- 2017-10-30
- 土木施工単価
1.はじめに
下水道用設計標準歩掛表(通称「白本」)は,下水道工事の特性を勘案した固有の積算基準として,施工実態調査の結果に基づき標準的な施工が行われた場合の労務,材料,機械等の規格や所要量を定めており,設計積算の際の参考図書として,全国の下水道工事の積算担当者に広く活用されています。
下水道用設計標準歩掛表は,昭和47 年に管路施設編を策定・通知したことをはじめとし,社会環境の変化,各種工法の開発,施工技術の向上・省力化など施工実態の変化に応じて積算基準及び歩掛等の追加・改定等を行い,現在の下水道用設計標準歩掛表の構成(表- 1)となっています。
下水道用設計標準歩掛表は,施工実態調査に基づき,適宜歩掛の新規制定・改定を実施しており,改定に当たっては,下水道事業積算施工基準適正化会議等を通じ,全国の下水道事業主体から積算に関する意見・要望等を取り入れ,内容の充実を図るとともに下水道工事における適正な積算を確保するための条件整備に努めています。
また,下水道用設計標準歩掛表並びにこれを補完する図書として,「下水道用設計積算要領」が公益社団法人日本下水道協会から発刊されています。
2.平成29 年度の改定概要
(1) 第3 巻 設計委託(表- 2,図- 1 ~ 3)
下水道施設設計業務積算基準の「下水道法による事業計画業務」について,下水道法の改正に伴い,歩掛の改定を行うとともに,近年,多発する浸水被害への対応を図るため「雨水管理方針策定業務」の歩掛を新規制定し,さらに「汚水処理施設整備構想策定業務」の標準業務内容と標準仕様書の改定及び標準歩掛の新規制定を行いました。
3.おわりに
下水道工事の積算基準は,客観性・公平性・経済性の観点から市場の実態に的確に対応したものでなければなりません。国土交通省では,今後も事業主体である地方公共団体の意見・要望を取り入れながら,不調・不落の防止や工事品質の確保等の観点も踏まえつつ,積算基準の適正化に努めていきたいと考えています。事業主体等におかれましても,施工実態調査や諸経費動向調査等,積算基準に係る各種調査にご協力いただくとともに,下水道工事等の適正な執行がより一層推進されるよう,下水道事業積算施工基準適正化会議等の活性化を図っていただきますようにお願いします。
研修員 難波 建二朗
再構築係長 清崎 里恵
【出典】
土木施工単価2017夏号
最終更新日:2017-10-30
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