• 建設資材を探す
  • 電子カタログを探す
ホーム > 建設情報クリップ > 建設ITガイド > 現場の困った!をCIM/ICT活用で解決 -中小建設業の駆け込み寺を目指す-

 

CIMを活用して現場の困ったを解決

一般社団法人 CIM解決研究会は、CIM・i-Construction・ICT工事とは何をどうやったらいいのか、現場でCIMを活用して時間削減、工期短縮、コスト削減、生産性向上などの観点から何かいいヒント・アイデアはないかなど、「現場の困った!」をCIMで解決できるように勉強・研究する会として設立しました。会員同士で解決していきながら技術向上を図る目的で偶然にも平成27 年4月6日「シム」の日に設立しました。
 

「現場の困った!」を解決したい




 
この設立同期に賛同した元建設省大臣官房審議官の天本俊正氏や緒方正剛氏を参事として迎え入れ、会員の顔ぶれは12月現在、法人正会員27社、個人正会員19名で構成され、土木建設会社、測量設計コンサルタント会社、建機レンタル会社などの土木分野に限らず、UAVパイロットを育成する企業、ソフトベンダーやIoT(Internetof Things)関連会社なども参加しており、会員同士のタイアップ、コラボレーションも実現しています。
 
国土交通省では、i-Constructionのトップランナー施策である「ICTの全面的な活用」の推進に関連して、3次元モデルを活用し社会資本の整備、管理の効率化・高度化を図るCIMを、土工、トンネル、橋梁、ダム等へ本格導入するための動きがさらに活発化してきています。この取り組みは、「計画測量調査設計」から「施工」そして「維持管理」と建設生産システム全体の生産性向上を図る目的があるため、それぞれのフェーズでのネットワーク構築、連携、情報共有が重要となるためCIM解決研究会はまさに、CIM・i-Construction・ICTを解決する「ハブ」の役割を担っています。
 
 

毎月の勉強会で相互に意見交換

研究会は設立以来毎月欠かさず勉強会を開催し、平成29 年12月で第32回を数えます。各分野からランダムに毎回2 名ほどの講師を招いて、CIM・i-Construction・ICT等の取り組みや事例、ソフトウェアの活用提案を講演していただき、各会員は情報収集や活発な意見交換の場となり、毎回大盛況で行われています。注目すべき点は、ただ発表を聞く場所としての一方通行ではなく、その場で参加した会員が「こんなことできないか?」「ここをこうしたい!」「ここが分からない」の困った!をそれぞれのプロが集まっているためその場で解決できるコミュニケーションの場ということです。毎回集まった参加者が何か一つでも役に立つヒントを持ち帰ってもらうため、講師、講演内容のバランスも工夫しています。また毎回事務局発表として、現場の3次元化事例や、i-Construction・ICT活用工事の事例等を現場目線で発表しており、実際現場で困っていることや課題、解決したいことを参加者に問いかけています。どうしても高額なソフトウェアに圧倒されがちですが、「身近な無償ツール、ソフトウェアでもここまでできる」事例紹介や、3次元データの利活用事例、アイデアを発表しています。情報通信系の企業で構成されるIoT分会ではセンサー技術や情報通信技術を研究、ICT建設系の企業で構成される技術部会では、UAV写真測量や点群処理のノウハウや、新技術の情報交換、相互協力で強力なネットワークを構築しています。
 
10月開催時には初の試みで、東京の会場と青森の河川工事でi-Construction・ICT活用対象現場を生中継しライブビューイングを企画。工事着手時の問題から施工管理プロセスなど現場の概要説明、UAVドローンの展示紹介と実機のデモフライト、ICT建機の操作モニターや稼働状況の解説、そしてドローンからのリアルタイム配信映像でICT現場を空から中継リポートし東京会場の参加者と相互通信で見学会を成功させました。参加者からは、「リアルで迫力があった!」「実際の現場をなかなか見ること、体験できることが少ないので貴重だった」「またやってほしい」と多くの評価があり好評でした。
 

ICT建機の操作モニター




 



 

UAV実機のデモフライト




 



 

i-Construction・ICT活用対象現場を生中継しライブビューイング




 
 

i-Con対応の技術習得を支援

平成29年7月にはi-Constructionを一気通貫で学び技術習得できる環境を構築したいということで、UAV事業パイロット養成センター埼玉を展開する株式会社Taskと建機レンタル大手の株式会社アクティオ、測量会社の株式会社マナブ測建、建設会社のユタカ工業株式会社などと連携し、i-Construction専用の講座フィールドを開設しました。UAVの基礎知識はもちろん、写真測量の撮影計画、実習から写真解析処理、3次元データ作成、ICT建機の3次元データ活用まで一気通貫で体験習得できます。I-Construction対応を目指す中小建設関連企業の“駆け込み寺”として、さらなる充実した講座環境を目指しています。また、会員企業と連携、タイアップして出前講座も行っており、企業の研修・勉強会、現場見学会でのUAVデモフライトや実機体験フライトやICT活用講座も行っています。
 

勉強会の様子




 



 

懇親会の様子




 
 

仲間と共に生産性向上を

「生産性向上」とは何か。CIM・i-Constructionの取り組みである「生産性向上」を実現、実感するためには企業連携が不可欠であり、一層の連携強化を推進する必要があります。
 
一般社団法人CIM解決研究会はそんな「現場の困った!」を会員企業が情報を持ち寄り、各企業や自治体、産官学の連携活動を活性化して課題や問題を仲間とともに解決していこうとする集まりです。少しでも安く、少しでも早く、少しでも楽に楽しくやるために知恵を絞り、最新の動向を踏まえて最適な道具を選びながら、今困っていること、今まではできなかったことを題材に調査、研究、技術向上を一緒に取り組んで「生産性向上」を実現する仲間を求め続けています。
 
 

一般社団法人 CIM解決研究会

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2018
特集1「i-Construction×CIM」



 

最終更新日:2019-01-17

 

同じカテゴリの新着記事

ピックアップ電子カタログ

最新の記事5件

カテゴリ一覧

話題の新商品