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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > 中部地方整備局における産・学・官CIMの取り組み

 

国土交通省 中部地方整備局 企画部 満仲 滋夫
同 企画部 技術管理課 下野 裕徳・有田 博宣

 

はじめに(産・学・官CIMについて)

国土交通省では、平成24年度より建設生産システムの効率化・高度化を図るため、CIM導入についての検討を進めています。
 
検討体制は、制度・基準等についての検討を行うCIM制度検討会と、
3次元モデルの構築・利活用の検討を行うCIM技術検討会の2つの検討会となります。
 
平成26年12月4日「産学官によるCIMの構築」についての記者発表がなされました。
平成28年度の「CIM導入ガイドラインの策定」に向け、産(CIM技術検討会)、学(土木学会)、官(国土交通省)が連携して、
実モデル構築を通じた課題の抽出・対応を検討する取り組みが始まりました。
 
4分野(橋梁、トンネル、ダム、河川)を対象に、全国5カ所の実モデル構築を通じて、課題抽出や対応検討を行っています。
 
産・学・官CIM検討会
 
中部地方整備局では、浜松河川国道事務所の「平成24年度 佐久間道路浦川地区第1トンネル新設工事」において、
トンネル分野の検討が進められています。
 
この工事のCIMの活用は、受注者の希望により行う、CIM試行事業の希望型工事として行われています。
 
現在進められているトンネル3Dモデルの作成と、
産・学・官CIM検討会(トンネル分野)の検討状況について、紹介させていただきます。
 
 

佐久間道路浦川第1トンネルの概要

三遠南信自動車道(国道474号)は、
長野県飯田市から静岡県浜松市を結ぶ延長約100kmの高規格幹線道路であり、
中央自動車道、新東名高速道路と連結し地域間の連携強化や、
沿線地域の秩序ある開発、発展等を目的に建設が進められています。
 
佐久間道路浦川第1トンネルは、
三遠南信自動車道の一部を構成する佐久間道路・三遠道路の東栄ICと佐久間ICの間(佐久間道路)延長6.9kmの間に位置します。
 
【工事概要】
(工期) 平成25年2月15日〜平成28年3月21日 
(受注者) (株)大林組 名古屋支店
(工事数量) 本坑L=1,555m 避難坑L=1,575m ほか坑門工、附帯工事
 
佐久間道路浦川第1トンネル 工事概要
 
 

トンネル3Dモデル(統合モデル)の作成

さまざまな利活用を想定し、得られる情報について1つに統合するかたちで、
トンネルの計画段階で作成する地層モデル、トンネルモデル、坑口地形点群モデルに、
施工中に得られる属性管理情報、計測結果情報、地質情報等を重ね合わせて作成します。
 
①地層モデルは、国土地理院で提供されている「基盤地図情報」による
 10mメッシュの標高データを利用して地形のモデルを作成します。
 それに調査段階で得られたボーリングデータ、地質縦断図の情報をもとに地層種別ごとに色分けを行っています。
 
地層モデル
 
②トンネルモデルは、設計時の線形、座標、断面形状をもとに、トンネル支保構造の違いにより色分けを行っています。
 浦川第1トンネルでは、本線トンネルと避難坑を併設(太い線が本線トンネル、細い線が避難坑)しますが、
 3Dモデル化することにより、トンネルの大きさの違いや、双方のトンネル位置関係などが一目瞭然になります。
 
トンネルモデル
 
③トンネルの入り口部分(坑口)は、LP測量を実施して、得られた点群データから、より詳細なモデルを作成しています。
 トンネルと地表面との位置関係などの詳細検討に活用しています。
 
坑口詳細モデル
 
④作成したトンネルモデルに、施工の品質管理記録(施工日時やコンクリートの品質などのデータ)を属性情報として関連付けます。
 関連付けとは、その対象部位のトンネルモデルと属性情報がつながること(リンクすること)を言います。
 その結果、簡単に対象部位のモデルから施工時の記録をフィードバックすることが可能になります。
 またその逆に、施工時の記録から対象部位の3Dモデルを検索することも可能となります。
 
属性情報関連付け
 
⑤トンネルの変位を計測し、変位データを属性情報として3Dモデルに関連付けます。
 可視化することにより状況判断するときの資料となります。
 施工中の変位データを蓄積するとともに、引き渡し時には、覆工の初期点検の情報なども関連付けする予定です。
 
計測結果情報
 
 また、切羽の観察記録から、施工時に判明した地層をトンネルモデルに反映します。
 
地質情報
 
 

産・学・官CIM検討会(トンネル分野)の取り組み

産・学・官CIM検討会では、調査から維持管理までの一連の建設生産システムにおいて次の段階につながり、
そして有効に活用するため、各段階(調査・設計・施工・維持管理)のモデルにおいて、付与する属性情報の選定、
次の段階へのデータ受け渡しの方法、受発注者間のデータ共有方法等についての検討が進められています。
 
検討会の下には、発注者側を中部地方整備局のみとしたWG(ワーキンググループ)を設置し、
(株)大林組名古屋支店のご協力を得て、施工段階からの提案を中心に、
より現場に近い形で意見交換を行い検討会への提案を行っています。
 
各段階のモデルと検討状況
 
①設計段階の「CIMトンネルモデル作成ガイドライン」の検討状況
施工者側で効果的に利用することを目的に、調査・設計側でトンネルモデルを作成するための考え方や手法等を取りまとめています。
現在以下のような観点で議論が進められています。
 
●ベースとなる地形モデルの作成方法について、国土地理院で提供されている「基盤地図情報」の活用や、
 部分的なレーザープロファイルデータなどを用いた詳細な地形データの活用について
●地質調査結果のモデル化において、モデルの種類とそれぞれの特性と妥当性について
●構造体モデルにおいては、施工で利用することを念頭においてモデルの種類や、その作り込みの程度について
 
②施工段階におけるCIMモデルの効果的な活用方法の検討状況
設計側で作成されたトンネル構造物のモデルデータを、
施工時および次工程に対して活用することを目的に、考え方や手法等を取りまとめています。
現在以下のような観点で議論が進められています。
 
●設計段階から受領した設計モデルの確認方法について
●施工管理情報(切羽・地質情報)の累積・共有方法について
●出来形確認への活用について
 
③維持管理段階へのトンネルCIMモデルの利活用の検討状況
維持管理(点検→健全性の診断→措置→記録)で必要となるモデルについて、
現在行われている方法をもとに、以下のような観点で議論が進められています。
 
●維持管理に適したトンネルモデルについて
●施工から維持管理段階へ受け渡す属性情報について
●施工段階で活用したトンネルモデルの保管方法について
 
 

おわりに

平成27年12月にはWGを開催し試行モデルを題材とした意見交換を行い、
ガイドラインの骨子の素案を作成し、平成28年2月頃に予定する検討会に提案する予定です。
来年度はこの骨子をもとにガイドラインの策定が行われる予定です。
 
ガイドラインが整備されることにより諸要件が整理され、将来的に官・民協力してCIMを活用することにより、
生産性・品質の向上や工期短縮がなされ、担い手不足の解消へとつながっていくことを期待しています。
 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2016
特集1「本格化するCIM」
建設ITガイド 2016
 
 

 

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