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ホーム > 建設情報クリップ > 積算資料 > 平成27年度 建設投資見通し

 

はじめに

我が国の建設投資は、社会経済活動・市場動向等に与える影響は極めて大きい。
このため、国土交通省では、国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的とし、
昭和35年度から毎年度、建設投資推計及び建設投資見通しを作成し、「建設投資見通し」として公表している。
 
 

1.建設投資見通しの概要

 
平成27年度の建設投資は、前年度比5.5%減の48兆4,600億円となる見通しである。
 
①平成27年度の建設投資は、前年度比5.5%減の48兆4,600億円となる見通しである。
 このうち、政府投資は20兆1,600億円(前年度比14.2%減)、民間投資が28兆3,000億円(前年度比1.8%増)となる見通しである。
 これを建築・土木別に見ると、建築投資が25兆9,300億円(前年度比0.3%増)、
 土木投資が22兆5,300億円(前年度比11.4%減)となる見通しである(表-1、図-1)。
 

表-1 平成27年度建設投資(名目値)

表-1 平成27年度建設投資(名目値)


 
図-1 建設投資額(名目値)の推移

図-1 建設投資額(名目値)の推移


 
②平成26年度の建設投資は、前年度比0.0%増の51兆3,000億円となる見込みである。
 このうち政府投資は23兆5,000億円(前年度比4.2%増)、民間投資は27兆8,000億円(前年度比3.3%減)と見込まれる。
 建築・土木別に見ると、建築投資が25兆8,600億円(前年度比4.5%減)、
 土木投資が25兆4,400億円(前年度比5.0%増)となる見込みである。
③建設投資は、平成4年度の84兆円をピークに減少基調となり、平成22年度には平成4年度の半分程度にまで減少した。
 その後、東日本大震災からの復興等により回復傾向となっている。
 平成27年度の建設投資については、復興予算や平成26年度の補正予算等に係る政府建設投資が見込まれることから、
 総額として48兆4,600億円となる見通しである。
 
 

2.建築物リフォーム・リニューアル投資の動向

 
建築物リフォーム・リニューアル投資額は、平成27年度に11兆2,300億円程度となる見通しである。
また、建築投資全体に占める建築物リフォーム・リニューアル投資の比率は、住宅・非住宅の総計で33.7%となる見通しである。

 
建築物リフォーム・リニューアル投資額は、平成27年度に11兆2,300億円程度(対前年度比6.7%増)となる見通しである。
また、その内訳は、住宅41.8%、非住宅58.2%となる見通しである(図-2)。
 

図-2 建築物リフォーム・リニューアル投資額の推移

図-2 建築物リフォーム・リニューアル投資額の推移


 
建築物リフォーム・リニューアル投資額に、建築投資見通しの「建築」の投資額を加えた合計額(重複計上分を除く)は、
33兆3,600億円程度となる見通しである。
そのうち、建築物リフォーム・リニューアル投資額の占める割合は、図-3のとおりであり、
平成27年度には住宅で23.9%、非住宅で47.7%、総計で33.7%となる見通しである。
 
図-3 建築投資全体に占める建築物リフォーム・リニューアル投資額の割合(平成27年度見通し)

図-3 建築投資全体に占める建築物リフォーム・リニューアル投資額の割合(平成27年度見通し)


 
また、建築物リフォーム・リニューアル投資額に、建設投資見通しの「総計」の投資額を加えた合計額(重複計上分を除く)は、
55兆8,900億円程度となる見通しである。
 
 

3.国内総生産と建設投資の関係

 
平成27年度の建設投資が国内総生産に占める比率は、9.6%となる見通しである。
 
国内総生産に占める建設投資の比率は、昭和50年頃は20%以上あったが、その後、減少傾向となった。
昭和61年度から平成2年度にかけて一時増加したものの、その後再び減少基調となった。
近年では、10%付近を推移している状況である(図-4)。
 

図-4 建設投資の国内総生産に占める比率

図-4 建設投資の国内総生産に占める比率


 
図-5 国内総支出と建設投資の関係(平成25年度)

図-5 国内総支出と建設投資の関係(平成25年度)


 
 

4.建設投資の構成と推移

(1)建設投資の構成と推移

 
平成27年度建設投資見通しにおける建設投資の構成を見ると、政府土木投資と民間建築投資の合計が全体の約8割を占めている。
 
平成27年度の建設投資の構成を見ると、民間投資が58%、政府投資が42%である。
民間投資のうち住宅と非住宅を合わせた建築投資が49%を占めている。
政府投資は土木投資が37%を占めており、この両者で建設投資全体の約8割を占めている(図-6、7)。
 

