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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 設備BIMの運用について現状と希望《その4》

 

新菱冷熱工業株式会社 谷内 秀敬

 

道具の整備−社内委員会 仕様策定の取り組み−

社内S-CAD推進プロジェクトの仕様策定分科会として、設備BIMツールの新規開発に取り組んでいる。今までの操作の複雑さを解消すべく直感的な操作で簡単に入力でき、陰線処理の時間を短縮し簡単に出力できることを目標に開発に携わってきた。社員の声を反映し使い勝手を向上させ、2次的利用計算ソフトも組み込む等、他CADソフトとの差別化も合わせて検討。分科会のメンバーはS-CADのヘビーユーザーを中心に構成され2週に1回の頻度で毎回8時間にも及ぶ会議を開催している。あくまでも施工図を書く道具として整備したわけである。
 

分科会開催風景

分科会開催風景


 
他のBIMツールとの差別化した具体的内容は、
 
①描写としてアイソメ図の自動化
②2次利用として静圧計算、揚程計算、排煙漏量計算、保有水量計算、材料拾い集計、発注帳票作成、試験帳票作成の自動化
③CFD(流体シミュレーション技術)との連携である。
 
他ツールにない機能は、設備会社が開発したからこそできたものと確信している。あくまでも施工図を書く道具であるが、書いた施工図を元に必須となる計算も同時にでき、CADオペレーターでも計算等が簡単にできることが特徴だと考えている。
 
今までは他ソフトとのデータ互換性に課題があったが、Be-BridgeやIFCによる互換性も向上し、作業上の課題も解消した。また、機能面・描画においても他ソフトと同等以上の機能を追加し、誰でも使用できる設備BIMツールとしている。
 
 

施工図教育

3D-CADは、工事ノウハウを熟知した技術者がPC内の仮想現場で施工をイメージさせながら、ものをつくりあげていくことができる作図ツールである。従って、3D-CADを有効活用するためには現場技術者がその作成業務に関わらなければならない。
 
近年、現場業務の多忙化により、現場技術者が図面作成に携わる機会が減ってきた。施工図ノウハウを上司が部下に伝承する場面も少なくなってきた。図面作成業務を外注するケースも多い。自ら施工図を描いたことがなければ他人の描いた施工図はチェックできず、施工不備によるトラブルを招きかねない。
 
当社は、それらの問題を解決するために、若手技術社員を中心とした施工図教育に取り組んでいる。3D-CAD操作の習得だけではなく、ベテラン社員が施工ノウハウをみっちりと教育し、それを図面に反映させる訓練を行っている。グループごとに分かれて3Dの同一モデルを複数人が同時進行で作り上げていくカリキュラムがあり、現場を想定したより実践的な作業を体感している。
 

施工図教育風景

施工図教育風景


 

今後の構想

1)材料集計
施工図が完成するとそこに書かれているさまざまな材料(配管・ダクト・器具類など)を集計して、その手配や工事コストを算出する。今までは2D表示の図面を紙に印刷し、手作業で集計するのが一般的であった。3D-CADで作成すると、同時に属性情報が記憶されるため、PC上での集計が可能となる。データベース化した材料データから資材の手配や納品検査にも利用でき、手配ミス防止に寄与する。
 
2)配管・ダクトの圧力損出計算
3D-CADの属性情報はさまざまな技術計算にも活用できる。その一例として配管・ダクトの圧力損出計算が挙げられる。ポンプやファンが設計通りの能力が発揮するかどうか、その計算結果から判断する。無理な配置をすると、能力が出なくなる場合もあり、必ず行う業務である。3D-CADでは、配管・ダクトの属性情報を基に各ルートの圧力損出が自動的に計算できる。計算する作業が大幅に削減でき、算出ミスがなくなる。さらに能力削減の検討ができ、省エネルギー化が図れる(特許第5021790号)。
 
3)試験帳票
設備工事では、配管・ダクトの施工が完了した時点で必ず風量試験や漏洩試験、満水試験、通水試験などの性能試験を実施する。担当者は試験結果について、確認のために写真撮影し、試験条件等を記入した試験帳票を作成する。試験箇所が多数になると、帳票作成業務が膨大になる。
 
当社は3D-CADの属性情報を利用し。諸条件を入力するだけで簡単に帳票が作成できるシステムを運用している。現場事務所内での帳票作成業務の大幅な削減ができるとともに、試験結果を正確に記録することで品質確保にもつながる。
 

試験帳票1
試験帳票2

 
4)3次元計測
3次元空間の位置計測技術は近年、計測機器のコスト面および精度が大幅に向上し、実用レベルになった。当社ではトータルステーションおよびレーザースキャナーを活用、高精度な3次元モデルを作成して生産性向上を目指している。
 
現場における計測・墨出し作業は施工精度に大きく影響する重要な業務である。3次元モデルとモータードライブ型トータルステーションを連携させて、墨出し作業の精度向上と時間短縮を図ることができ、多くの現場で活用している(特許第5044596号)。
 

機器アンカー墨出しの様子
機器アンカー墨出しの様子
墨出しの様子
 墨出しの様子

 
改修工事において既存躯体や設備を3次元スキャナーで計測し、その点群データを3次元モデル化してプレハブ加工へ展開する取り組みを開始し、いくつかの現場で運用した。
 

3次元計測1
矢印
3次元計測2
矢印
3次元計測3

 
5)CFD解析
室内の気流や温度分布を予測する手法としてCFD解析が一般的になってきており、当社でも多くの実績がある。これまでは専用の解析ソフト上で計算モデルを入力していたため、対応物件が増加するとともに、入力担当者の負担が大きくなっていった。そこで、解析に必要な条件を3D-CADに入力することですぐに解析ができる機能を開発し、運用を開始した。解析のためにわざわざ計算モデルを入力する手間がなくなり、大幅な効率化が図ることができる。
 
CFD解析
 
6)現場のクラウド化
当社ではiPadを使ったクラウド型の施工管理システムを開発、運用を開始した。施工業務の大幅な効率化を目指しており、その一環として3DCADと連携し、生産性を高めるためである。iPad用のアプリは市販のものに独自の機能を加え、プライベートサーバーに保存した図面やさまざまな資料をパソコンとiPadで共有することができる。現場内で3次元モデルデータの確認や作業進捗の確認、さまざまなチェックに効果を発揮する。
 

iPadアプリ(Accel-Gear) 画面イメージ

iPadアプリ(Accel-Gear) 画面イメージ


 
7)FM管理
3Dモデルの資機材をデータベース化し、メンテナンス時期や消耗品の交換時期等を管理するFM管理について、試験的な運用を開始している。
 
FM管理
 
 
 
設備BIMの運用について現状と希望《その1》
設備BIMの運用について現状と希望《その2》
設備BIMの運用について現状と希望《その3》
設備BIMの運用について現状と希望《その4》
設備BIMの運用について現状と希望《その5》

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2013
特集「建設イノベーション!3次元モデリングとBIM&CIM」
建設ITガイド2013
 
 

 

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