建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 地方自治体の新技術普及・活用に対する取り組み〜和歌山県〜 県産品の活用促進に向けた取り組み〜つくろう・つかおう けんさんぴん〜

 

1. はじめに

本稿では,公共事業における県産品の活用に積極的に取り組んでいる和歌山県の「和歌山県けんさんぴん登録制度」と登録事業者による県産品PR の取り組みについて紹介する。
 
 

2. けんさんぴん登録制度の概要

「和歌山県けんさんぴん登録制度」とは,県が発注する公共事業の県産品の活用拡大をはかることにより,県内景気の浮揚と雇用の確保に寄与するとともに,公共工事の品質の確保,コスト縮減および和歌山県土の保全と復元をはかることを目的に平成18年度に創設した制度である。
 
図−1に示す4つの定義のうち,いずれかを満たすものを県産品として定義している。
 

図−1 和歌山県における県産品の定義




 
企業の所在地に着目すると,県外企業であっても,県内の工場で生産された製品であれば,県産品として扱っている(図− 2)。
 

図−2 県産品の定義(企業の所在地と製造地について)




 
つまり,企業が県内であるかどうかだけではなく,工場がどこにあるかに着眼しており,「メイド・イン・和歌山」を重視した制度を採用している。
 
登録は,年4回行われており,登録期間を3年間とし,3年毎に更新の手続きを行うこととなっている。
 
 

3. 登録の状況

県産品に登録されている商品は,平成28年11月1 日現在,230 者,821製品であり,登録数は制度発足時より,増加してきている。
 
また,和歌山県の特産品である紀州材を利用した資材に関するものは40者,84商品を登録している。
 
 

4. 活用促進のための県の取り組み

県産品の積極的な活用促進のため,下記の4つについて,取り組んでいる。
 
①土木設計業務等共通仕様書への記載
②土木工事共通仕様書への記載
③工事成績評定での加点
④総合評価落札方式における評価
 

4-1 土木設計業務等共通仕様書への記載

業務の発注時点において,受託者に,県産品を積極的に活用するための検討を行った上で,県と協議し,比較検討した上で採用する工法を決定するよう求めている。
 

4-2 土木工事共通仕様書への記載

工事の発注時点において,受注者に,県産品資材や県内調達資材の優先使用に努めることを求めている。
 
また,受注者は,設計図書に明記された工事材料に県産品以外のものを使用する場合は,理由を明記した調書を県に提出することとしている。
 

4-3 工事成績評定での加点

施工にあたって,受注者に県産品を優先使用してもらえるように,工事成績評定において,下記①〜③に該当した場合は,加点を行うこととしている。
 
①仕様書明記の県産品をすべて使用した場合
②上記①を満たした上で,明記していないものについて県産品を使用した場合(①の加点に更に加点)
③仕様書に県産品の明記が全くない場合に,県産品を使用した場合
 

4-4 総合評価方式での評価

総合評価方式において,過去の工事における工事の成績評定で,県産品の積極使用により加点評価された工事件数などを評価している。
 
 

5. 県産品登録事業者の取り組み

これらの県の取り組みにより,県産品の活用は拡大をしているところではあるが,県産品登録事業者に対して行ったアンケートによると,商品の知名度が低いため活用されにくいということを課題と認識している事業者が多くみられた。
 
また,展示会の開催が県産品をPRするうえで有効な手段と考える事業者が最も多いことも分かった。
 
このことから,展示会の開催のため,実行委員会の結成を県が呼び掛けたところ,登録事業者12者が応じ,県産品の活用拡大を図ることを目的に,平成28年2月「和歌山県産品登録事業者連絡会(以後,連絡会という)」が結成された。
 
平成28年度の連絡会の活動として,県産品建設資材フェアを開催することとした。
 
 

6. 建設資材県産品フェアの開催

「和歌山県けんさんぴん建設資材フェア(以後,「けんさんぴんフェア」という)」は,建設工事の資材を製造している県内の企業や団体が集い,自社製品の魅力や優れた技術を直接紹介することで,販路拡大のチャンスをつかむ場として平成28年6月24日に和歌山ビッグ愛で開催した。
 

けんさんぴんフェア開催状況




 



 
けんさんぴんフェアは実行委員会形式で,出展企業から出展費用を集めて運営し,今回初めての開催であることから,実行委員会も手探りの状態から始まった。検討する内容も多く,開催月までほぼ毎月会議を行った。
 
来場者と建設企業に多くの参加を促すため,ポスター・チラシの作製,配布,ホームページの開設を実行委員会が行い,(一社)全国土木施工管理技士会連合会の『継続学習』システム(CPDS)のユニット3ポイントの認定も得た。
 
この結果,当初目標の倍以上である約1,000人(官公庁245名,建設業437名,コンサルタント業39名,その他286名)の来場者にお越しいただき,大盛況の内に終了した。
 



 
 

7. 今後の予定

今回の反省点として,
 
● 一時的に来場者が集中したため,大変混雑し,本来の目的である商品説明が十分にできなかったこと。
● コンサルタント業の方の参加が少なかったこと。以上の点が挙げられる。
 
 


 
県産品の活用促進を行うためには,設計段階から県産品に対する活用検討を行うことが最も重要であることから,今後のフェア開催の課題としては,プレゼンスペースを設けてより詳しく説明を行うなど,コンサルタント業の方にもっと来場していただき,和歌山県の県産品の良さをアピールできるよう工夫していくことだと考えている。
 
 

和歌山県の県産品に関する情報

●県産品に関するホームページ
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/081100/kensanpin/index.html
●問い合わせ先
和歌山県県土整備部県土整備政策局
技術調査課技術基準班
TEL  073-441-3084
E-mail e0811002@pref.wakayama.lg.jp
 
 

けんさんぴんフェアに関する情報

●ホームページ
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/081100/kensanpin/index.html
●問い合わせ先
和歌山県産品建設資材登録事業者連絡会
和歌山県紀の川市貴志川町岸宮433
TEL 0736-64-8099
 
 

和歌山県 県土整備部 技術調査課
和歌山県産品建設資材登録事業者連絡会

 
 
 
【出典】


積算資料公表価格版2017年01月号 特集③



 

 

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