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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 復旧・復興に向けた平成24年度の建設投資動向の概要

 

2012年度までの復旧・復興建設関連総予算は12兆3,991億円

2011年度補正予算と2012年度予算案を東日本大震災復旧・復興と全国防災で建設に関連する分野で
まとめた総額は12兆3,882億円に上る。
復旧・復興事業の規模は、’17年度末までの5年間で少なくとも19兆円程度、10年間全体で23兆円程度といわれており、
’12年度末までに5年分のおよそ6割、10年分の5割が建設関連分野に充てられる計算だ(図-1、表-1)。
 

図-1 復旧・復興関係予算建設業関連分野の内訳

図-1 復旧・復興関係予算建設業関連分野の内訳


 
表-1 2011年度補正予算と2012年度当初予算案における東日本大震災の復旧・復興関係建設業関連分野総括表

表-1 2011年度補正予算と2012年度当初予算案における東日本大震災の復旧・復興関係建設業関連分野総括表


 
財務省の概要書を基にまとめた資料によると、第1次補正予算の「災害対応公共事業関係費」と、第3次補正予算、
’12年度当初予算案の被災地復旧・復興に関係する「公共事業の追加」の合計は3兆1,844億円で総額の25.7%を占める。
公共事業関係をさらに詳細な分野別に見ると、
最も多いのは、公共土木施設(河川、海岸、道路、港湾、漁港、農地・農業用施設、下水道など)で、1兆8,500億円だ。
 
震災時に被災地域を絶望に陥れた災害廃棄物(がれき)の処理事業の予算は、
’11年度第1次補正予算から第4次補正予算までと’12年度当初予算案を合わせて1兆821億円だ。
総額の8.7%に当たる。
 
総額のうち最も多いのは、26.1%を占める地方交付税交付金で、計3兆2,388億円に上る。
使途が固定されない地方自治体への配分予算で、一般的には公共事業など投資関係に使われるとは限らないものの、
今回は直轄事業の地方自治体負担分に同交付金を充てることで自治体の負担を実質的になくすことを目的に計上したため、
建設関連の予算として執行する可能性が高く、被災自治体にとっては貴重な復興財源だ。
 
さらに、復興の中でも特にまちづくりのために拠出されるのが、東日本大震災復興交付金だ。
’12年度末までの予算は計1兆8,480億円で、総額の14.9%に上る。
復興庁は、ハード事業として5省40事業の補助事業を統合し、ハード事業に関連するソフト事業にも充てられる仕組みで、
「考えられる事業にはすべて対応できる」としているものの、被災自治体からは、「求めた事業に使えない」といった声も聞こえる。
 
復興庁は、
「東日本大震災により、相当数の住宅、公共施設その他の施設の滅失
 又は損失等の著しい被害を受けた地域の円滑かつ迅速な復興のために実施する事業」
への交付を目的としており、事業化段階まで至っていない将来的な課題を見据えた事業や
「著しい被害」ではない地域も含めた計画について認めない方針だ。
事業化段階にある事業に優先して交付することで、予算の目減りを不安視する自治体による「先取り」の動きを抑える狙いもある。
 
1月末時点で78市町村計約4,991億円(事業費ベース)の申請があった。
 
復旧・復興対策の純粋な公共事業関係費だけの’11年度補正予算と’12年度当初予算案の総額は、
復旧が2兆2,252億円、復興が4,938億円としている。
 
被災地以外の地域への復旧・復興予算といえる全国防災は、
’11年度第3次補正予算と’12年度当初予算案の計上額を合わせると1兆579億円となった。
’12年度当初予算案公表時の財務省資料によると、
このうち、施設費など「非公共事業」の予算を除く、純粋な公共事業関係費は5,315億円だ。
被災地外の地域からの期待が大きい「全国防災」だが、
政府は集中的な復興期間となる3年間での全国防災対策費を約1兆円と見込んでおり、
非公共事業を含めれば’12年度当初予算案までに見込んでいた額すべてを計上したことになる。
 
 

