建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料公表価格版 > 雨水管理における新しい課題解決スキーム −共助をサポートする明電舎の取り組み−
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平成26年7月、「新下水道ビジョン」が策定され、「雨水管理のスマート化」という概念が打ち出されて以降、下水道事業では産学官が連携してICTによる更なる雨水管理スマート化が推し進められてきた。さらに平成29年度にはICTを徹底活用した、より効率的な雨水管理を実現するべく「雨水管理スマート化2.0」構想が打ち出されている。
 
明電舎は、民間企業としていち早く、自治体(公助)と住民(自助)の力を合わせた、雨水管理における新課題解決スキーム(共助)の取り組みをサポートしてきた。同社水・環境システム事業部戦略企画部長の平井和行氏にその取り組みについて語っていただいた。
 
マンホールアンテナ


 
明電舎は今年創業120周年を迎える重電機メーカーです。下水道事業では1922年に日本初の近代下水処理場「三河島汚水処分工場(現:三河島水再生センター)」への電気設備納入を皮切りに、現在も全国各地の下水処理施設を電気の技術で支えています。
 
明電舎は「雨水管理スマート化」が打ち出されて以降、お客様である自治体と様々な機会を通じて協議を重ねてきました。その中で、下水道事業分野において、自治体はゲリラ豪雨による浸水被害の防止・軽減といった新たな課題に対し、限られたリソース(予算や人材)で最大限の対策を求められている実情を目の当たりにしました。
 
そこで、メーカーとしての下水道事業における知見とノウハウを活かし、事業主の自治体だけでなく、弊社と同じく事業を支える様々な企業・組織とも連携し、雨水管理における自治体(公助)と住民(自助)の力を合わせた、新たな課題解決スキーム(共助)の確立を模索してきました。
 
 

「IoT技術」と「既存リソース」を活用した面的な水位情報の収集と予測を実現

「雨水管理スマート化」の視点から、効率的な雨水管理を実現するには、各拠点における水位情報を面的にウォッチする「水位管理」が重要です。そこで、明電舎ではIoT技術とお客様の既存設備を活用しながら、面的な水位情報を収集できる「マンホールアンテナ」というセンサデバイスを、東京都下水道サービス(株)、日之出水道機器(株)と共同開発し実用化させました。
 
また、熊本市との共同研究において、こうした水位把握システムを市内に設置し、平成28年1月から平成29年3月まで約1年間、市内10ヶ所でリアルタイムにデータ収集・予測をする実証実験を行いました。この実験では、各水位観測点の水位実測データと国土交通省が運用するXRAINの実測および予測データから、60分後までの各所水位を高精度に予測することを実現しました。
 
今後は水質や臭気などあらゆるデータを併せて計測・収集し、解析・予測精度を高めることで、自治体における大雨時の緊急時初動確保や防災計画への展開に寄与できればと考えています。
 
熊本市で行われた実証実験(画面表示)-1
熊本市で行われた実証実験(画面表示)-2


 
 

より低コストかつ高精度なビッグデータの収集と提供に向けての取り組み

従来のリアルタイム水位把握システムでは、測定点ごとに携帯電話用の3G/LTE通信機器を設置していたため、測定点が多い場合の通信コストが高くなることがネックでした。そこで、明電舎は、厚木市で平成29年1月より、国土交通省の技術支援のもとKDDI(株)と共同で、LPWA( Low Power Wide Area)と呼ばれる新しい無線規格を利用したビッグデータベース構築の実証実験をスタートさせました。LPWAを使用することで通信コストはこれまでの1/10程度に。また発信装置も数kmという長距離伝送が可能かつ障害物を回折でき、さらに省電力仕様といった、様々なメリットがあると考えています。
 
LPWAを使ったビッグデータベース構築を一刻も早く実用化し、水位データの収集に踏み切れなかった自治体の導入を後押しできればと思います。
 
従来システム(図上)とLPWA(図下)の違い


 
 

「マンホールアンテナ」を活用した多彩なソリューション事例

 
①集中豪雨対策
国土交通省は内水氾濫対策として水位情報を重視しており、下水道浸水被害軽減総合計画で「水位観測計画」の策定を義務化しています。水位情報の収集・分析により、迅速な緊急初動、避難指示の発令に活用できます。
 
②都市計画、防災計画への反映
管路内の水位が高くなりやすい箇所は、雨水貯留浸透施設や排水設備などを優先的に整備するなどの検討を支援できます。ハザードマップの作成など防災計画にも適用可能です。
 
③日常的な維持管理
1日を通した水位の変化(日較差)から、管路の異常を察知できます。例えば、朝・晩は下水道の使用量が多く、昼間は少ないのが一般的ですが、もし昼間に水位が上がれば、管路の閉塞などの異常があったのではないかと推測できます。
 
 

今後の取り組みについて

自治体といっても、それぞれがもつリソース、地形、文化、歴史、都市計画は一様ではありません。そうなると、同じ「浸水リスク対策」といっても、解決方法は一様ではなく自治体や地域ごとに異なるでしょう。明電舎は民間企業として技術力とノウハウを活かして、様々な情報を地域毎に蓄積・整理・解析して、人工知能(AI)を使って情報トリアージすることで、自治体の公助をサポートし地域住民の協力(自助)を促せるようなスキーム作りを実現していきたいと考えています。
 
とはいえ、こうした課題を一企業で解決することはもはや不可能だと考えています。様々な民間企業と連携し、それぞれが持つアイデアやノウハウを活かしオープンイノベーション的に課題解決に取り組んでいきたいと思います。
 
 

問い合わせ先
株式会社 明電舎

五反田事務所 〒141-8616 東京都品川区大崎5-5-5(明興ビル)
水・環境システム事業部 営業部
[TEL] 03-6420-7320
[URL] http://www.meidensha.co.jp/
 
 
【出典】


積算資料公表価格版2017年05月号



 

 

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