建設資材データベーストップ > 特集記事資料館 > 積算資料 > 施工パッケージ型積算基準の試行の拡大と基準改定に係る方針について《後編》

 

国土交通省大臣官房技術調査課

 

3.施工パッケージ型積算基準の効果について

現在の整理に基づいて、改めて、施工パッケージ型積算基準の導入の効果・狙いについて、以下で説明する。
 
施工パッケージ型積算基準導入の効果として、およそ以下の3点があげられる。
 
(1)受発注者における積算の簡素化
(2)積算基準の改定の効率化
(3)積算基準の透明性向上と受発注者間の認識共有のための環境づくり
 

図-3 積算の簡素化

図-3 積算の簡素化


 
(1)受発注者における積算の簡素化については、積上げ積算時には必要になる単価表の作成が不要になること(図-3)、
および予定価格への影響が少ない条件区分を省略したことによって条件設定の手間が軽減すること(図-4)により、
設計書の作成、積算根拠となる各種の資料作成および積算のチェックのそれぞれについて、手間の軽減が期待できる。
 
図-4 条件区分の省略

図-4 条件区分の省略


 
また、橋梁の踏掛版のように複数の歩掛を組み合わせたパッケージを作成することで、
積算の手間が軽減される(図-5)ことから、このようなパッケージについては、さらに充実させていく必要があると考えている。
 
図-5 複数の歩掛を組み合わせたパッケージの設定

図-5 複数の歩掛を組み合わせたパッケージの設定


 
(2)積算基準の改定の効率化については、2.で述べたとおりである。
応札単価等データによるモニタリングは、歩掛を対象に現在行っているモニタリング調査よりも、網羅的に行える点で、
内容の充実にも資するものと考えている。
 
(3)積算基準の透明性向上と受発注者間の認識共有のための環境づくり、という点に関しては、少し抽象的であるので、説明をしたい。
まず、透明性向上に関しては、施工パッケージ型積算基準では、
パッケージ単価をはじめとした各種の積算基準を国土交通省本省および国土技術政策総合研究所建設システム課のホームページを
通じて公表をしており、誰でも積算基準について知ることができるようになっている。
運用の詳細についても、F&Aなどの形式で随時公表ており、引き続き情報提供を充実させていきたい。
 
受発注者間の認識共有のための環境づくりの意図するところは、積算基準を公表し積算を透明化したことが、今後、
関係者間での積算単価について議論する土俵づくりになっていくのではないかということである。
元請け企業だけでなく下請け企業についても、内訳書の提出、単価合意の機会、元下契約等を通じて、
パッケージごとに積算が施工実態にあっているかを確認することになる。
また、これらの確認の結果が応札単価等として意思表示され、収集する単価についても妥当性の高いものになることが期待できる。
その場合、応札単価等を使用したパッケージ単価の改定も行えるようになると期待している。
 
 

4.施工パッケージ型積算基準の今後の拡大方針について

施工パッケージ型積算基準については、段階的に拡大していく予定であるが、今年10月からは、表-1に示す
146のパッケージを追加する(平成24年度導入開始分を加えると209パッケージ)こととしている。
これによって、道路改良、築堤・護岸、舗装の3工事区分については、歩掛から施工パッケージへの移行がおよそ完了する。
これによって、使用頻度ベースでは、概算で約5割が施工パッケージ単価を用いることになる。
同じく使用頻度が平均約2割の市場単価を合わせ、約7割の積算が原単位化されることになる。
 
引き続き、道路維持・修繕、河川維持・修繕、砂防堰堤、電線共同溝の工種について、
現在、施工パッケージ化に向けた検討を進めており、準備が整えば、今後、これらの導入を進める予定である。
使用頻度が高く、積算の簡素化が期待できる工種については、今後もパッケージ化を進める必要があると考えている。
 
一方で、形状が複雑、あるいは施工条件が多様であるなど、パッケージ化に向いていない工種も存在する。
これらの工種については、従来から使用してきた歩掛を今後も維持していく見通しである。
 
表-1 平成25年10月から追加するパッケージ一覧
 
 

5.おわりに

発注者側も職員不足が進み、工事発注に関する労力の軽減が不可欠な現状において、
直営時代の流れを引き継いだ積算からの転換は不可避の状況にある。
一方で、歩掛など従来の積算基準については、積算だけでなく、施工の実態を把握する、
あるいは施工に関する技術力を保持するために一定の役割を果たしてきたことも事実である。
 
今後、これらを含め、積算簡略化の弊害を軽減する取り組みについては、
現場の実態や受注者の意見を丹念に聞きながら、別途進めて参りたい。
 
施工パッケージ型積算基準の試行の拡大と基準改定に係る方針について《前編》
施工パッケージ型積算基準の試行の拡大と基準改定に係る方針について《後編》
 
 
 
【出典】


月刊積算資料2013年11月号
月刊積算資料2013年11月号
 
 

 

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