図-6 平成27年度 建設投資の構成(名目値)

図-6 平成27年度 建設投資の構成(名目値)


 
図-7 政府・民間別構成比の推移

図-7 政府・民間別構成比の推移


 

(2)建築・土木別構成比の推移

 
平成27年度の建設投資は、建築投資が54%で、土木投資が46%となる見通しである。
 
建築と土木との構成比については、平成3年度以降、建築投資が減少する一方で経済対策により政府土木投資が大幅に増加したことから、
土木投資の占める比率が増加傾向となり平成10年度には51%となった。
 
その後、建築投資の占める比率が高まる傾向にあったが、
近年は建築投資が50%台前半、土木投資が40%台後半で推移している(図-8)。
 

図-8 建築・土木別構成比の推移

図-8 建築・土木別構成比の推移


 

(3)政府建設投資の動向

 
平成27年度の政府建設投資は、前年度比14.2%減の20兆1,600億円となる見通しである。
 
平成27年度は、平成26年度補正予算に係る政府建設投資があるものの、前年度比14.2%減少し、20兆1,600億円となる見通しである。
 
このうち、建築投資は前年度比14.2%減の2兆2,900億円、
その内訳は住宅投資が5,500億円(前年度比14.1%減)、非住宅投資が1兆7,400億円(前年度比14.3%減)となる見通しである。
 
土木投資は前年度比14.2%減の17兆8,700億円、
そのうち公共事業が15兆6,500億円(前年度比14.2%減)、公共事業以外が2兆2,200億円(前年度比14.0%減)となる見通しである。
 

(4)住宅投資の動向

 
平成27年度の住宅投資は、前年度比1.3%増の15兆3,900億円となる見通しである。
 
①平成26年度の消費税率引上げに伴う駆け込み需要により、
 平成25年度の民間住宅投資は、15兆7,900億円(前年度比12.0%増)まで増加したが、
 平成26年度は、その反動により14兆5,600億円(前年度比7.8%減)まで減少した。
②平成27年度は、消費税率引上げによる駆け込み・反動による増減は、落ち着くものと見込まれ、
 民間住宅投資は、前年度比1.9%増の14兆8,400億円となる見通しである。
 また、政府住宅投資を合わせた平成27年度の住宅投資全体では、前年度比1.3%増の15兆3,900億円となる見通しである。
 
(参考)
平成26年度の新設住宅着工戸数は、前年度比10.8%減の88.0万戸であった。
利用関係別に見ると、持家は27.8万戸(前年度比21.1%減)、貸家は35.8万戸(前年度比3.1%減)、
給与住宅は0.8万戸(前年度比49.2%増)、分譲住宅は23.6万戸(前年度比8.9%減)となっている(表-2)。
 

表-2 新設住宅着工戸数と伸び率の推移

表-2 新設住宅着工戸数と伸び率の推移


 

(5)民間非住宅建設投資(建築+土木)の動向

 
平成27年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、前年度比1.7%増の13兆4,600億円となる見通しである。
 
①平成27年度の民間非住宅建築投資は、平成26年度に引き続き、企業収益の改善等により、
 企業設備投資の増加が期待できることから、前年度比2.0%増の8兆8,000億円となる見通しである。
 また、民間土木投資は、前年度比1.1%増の4兆6,600億円となる見通しである。
 これにより、平成27年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、
 前年度比1.7%増の13兆4,600億円となる見通しである。
②平成26年度の民間非住宅建設投資(民間非住宅建築及び民間土木)は、
 前年度比2.2%増の13兆2,400億円となる見込みである(表-3)。
 このうち、民間非住宅建築投資は8兆6,300億円(前年度比2.5%増)、
 民間土木投資は4兆6,100億円(前年度比1.8%増)となる見込みである。
 

表-3 民間非住宅建設投資額(名目値)と伸び率の推移

表-3 民間非住宅建設投資額(名目値)と伸び率の推移


 
建設投資見通しは、国土交通省のホームページで公表しているので参照されたい
http://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000561.html)。
 
 
 

筆者

国土交通省 総合政策局 情報政策課 建設経済統計調査室
 
 
 
【出典】


月刊積算資料2015年11月号
月刊積算資料2015年11月号
 
 

最終更新日:2016-03-24

 

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