• 建設資材を探す
  • 電子カタログを探す
建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > ゼネコン目線のCIM「施工CIMの行方」 《その3》

 

社団法人 日本建設業連合会 土木本部 公共工事委員会ICT部会 情報共有専門部会長
株式会社 大林組 杉浦 伸哉

《その2》を読む
 

施工CIMの課題

今までは施工に利用するための事例を述べたが、CIMの本質は何かを理解せずに、施工で利用する方法ばかり考えても、あまり意味はない。
 
以下の模式図を見ていただきたい。
 
模式図1
 
施工「CIMモデル」を利用するのは、建設プロセスの中で「施工部分」だけである。今回のレポートで紹介しているのは、この「施工部分」の活用のさらに「一例」を示しているに過ぎない。数量管理や品質管理・施工管理での利用については、それぞれの施工業者が、自らの生産性向上のために実施する内容であるため、施工での利用方法は多岐にわたる。
 
公共構造物を構築する施工業者としての社会的使命は、長期にわたり、公共構造物としての機能を果たすものを構築することである。
 
長期にわたり、公共構造物としての機能を果たすためには何をすべきか。施工中の品質管理はもちろんのこと、機能を維持するためには、維持管理を行うことが重要である。
 
維持管理を実施するために必要な情報は、われわれ施工業者が施工中に管理している品質記録だといわれているが、本当にそれだけであろうか。
 
今回の施工CIMは、この維持管理に向けた取り組みの一環として見ることも重要ではないかと感じている。
 
模式図2
 
上記のように、施工時には維持管理に必要な情報があり、その部分をCIMで取り扱うことができれば、維持管理への取り組みについてさらに広く活用の範囲が広がるはずである。そのため、「施工CIM」は設計時の不具合確認という部分だけにとどまらず、施工時に実施している計測データとの関連を強化することが、重要ではないかと思っている。実際に施工でモデルを扱ってみて、その可能性を強く感じる。
 
すでに、施工時に計測した情報をモデルとリンクさせ、以後の維持管理に役立てるような取り組みも行われており、今後これらのデータを維持管理に役立てるための取り組みがますます増えていくであろう。
 
 

CIMの行方

CIMという概念を土木業界に根付かせるために新たな取り組みがスタートしたわけであるが、これからのCIMの行方はどうなるのであろうか。
 
CIMは誰にメリットのある仕組みなのか。施工分野は施工者が、設計部分は設計者がメリットを求める従来の方法は、これまでのCALS/ECで効果がないことは明白である。
 
個別最適化を求めると、従前のデータが次のフェーズに引き継がれず、また、データの欠落が生じる。この仕組みの欠陥は何かというと、「データの受け渡し」が問題なのである。これからは受け渡すのではなく、1つのデータをそれぞれのフェーズの関係者で「共有」することが求められているのである。
 
「プロダクトモデル」を「情報共有」し、各フェーズにおいて必要な情報を付加していく
 
「プロダクトモデル」を「情報共有」し、各フェーズにおいて必要な情報を付加していく。これによってCIMという概念が構築される。
 
このCIMという概念をマネジメントするのは誰か。そう、このマネジメントを実施する人こそが公共構造物の構築・維持管理責任者の発注者なのである。
 
そのために国土交通省は2012年7月からCIM制度検討会とCIM技術検討会という2つの検討会を立ち上げ、制度面を中心とした検討と、CIMというデータを効果的に利用するための検討の両面からの対応を視野に入れて検討を始めた。
 
われわれ施工分野に携わる日本建設業連合会は、CIM制度検討会とCIM技術検討会の両検討会に参加し、CIMという概念を成功させるために全体最適化を見据えながら、施工分野における意見を述べている。と同時に、CIMを施工部分における生産性向上にも寄与するものとするため、「プロダクトモデル」の効果的活用と「情報共有」基盤の活用しながら、その有効性をいち早く確認すべく日々試行錯誤を行っている。
 
今回の動きがCALS/ECと同じ轍を踏まぬように、心眼をもって進めていきたい。
 
 
 
 

ゼネコン目線のCIM「施工CIMの行方」《その1》
ゼネコン目線のCIM「施工CIMの行方」《その2》

ゼネコン目線のCIM「施工CIMの行方」《その3》
 
 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2013
特集「建設イノベーション!3次元モデリングとBIM&CIM」
建設ITガイド2013
 
 

 

同じカテゴリの新着記事

ピックアップ電子カタログ

最新の記事5件

カテゴリ一覧

バックナンバー

話題の新商品