1月末までの執行率は15省で54.6%

復興庁が公表した’11年度補正予算(第1次-第4次)で計上した東日本大震災復旧・復興予算の1月末までの執行状況では、
15省総額14兆3,404億円のうち、54.6%に当たる7兆8,287億円が執行済みとなっている。
道路の建設や港湾の整備など公共事業・施設整備の事業の予算は、
個所付けなどによって予算を執行する対象事業が決定し、「実施計画」に記載された額で、
雇用対策や産業振興など公共事業以外の予算は、各府省が自治体に事業内容と事業費を内示した額となっている(表-2)。
 

表-2  東日本大震災復旧・復興予算の執行状況

表-2  東日本大震災復旧・復興予算の執行状況-平成23年度補正予算計上分-(平成24年1月31日現在)


 
国土交通省分は2兆1,964億円の予算額のうち、67.5%に当たる1兆4,829億円を執行した。
国交省分の災害査定(都市公園、港湾除く)は1月末までにすべて完了しており、
事業化が固まっている事業については、すぐに工事を発注可能な状態だ。
前田武志国土交通相は「執行状況としてはそれほど悪くはない」との見解を示している。
 
執行率が最も高いのは財務省で、79億2,600万円の99.0%に当たる78億4,300万円が執行済み。
農林水産省は、1兆4,082億円の44.3%に当たる6,244億円となっている。
 
 

被災3県1市の2012年度予算案総額は2.3兆円

これら政府の予算からの配分を受ける岩手と宮城、福島3県と仙台市でも、’12年度予算案がまとまった。
宮城の一般会計は’11 年度当初の2倍を超えるなど、いずれも過去最大規模の予算を編成した。
このうち、復興関連経費は3県1市で2兆3,325億円に上る(表-3)。
 

表-3 被災3県1市の2012年度予算案

表-3 被災3県1市の2012年度予算案


 
岩手県の一般会計総額は1兆1,183億円で、うち震災対応経費は4,651億7,500万円。
’10年度補正予算からの累計は1兆1,634億円に達する。
投資的経費は274.2%増で、災害復旧事業費は2,821億円、河川474億円や漁港394億円、港湾176億円などとなっている。
災害公営住宅整備費は228億円で、釜石市分などではすでに設計に着手している。
沿岸12市町村から受託した災害廃棄物処理費は1,073億円だ。
 
宮城県の一般会計総額は1兆6,822億円で、3県1市の中で最も多い。
’11年度補正予算からの震災対応予算の累計は2兆5,253億円で、’12年度当初予算案は9,048億円をとした。
投資的経費は’11年度の4倍以上となる4,637億円。
主な災害復旧事業費は河川などが1,106億円、農地が467億円、港湾が366億円などで、
このほか災害公営住宅建設支援費に73億円、災害廃棄物処理には引き続き2,720億円を充てる。
 
福島県の一般会計総額は75.1%増の1兆5,763億円だ。
復興関連は8,082億円で、うち除染作業などの環境回復プロジェクトには2,812億円を計上している。
市町村が実施する除染支援に2,437億円、県管理施設の除染費237億円を盛り込んでおり、
12の重点プロジェクト186事業にあわせて6,421億円を充てる。
災害復旧費の一般会計に占める割合は4.6%だが、防災緑地整備には316億円を計上している。
県民健康管理拠点や薬品関連産業集積支援拠点、
風力発電や医療機器関連産業、環境創造戦略など新たな産業集積と拠点施設整備を進める考え方が強く示されている。
復興住宅整備促進費は271億円で、原発事故避難者を含めた整備計画をまとめるほか、1,000戸を供給する。
 
仙台市の’12年度予算案は31.2%増の5,786億円となった。
このうち、災害復旧費は333億円だが、投資的経費全体では1,397億円と一般会計の24%を占める。
丘陵団地など宅地復旧費288億円、津波被害を受けた東部地域の防災集団移転促進286億円、
復興公営住宅は1,027戸に75億円といった生活再建のための予算を多く積んだ。
 
県道10号塩釜亘理線をかさ上げする東部復興道路(仮称)の測量や設計、海岸公園再生基本構想、
エコモデルタウンや次世代エネルギー産業立地、震災メモリアル施設整備の調査なども進める予定だ。
 
 
 

筆者

財団法人 経済調査会 編集部
 
 
 
【出典】


月刊積算資料2012年4月号
月刊積算資料2012年4月号
 
 

 

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