要である。

⑮臭気対策機能の多重化
臭気を気にせずにトイレを利用できるようにするため,臭気対策機能(フラッパー機能やし尿タンク用防臭剤等)を複数有しているほうが望ましい。

⑯室内温度の調整が可能な設備
特に夏は室温が高くなりやすいため,温度調整が可能な設備(窓,空調設備等)を有していることが望ましい。

⑰小物置き場(トイレットペーパー予備置き場等)
トイレットペーパーや掃除用具などを保管できるものを⑥とは別に設けることが望ましい。
必ずしもトイレに求める機能ではなく,現場の工夫で保管場所を設置することで対応することもできる。

 
 
 

【出典】


積算資料公表価格版2022年12月号
積算資料公表価格版

 
 

最終更新日:2023-09-08

 

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