建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 建設ITガイド > BIMソフトの実践テクニック講座 Vectorworks編

 

エーアンドエー株式会社

 
Vectorworksは30年に及ぶ開発において、CADとして2D図面の作成効率を目指し、多くの設計者のサポートツールとなってきた。基本設計から詳細設計、実施設計、さらにはプレゼンテーション作成までを一つのアプリケーションで完結することができる。さらに初期から3Dモデリングツールを取り入れるとともに、いち早くデータベース機能を持つことによって、モデルと情報の高度な連携を実現してきた。これは現在BIMと言われているものに近く、BIMが叫ばれる前から似たような機能を提供してきた歴史を持っている。また、2Dと3Dの属性を持つハイブリッド建築オブジェクトによって、モデリングは簡便になり、図面の作成も素早く行うことができるようになっている。モデル情報の集計もより一層手軽で、モデルと集計表の連動も兼ね備えている。
 
ここではBIM機能を中心にTipsをご紹介する。一般的なBIMツールでは、壁ツールやスラブツールなどの専用ツールを使ってモデリングするが、Vectorworksは2DでのエスキスからスムーズにBIMに移行する機能を併せ持っている。汎用CADをベースにするVectorworksならではの大きな特長であり、ユーザにとってのアドバンテージとなる。BIMに移行してからも、柔軟なモデリング環境を使い詳細なBIMモデルを構築することができる。
 
エーアンドエーでは、BIMの情報サイト「VectorworksBIMlog」を開設し、その中で、Vectorworks Architectをベースとした、BIM機能の連載を行っている。
http://bim.aanda.co.jp/BIMlog/
 
 





2D図形から部屋を作成

2D CADの機能を使ってエスキスを行うことができる。四角形や多角形などで間取りを検討したら、そこからBIMの部屋オブジェクト(スペース)に変換することが可能。使い慣れた環境からBIMへの移行をサポートする。
 
スペースには高さや面積以外にも、照明やコンセントなどの設備情報を割り当てることができるため、一覧表として集計することができる。
 
 

部屋図形から壁を作成

部屋を作成したら外壁・間仕切り部分に一気に壁を作成。壁ツールで一つ一つ作成することも可能だが、部屋図形を活用することで手間を省き、モデル作成を簡略化することができる。
 
作成する壁も、ダブルラインのものから材料の設定されたものまで、外壁と間仕切りで個別に選択することができる。
 



 

ダブルラインの壁を置き換える

設計初期の段階では壁の仕様が決まっておらず、ダブルラインの壁で作成することが多い。仕様が決まった段階で、ダブルラインの壁から各材料の厚みが設定されたもの(壁スタイル)に置き換えることができる。
 
書き直す手間を抑え、置き換え基準を設定しながら変更ができる。もちろん、壁の仕様が変わった場合も他のスタイルに変更可能。
 



 

フロアの高さと仕上げレベル

フロアの設定(ストーリ)をGLからの高さで明示的に指定できる。これはどのBIMツールでも当たり前にできることだが、Vectorworksはフロア内部にあるさまざまな仕上げ高さも設定することができる。
 
例えば、FL基準をスラブ仕上げとし、床仕上げや天井仕上げ、腰壁天端などをFLからの高さで作成することが可能。仕上げレベルはレイヤとしても作成できるため、高さの変更によってオブジェクトの位置を連動させることができる。
 



 

壁の材料の高さ設定

壁の設定(壁スタイル)では、各種材料の厚みや順序を指定することができるが、実際の建物では、材料ごとに高さが異なってくる。石膏ボードは床仕上げから天井仕上げ、躯体コンクリートはスラブ仕上げから上階のスラブ仕上げなど、材料ごとに変えられるため、設計に応じて柔軟にモデリングができる。
 



 

壁とスラブ、屋根との取り合い

材料の構成が設定されるのは壁だけではない。スラブや屋根にも材料の厚みを設定することができる。
 
さらに、壁とスラブ、壁と屋根の材料同士の取り合いを設定することが可能。それぞれの部材の関係性をきちんとモデリングすることができる。
 



 

2D図形から建築部材への変換

2D図形から変換できるのはスペースだけではない。手摺やスラブ、道路などに変換することができる。
 
いきなり専用ツールで作成する必要はなく、2Dで検討しながら、必要なものを建築部材に変換可能。
 



 

地形モデルの作成と編集

BIMツールとして建物のモデリングは当たり前だが、Vectorworksでは地形モデルも作成することができる。しかも等高線や測量データをもとに作成するため、再現性が非常に高い。
 
さらに、作成した地形モデルに対して、造成地や法面の設定ができ、その結果から盛土や切土の量を算出することができる。
 



 

部材へのカスタム情報追加

建築部材は多くの情報を標準で持っている。しかし、さらに情報を追加したいケースも出てくる。Vectorworksでは、レコードと呼ばれる任意情報を作成し、部材に割り当てることができる。
 
割り当てた情報は、ワークシートと呼ばれる一覧表に集計でき、一覧表からも情報の編集ができる。
 



 

IFC 取り込みのフィルタリング

OpenBIMではIFCデータの授受が重要となる。VectorworksではIFCデータの取り出し、取り込みに対応しているが、設備や構造のデータはファイルサイズが大きい場合が多い。そのような時は、取り込み時にフロアや部材の種類などでフィルタリングして取り込むことができる。
 
大きいデータでも、必要なものだけを取り込むことでデータ量を極力小さくし、モデルを取り回しやすくすることができる。
 



 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2016
特集2「海外のBIM動向&BIM実践」
建設ITガイド 2016
 
 

 

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