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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 設備BIMの運用について現状と希望《その3》

 

新菱冷熱工業株式会社 谷内 秀敬

 

改修工事におけるBIM運用事例

1)本社省エネeco化プロジェクト
当社は本社ビルの改修工事を決定し、建築設備のリーディングカンパニーとして技術力を結集させた「省エネ計画」を採用した。
 

本社改修工事用BIMモデル

本社改修工事用BIMモデル


 
本社ビル省エネ改修工事ではS-CADを活用し、モデリング計画、納まり計画、シミュレーション等を行った。これらのアイデア、技法を集約した設計を行って施工の見える化を意識し、「設計段階から各部の納まり、取り合い」を3次元で確認しながら設計図を作成した。この設計図データはそのまま施工担当者へ引き渡され、施工が行われている。
 

屋上設計モデル
屋上設計モデル
屋上施工モデル
  屋上施工モデル

 

事務所内設計モデル
事務所内設計モデル
事務所内施工モデル
  事務所内施工モデル

 
設計図からS-CADを用いることで、単線設計から複線の施工図を作成する作業を省くことができ、複線で事前検討された設計図をそのまま直接利用できる。これにより問題点が「見える化」「見せる化」され、その場で解決することができた。
 
2)日中友好会館
改修工事の設計提案に求められているのは、既存のシステムが設置されている現状を把握し、より高効率な運用が実現できるシステムを既存空間で実現する施工技術である。改修工事で課題を解決する手法としてS-CADを積極的に使った日中友好会館本館を紹介する。
 
この現場では、次の課題があった。
 
①短工期であること
 建物全体の熱源を、大幅なシステム変更を加えて更新することは、すなわち空調システムの停止を意味する。空調停止が可能な期間は、冷房と暖房を切り替える中間期に限定される。今回の空調停止期間は20日間であった。また施工業者決定から工事開始まで2カ月と二重の意味での短工期であった。
②施工空間に制限があること
 既存熱源システムは蓄熱水槽を備えた地下4階の機械室であり、冷却システムは屋上階地上80mにある。屋上階の冷却システム設置スペースへの搬入搬出の手段は、大型のレッカーを用いるほか術がない。しかも地下への搬入動線・経路が遮断されている。新システムの採用で分散された熱源を1カ所へ集約するため、別棟の語学学校と寮への主要熱源供給とする配管経路を新たに設ける必要があった。既存施設のさまざまな制限の中で、配管経路を短時間で決定しなければならなかった。それらの課題に対して、BIMを活用した情報共有に取り組んだ。
 

情報共有

情報共有は「周知」「課題解決」の観点で運用することが必要である。そこで、施工情報としてのS-CAD BIMモデルの格納フォルダを定め、情報共有関係者がアクセスできる仕組みを構築した。施設全体のBIMモデルを「工期別」「棟別」「階別」「工事種別」「その先」「施工手順別」「システム別」に定義したフォルダに、作業日の時間軸を加え管理運用した。
 
関係者には、どこに必要なデータがあるか、どのデータが関連付いているのかを周知。これにより最新データの管理を行え、関係者間で目的のデータを検索する時間を大幅に短縮し、「課題解決」に向けたスピーディな情報のキャッチボールを行えた。
 
「周知」方法は社内のさまざまな案件を誰でも理解できるように全社で標準化を促しており、工期途中に応援で参加する技術者も即情報共有の戦力となり得る環境となっている。このような決定されたことを正確に周知する情報共有の仕組みを確立した。
 

IPDによるコミュニケーション

情報が勝手に精度を高めていくことはない。情報は人が判断し選択するものであり、そのアシストをするのが情報技術であり施工情報である。施工図は人が作り上げていくものである。課題を解決するために考え出された概念に「IPD(Integrated Project Delivery)」というものがある。
 

IPD(インテグレート・プロジェクト・デリバリー)概念図

IPD(インテグレート・プロジェクト・デリバリー)概念図


 
これは、プロジェクト関係者が一堂に集まり、協力し合いながら合理的な計画・施工を進めていく体制である。この考えのもと、施主側も参加した定例会議において、BIMモデルを共有し課題を解決することができた。
 
会議中、われわれ施工者はBIMモデルを操作し、「課題解決」に必要な情報を参加者の要望に合わせて瞬時に提示していった。将来の完成形、地中の既設インフラ状況、複数の系統が交錯する熱源など「見えない」「見えにくい」設備性能に関わる空間情報を、関係者が「見たい」タイミングで「見せる」運用を実施したのである。
 

3次元計測トータルステーションの活用

「設備停止」「既存撤去」「新設機器据付」の工程は3交代24時間の作業である。夜間の作業において、正確な据付位置のマーキング作業に3次元計測トータルステーションを活用し、S-CAD BIMモデルと位置情報を連携させた。
 
居ながら改修工事では系統ごとに施工手順を工夫する必要がある。止水バルブを凍結工法で挿入するポイントをS-CAD BIMモデルで決定した。改修工事では既存の設備、新設する設備、再利用の方法、空間内に時間軸を持ったモデルを使うことで、工事順番の確認、仮設資材の手配や工事の過程を「見える化」することが有効である。「見える化」には「見せる化」とセットでフォローした。
 

時間ごとによる工種の見える化

時間ごとによる工種の見える化


 
計画段階ではわたりの冷温水、冷却水配管は地中ピット埋設ルートを予定していたが、地中障害の発見で施工が困難となってしまった。
 
既存地中鉄骨の回避検証

既存地中鉄骨の回避検証


 
暖房開始日までに設備を復旧させる計画は実現が危ぶまれたが、新たな配管設置方法として建築意匠と調和する架空計画を立案した。計画決定・施工までのコミュニケーションにBIMモデルを段階的に発展させ、意思決定を進めていった。
 
モデルの段階的発展による意思決定の促進

モデルの段階的発展による意思決定の促進


 
 
 

設備BIMの運用について現状と希望《その1》
設備BIMの運用について現状と希望《その2》
設備BIMの運用について現状と希望《その3》
設備BIMの運用について現状と希望《その4》
設備BIMの運用について現状と希望《その5》

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2013
特集「建設イノベーション!3次元モデリングとBIM&CIM」
建設ITガイド2013
 
 

 

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