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建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 土木施工単価 > 土木工事積算基準等の 改定について

 

 国土交通省大臣官房技術調査課
コスト評価係長 山下 敦馬

 

1.はじめに

わが国の社会資本ストックは,高度経済成長期などに集中的に整備され,今後急速に老朽化することが懸念されることから,真に必要な社会資本整備とのバランスを取りながら,戦略的な維持管理・更新を行うことが課題となっています。
 
また,国民の安全・安心を確保するとともに,厳しい財政状況下においても必要な社会経済活動を営み,わが国のさらなる成長を図るために,社会資本を適切に,かつ効率的・効果的に維持管理・更新を行うことが必須となります。
 
維持修繕工事においては,施設ごとに構造形式や劣化・損傷の状況等が異なることから,新設工事と比べて多くの労力を要し,人件費や機材のコストも割高になる場合があります。
  
このような状況を踏まえ,維持修繕工事等の小規模施工や点在する施工において適正な価格による契約を行うため,「施工箇所が点在する工事の積算方法」「間接工事費率(共通仮設費,現場管理費)」について,現場の支出実態に合うよう見直しを行い,平成26年度の土木工事積算基準から適用開始しました。
  
また,東日本大震災の被災3 県(岩手県,宮城県,福島県)において,工事量の増大や資機材不足により作業効率が低下している実態を踏まえ,間接工事費率の割増しを行う「復興係数」の導入や,受発注者の事務作業量軽減のため,単品スライド条項の事務手続き簡素化について,本年2月から適用しているところです。
  
本稿では,土木工事積算基準等の改定内容と東日本大震災被災3県における積算基準上の取り組みについて,説明させていただきます。
 
 

2.土木工事標準積算基準の改定について

(1)施工箇所が点在する工事の積算方法の改定について
 
施工箇所が点在する工事については,建設機械を複数箇所に運搬する費用や複数箇所の交通規制等がそれぞれの箇所で発生するなど,積算額と実際にかかる費用に乖離がみられるため,「直径5km 程度以上を超える点在範囲については,別箇所として扱い,箇所ごとに間接工事費(共通仮設費,現場管理費)を算出する」こととしていました。
  
今回,維持修繕工事等の施工箇所の点在における適正な予定価格の算定等のため,「直径1km 程度以上を超える点在範囲については,別箇所として扱い,箇所ごとに間接工事費(共通仮設費,現場管理費)を算出する」こととします。
  
また,変更契約において,新規工事箇所の追加(工事原価まで官積算100%)を認めることとします(新規箇所が入札不調・不落となった箇所であり,既契約工事の主たる工種に該当することが基本)。
 
(2)間接工事費率の改定
 
維持修繕工事(道路維持工事,河川維持工事)における小規模および点在施工等の支出実態に整合した間接工事費を設定するため,現在の間接工事費率対象額下限値(共通仮設費600 万円,現場管理費700 万円)以下の間接工事費率(共通仮設費200 万円以上,現場管理費200 万円以上)を設定します。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(3)工事一時中止に伴う費用の算定方法の見直し
 
工事用地等の確保ができない等のためまたは暴風,豪雨,洪水,高潮,地震,地すべり,落盤,火災,騒乱,暴動その他の自然的または人為的な事象であって受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じもしくは工事現場の状態が変動することにより,受注者が工事を施工できないと認められるときは,発注者により,工事の中止内容を直ちに受注者に通知して,工事の全部または一部の施工を一時中止させなければならないこととされています。
  
これに伴う工事期間の延長によって,土地の借上げ,電気および用水等の基本料金,機械の搬出・搬入等,現場事務所や労務者宿舎等の損料,さらには常駐する社員等従業員給料など工事現場の維持に要する費用が別途必要とされるところであるため,工事一時中止に伴う増加費用の算定方法について,現場の支出実態を踏まえ改定することとしました。
 
具体的には,工事の一時中止に伴い増加する費用の算定に用いる経費率を現行の率から20%割増しするとともに,新たに基本計上費用(土木一般世話役を中止日数分)を計上することとしました。
 
 

3.東日本大震災の復旧・復興事業等における積算方法等に関する試行について

(1)「復興係数」による間接工事費の補正について
 
東日本大震災の被災3 県では,早期復興に向け大規模な復旧・復興事業が推進されており,調査の結果,工事量の増大による資材やダンプトラック等の不足で標準積算基準と施工実態との間で,乖離(日当たり作業量の低下)が生じています。
 
これにより直接工事費だけでなく,間接工事費についても現場の支出が増大しているため,実態調査に基づき,間接費の割増しを行う「復興係数」を本年2月から適用開始しています。
 
■「復興係数」による間接工事費補正
①補正対象地域:被災3県
②補正対象工種:被災3県にて施工される全ての土木工事
③補正方法:対象額により算出した共通仮設費率および現場管理費率に次の復興係数を乗じる。
  共通仮設費1.5,現場管理費1.2
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(2)単品スライド条項手続き簡素化の試行について
 
契約締結後の資材価格変動に対応する単品スライドは,通常,搬入月ごとの数量と材料単価を把握するため,証明書類(納品書,領収書等)をとりまとめ,提出する必要があります。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
東日本大震災の被災3 県における主要な工事材料の価格の著しい変動に対処するため,当該県内で実施されている工事の請負契約で単品スライド条項に基づき請負代金額の変更を行う場合においては,実勢単価等の官積算により算出することで,証明書類のとりまとめ・提出を不要とし,受発注者の負担を軽減し,簡素化を図っています。
 
 

4.施工パッケージ型積算方式について

施工パッケージ型積算方式については,平成24 年10 月1 日以降に試行を開始し,平成25 年10 月1 日から拡充を行い209のパッケージを導入しているところです。すでに導入している施工パッケージ単価について,資材,労務,機械経費の物価変動に伴う標準単価および機労材構成比の改定を行いました。
 
改定後の単価は,「平成26 年度 施工パッケージ型積算方式標準単価表」「平成26 年度 東日本大震災の被災地で適用する施工パッケージ型積算方式標準単価表」として,国土技術政策総合研究所ホームページに掲載しています。
http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/theme/theme2/theme_sekop.htm
 
 

5.おわりに

国土交通省所管事業の執行に当たっては,消費税引上げに伴う景気の下振れリスクに万全を期すため,政府をあげて早期の実施に努めることとされています。一方で,公共事業の現場においては,入札不調・不落の発生,人手や資機材の不足感といった課題に直面しています。
 
そのため,今後の公共事業の執行に当たっては,現場が直面する課題や執行状況をきめ細かく把握し,事業の円滑な施工確保のための対策を機動的に講じていく必要があります。
 
土木工事積算基準においても,実際に現場で工事に携わられている方々の実態をより適切に反映した積算基準とすることが,よりよい社会資本の整備,維持管理を的確に行う等にも重要であると認識しており,今後も施工の実態調査を進め,その結果に基づき必要に応じ積算基準類を改定するなど,適正な価格の設定に努めてまいりたいと考えています。
 
 
 
【出典】


土木施工単価2014夏号

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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