5 施工実績(用途)
橋梁基礎工事
道路・鉄道などの橋梁基礎として、ケーソン基礎は信頼性の高い基礎を造ることが可能。
環境問題を考慮して河川内工事では、桟橋・桟台施工が主流になっている。
シールド・推進用の立坑、人孔工事
都市土木で計画されるシールド工事は、地下鉄・上下水管渠などの既設地下構造物を回避するために大深度となり、
周辺への影響および安全性を考慮して圧入ケーソン工法の採用が増えている。
上・下水道処理場工事/緊急対策用の貯留池・調節池工事
在来工法では、深度および土質等により構造物の漏水問題が発生しており、
地上で永久構造物を構築するケーソン工法の信頼性が高いことから、大口径・大深度での実績が増えている。
建築地下構造物工事
ビルの新築および建替え工事では、建築物が林立する中で基礎や地下室の工事を施工しなければならない。
圧入ケーソン工法の特徴である、刃先部の強制貫入と水中掘削によって施工することにより、
周辺地盤への影響を最小限に抑えることができる。
U型構造物工事(河川改修・水路・沈埋道路・耐震護岸)
ブロック型ケーソンを連続圧入して、既設の堤体に手を加えることなく施工できる。
河川改修では、瀬替えをせずに流量断面を確保したままで河積断面を増加させることが可能。
近接家屋等に影響を及ぼすことなく施工でき、縦断方向で施工することにより用地買収が不要。
新設護岸は、既設道路部より河川前面に15m程度張り出す形状となり、
津波・高潮・地震時に対する構造安定性の確保および河道への影響、生態系に配慮し、
通水性の確保を満足する機能構造形式として、ピロティ型式に決定。
“圧入ケーソン”構造護岸が採用され、ハイアック圧入ケーソン工法で施工した事例である(工事延長120m)。
形状:矩形15.0×11.0m、
深=9.0m…7函②~⑧
5角形9.8×10.5×2.6×11.3×2.1m、
深=9.0m…1函①
重量物の吊上げ・吊降し工事(橋桁・重量物仮設)
橋桁やケーソン基礎などの重量物を吊降ろす作業では、
シャトルシステム付きジャッキを使用することにより大型クレーンが設置できない現場でも安全に作業ができる。
ハイアック方式のグリッパー保持機構は、摩擦保持によらずグリッパーロッドのステッピングを機械的に噛み合わせるため、
作業中に引張材の滑落が生じないので、吊降ろし作業の安全性を高めている。
6 施工実績(条件)
近接施工
ケーソン刃先部の強制貫入と水中掘削によって施工するため、周辺地盤への影響を最小限度に抑えられる。
既設構造物に接近した地下構造物(ケーソン)を深度に応じて施工が可能。
狭隘施工ヤード
構造物構築に要する用地と掘削機および排土設備程度の工事用地で施工可能。
都市部における狭隘(きょうあい)な施工条件にもマッチした工法である。
低空間施工ヤード
施工基面、構築ロット高さを適切に計画することで、高架下などの低空間施工が可能。
鋼製セグメント
道路上、工期短縮および狭小な用地での立坑施工のため、
現場打ちに変わり鋼製セグメントの仮設立坑にも、ハイアック圧入ケーソン工法が採用されている。
7 提案
ハイアック圧入ケーソン工法による防波堤築造工法
東日本大震災では、太平洋沿岸部の港湾施設で壊滅的な被害が発生。
マグニチュード9.0という巨大地震による被害に加え、その後に押し寄せた大津波が被害を拡大した。
港湾施設の破壊はどのような特徴、あるいはメカニズムで起きたのか。
技術政策や調査が行われているが、ハイアック圧入ケーソン工法の利点を生かし、“防波堤築造工法”を下記のように提案している。
おわりに
豊富な施工実績を誇る「ハイアック圧入ケーソン工法」は、その施工性・機能性において、発注者より絶大な信頼を得ており、
近年この工法が採用される件数は増加しています。
また、他工法に比べて環境性にも優れており、
今後ますます多様化・複雑化する建設工事におけるニーズに合致する工法であるといえます。
グリッパーロッド方式ハイアック圧入ケーソン工法(NETIS:KT-990573)《前編》
グリッパーロッド方式ハイアック圧入ケーソン工法(NETIS:KT-990573)《後編》
【出典】
季刊土木施工単価2014年冬号
最終更新日:2015-06-17
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